【第7回】会津発。「こだわり」の菓子作り-お菓子の蔵 太郎庵店主 目黒 督朗氏(福島)

お菓子の蔵 太郎庵
店主 目黒 督朗氏(福島)

 エーンヤー、会津磐梯山は宝の山ヨー。NHKの大河ドラマ「新撰組」や新千円札の野口英世効果により、いま「歴史と文化の街・会津」は全国から熱い注目を集めています。その会津で、地元にしっかり根をおろし「こだわり」の菓子作りでスローフードを進化させる店作りをめざすのが太郎庵・店主の目黒督朗さん(福島同友会会員)です。

「会津」へのこだわり

 太郎庵は今から56年前、先代の父が創業、目黒さんは迷うことなく後を継ぎました。太郎庵の「こだわり」のひとつは地元・会津へのこだわり。現在10店舗を構えていますが、そのすべては本社から車で40分圏内の会津地域内です。「会津以外には出店しない」「目の届かない遠い店では売りたくない」と目黒さん。「いかに大きくなるのかではなく、『最良であるか』が判断の全ての基準です」と言い切ります。

 イタリアでおこったスローフード運動は、(1)消えつつある郷土料理や質の高い食品を守ること(2)質の高い素材を作る生産者を守ること(3)子供たちを含めた消費者全体に味の教育を進めることですが、「会津の菓子づくりの中で、このスローフードを進化させていきたい」と言います。

「素材」へのこだわり

 会津にこだわる太郎庵には、お菓子の素材を提供していただく多くの地元の生産者との出会いがあります。熱塩加納の遠藤さん、長瀬谷さん、菅井さんとの出会いもその一つ。

 皆さんは、昨年の「全国米食味分析鑑定コンクール」で見事に入賞を果たされました。

 このコンクールは、「米・食味鑑定士協会」が主催するもので、昨年は、全国約600の農家から新米約720点が出品されました。遠藤さんの生産したさゆり米(コシヒカリ)は、審査員をうならせるおいしさで、栄えある金賞に。太郎庵のお菓子に用いられるうるち米、もち米は、これらの素晴らしい農家の方々から、直接、仕入れています。

「太郎庵宣言」に込めた生涯一菓子職人の心

 目黒さんは福島同友会が毎年開催している「経営指針塾」や「同友会大学」で学び続け、自社の経営理念にますます磨きをかけています。

 同友会で学び続ける目黒さんが築いてきた、太郎庵の「こだわり」の店作りの理念は、「太郎庵宣言」に込められています。

  太郎庵宣言
   わたしたちは、いのちにやさしい、
   心ときめくお菓子を通して会津の風土を描き、
   お客様と共にやすらぎとぬくもりのある、
   しあわせ文化を創造します。

 会津にこだわった素材、季節を大切にしたお菓子づくりの中で会津のあたたかい心、自然、歴史、風土のすばらしさを伝え続ける「会津の応援菓」として太郎庵はお菓子の「桃源郷」をめざし歩み続けます。

会社概要

 創業:昭和24年8月
 従業員数:120名
 資本金:3,600万円
 年商:11億1000万円
 事業内容:和菓子、洋菓子製造販売
 本社所在地:〒969-6515 福島県河沼郡会津坂下町字福原前4108-1
 TEL:0242-83-3267(フリーダイヤル: 0120-00-3267)
 FAX:0242-83-0184
 URL:http://www.taroan.co.jp/
 E-mail:info@taroan.co.jp