シリーズインデックス:企業探訪の旅

【第20回】シルバーカンパニーの起業-(有)サン・テクニカル社長 大石 定之氏(静岡)(2005.08.31)

  ~定年退職者による経営革新~

(有)サン・テクニカル 社長
大石 定之氏(静岡)

高齢者の開発型企業

 (有)サン・テクニカルは、15年前に大石定之社長(静岡同友会会員)が、高齢者技術者集団の開発型企業として創業しました。大手メーカーの技術者であった大石氏は、定年58歳で退職後、ドイツの旅行でバキュームリフト(真空技術を使った吸着式搬送機)を知り、日本の高齢者を対象にした市場にすることを確信。この商品の販売施工で事業を開始しました。

 事業のコンセプトを「高齢者技術者集団企業」とし、高齢者だけの事業体として今日まで運営してきました。いずれの技術者も、それぞれ専門分野を極めている方々ばかりです。つい最近も、大手メーカーを退職したA氏を雇用。A氏は採用条件である運転免許取得、パソコンマスターを68歳でクリアし入社されたとのことです。

 バキュームリフトは、どんな形状のものでも、200キロまでなら自在に吸引し、つり上げて移動させることができるもので、指先だけの簡単な操作で軽々と重い荷物を運べることから、コンセプトは「腰痛よ、さようなら」。全国の腰痛疾病70万人を救い、高齢者でも安心していつまでも働ける環境づくりに貢献するというものです。これは大手では手の出ないニッチ製品であり、大手製造、流通メーカーなどからの引き合いも多く、すでに600台が稼働しています。

広がる事業展開

   事業は、真空技術を基本にしたバキュームリフト(メイン商品)、バキュームコンベアー、巻き取り反転機、粉体輸送システムなど、取り扱い商品を拡大してきました。さらに、防犯あわせガラス(ドイツの技術でタイで生産)及びガラス切断機の販売などを手がけている。破損しにくい、特に地震の場合、ガラスが飛び散らない、低価格、短納期で機能性高いものです。

 自社開発事業では、搬送ワゴンロボット「おまちどうさま」(右写真:台に荷物をのせて運ぶ)の開発を行っています。これは、携帯による無線通信遠隔制御システムで、オフィス・店舗での使用を考えています。また、安価で操作簡単な次世代ロボットとして、「しずおか産業創造」の研究開発助成金を受け、沼津高等専門学校の先生の協力を得て進めています。昨年11月に静岡で開催された「世界お茶覧」でのデモは、大きな反響を呼びました。

 社員は全員65歳以上。今後の事業拡大に伴い、引き続き、高齢者を採用していくとのことです。

高齢者のもつ卓越した技術を生かしたい

   大石氏は「世間には、長年働き、卓越した技術を身につけている高齢者がたくさんいる。この方々の技術を生かしたい」と語ります。一方で、特に新しい商品製品開発には、共同が欠かせないとし、静岡大学、沼津高専などに相談を持ち込み、一緒になって研究開発をしています。会社は設計施工、モノづくりは協力会社で、デモ機を持ってどこにでも。70歳を超えているにもかかわらず、「沼津高専の学生と交流しているのが一番楽しい」と語るほどに青春そのものです。

 同友会へは4年前に入会。「アイデアネット委員会」はじめ、どこへでも出かけ、貪欲に知見の吸収に余念がありません。同友会の理念に共感し、自立した社員と育ちあう。右手にロマン、左手に技術、わきの下に健康、頭にそろばん。「体全体が好奇心」を地でいくような社長さんです。

会社概要
 創業:1990年
 従業員数:5名
 資本金:5000万円
 事業内容:無重力真空搬送機、防犯ガラス(ドイツ製)
 本社所在地:静岡市寿町9-3
 TEL:054-285-5586
 FAX:054-285-0576
 URL:http://www.sun-technical.co.jp/

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