シリーズインデックス:企業探訪の旅

【第27回】お客様の悩みが時代にこたえられる企業をつくる-日本フッソ工業(株)社長 豊岡 敬氏(大阪) (2005.10.19)

  日本フッソ工業(株) 社長
豊岡 敬氏(大阪)

お客様の要望にこたえることが時代変化対応型の高付加価値企業に

 日本フッソ工業(株)(豊岡敬社長、大阪同友会会員)は、もともと二硫化モリブデンを扱う企業にいた先代社長が創業しました。「すべるのにはいいが、くっつかないのがあったらいい」と常にお客様から言われていた時に、アメリカでテフロンコーティングのフライパンを発見し、米国デュポン社のテフロンコーティング技術を日本に導入したことがきっかけでした。

 お客様の悩みにこたえる「表面処理技術加工に特化した企業であること」は、現社長である豊岡氏の確信になっています。

 創業以来、時代の変化に合わせながらお客様の要望にこたえてきました。60年代には、軽工業用として、くっつかない用途でフッ素樹脂のコーティング技術を生かし、ベニア板をつくる機械に接着剤などが付かないためのコーティングや、繊維機械の乾燥用ローラーに染色液などが付かない加工用として日本のシェアを独占しました。

 80年代は、重化学工業用として、薬品に侵されない用途でのコーティング技術を生かし、当時のニーズであった石油プラント・製紙・医薬品機械など耐蝕・防食用のコーティングにこたえてきました。また、日本最大の乾燥炉を持ち、陸上輸送できる大きさのものなら唯一できたということで、拡大が進みました。

 2000年代になると、重厚長大の時代から空洞化が進みナノテクの時代に入って不純物がでない技術が求められる時代になり、半導体・ファインケミカル用として、不純物を出さないコーティング技術を生かし、対応しきてました。

 一つの事例をあげれば、導電性テフロンです。磁性塗料をつくっているあるお客様の「テフロンを使いたいが、静電気が怖くて使えない」という声から、自社開発で静電気を生まないよう電気を通すものを開発しました。これは爆発的に売れ、評価の高い商品となりました。

 今後も展示会を生かして、環境関連・新エネルギー関連の時代に対応していこうとしています。

業界内水平展開の戦略方針

   豊岡氏が社長に就任したのが7年前。同友会には3年前に入会しました。事業の特性として、多くの業界を相手にしていたため、リスク分散されていましたが、バブル崩壊や国内製造業の空洞化の影響が進むにつれ、全般的な売上ダウンに見舞われました。ついに赤字となり、借入もふくらむ苦境に立たされましたが、その時、心の支えとなったのは同友会の仲間でした。

 例会で報告した時、困難を乗り越えていったほかの経営者の話を聞き、自分の苦労の足りなさに気づきます。その後、コスト削減に取り組み、ISO9000シリーズと合わせて結果が出始め、不良率が削減されていきました。また、戦略として「業界内水平展開」を掲げました。従来からお客様の課題を解決する開発や提案を事業の柱としていましたが、一つの課題を社内展開し、同じ課題を抱えているお客様を引き出し、一気に水平展開ができるようになりました。

 これは、20年間のデーター蓄積の成果でもあります。「今では、株式欄を見て全製造業が得意先のような気がします」と豊岡氏は語ります。

社員の活躍の舞台をつくる

   赤字を解決できたのは、同友会での学びと、人づくりからです。困っている顧客にこたえる理念とともに、社員一人ひとりが成長できる環境づくりを行いました。父親の代からの人事政策を踏襲しつつも、大胆に人を生かす「ジョブローテーション」に取り組んでいます。たとえば、営業一筋の人間を社長室長にして、ISOに取り組ませました。結果、9001に成功すると14000を自力で取得。今では研究室長になっています。

 個人でなく、チームプレーでないと展望を切り開けない時代になっていることを実感しているとのことでした。

会社概要
 創業:1964年
 従業員数:80名
 資本金:3500万円
 年商:24億円
 事業内容:フッソ樹脂コーティング処理米国デュポン社
       テフロンコーティング指定工場
 本社所在地:堺市美原町木材通2-4-6
 工場:大阪、埼玉、アメリカ、韓国
 TEL:072-361-3391
 URL:http://www.nipponfusso.com/

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