【第37回】若手社員の力を生かして新事業に挑戦-(株)タイヘイ社長 西森 憲二氏(高知)

(株)タイヘイ 社長
西森 憲二氏(高知)

時代に機敏な攻めの経営

 屋根瓦を主に扱う会社として創業した(株)タイヘイ(西森憲二社長、高知同友会会員)ですが、1981年には水道工事を手掛ける城南設備(株)と資本提携(資本金2500万円)、1992年には住宅資材販売部門をトステム(株)のFC事業店として(有)タイヘイトーヨー住器(資本金1000万円)を独立させ、タイヘイグループ3社として徐々にその活動領域を広げてきました。

 最近ではリフォーム事業にはじまり、太陽光発電システムや耐震制震工法等へも進出。厳しさを増す建設業界にあって、時代変化に機敏に対応した積極的な攻めの経営を展開し、今期はバブル期以降では最高の売上となる16億1000万円(グループ全体)を達成しました。

社員の力を信じて

 3社の会長でもあり、(株)タイヘイの社長でもある西森憲二氏は、同友会には1986年の準備会の段階から参加し、創立メンバーとして立ち上げに奮闘しました。準備会当時に参加した全国大会でいち早く経営指針の大切さを知りますが、実際に成文化できたのは3年後の1989年。成文化の過程で決心したことは、現場の仕事は社員に任せるということでした。「経営者が現場の仕事をいつまでもやっているようでは会社の発展はない、まず信じて任せてみよう」と取り組み始めました。

 すると、それまで悪かった社員の定着率も徐々に向上し始め、業績も総じて右肩上がりで推移するようになってきました。経営指針はその後も毎年継続して発表しており、現在18期を迎えています。今期からは個人別方針にまで落とし込む形になっており、「一人ひとりの自立」「当てにされる人材づくり」が、そのキーワードになっています。

第二創業にチャレンジ

 2年半前からは、後継者として帰ってきた息子の大氏が中心となり、グループ3社の若手社員を巻き込み、グループとしてISO9001の認証を取得。それまでバラバラに営業展開をしていた3社を一つのルールの下に結集させ、さらに相互の連携を深める形でのグループ第二創業をめざし、社内改革を大胆に進めてきました。

 そんな中、昨年8月には高知県が県内中小企業支援事業として進める「頑張る企業」の認定も受けました。また、昨年、城南設備(株)の創業社長が急逝した際には、通常ならば企業存亡の危機にも陥りかねない急場を、グループ3社として経営している強みを生かし、早期に大氏へ事業継承することで無事に乗り切ってきました。

 同友会が創立20周年を迎える今年、(株)タイヘイは創業40周年を迎えます。「大きな節目を迎え、第二創業を本格的に進めなくてはいけない時期が来た」と語る西森氏。若手の力を積極的に生かし社員一丸となって、今後は近い将来に発生が予想されている南海地震への対策に新事業として力点を置き、県民の生命と財産を守るという観点から顧客需要の創造にチャレンジしていきたいと意欲を燃やします。

会社概要

 創業:1966年11月
 従業員数:20名
 資本金:2000万円
 年商:9億100万円
 事業内容:屋根工事、外壁工事、内装工事、管工事、塗装工事、
       浄化槽の清掃及び維持管理、リフォーム工事、
       太陽光発電システム、耐震工事ほか
 所在地:高知市桟橋通6丁目8-39
 TEL:088-831-1888
 FAX:088-832-2551
 URL:http://www.taiheig.com/index.html