【第47回】目指しているのは地域の発展!-パリッシュ出版(株)社長 土屋 和子氏(群馬)

~マイタウンを元気におもしろく! それがパリッシュのアイデンティティ~

パリッシュ出版(株) 社長
土屋 和子氏(群馬)

 
 パリッシュ出版(株)(土屋和子社長、群馬同友会会員)は、A4判無料配布の生活情報誌『月刊パリッシュ』を高崎・前橋・伊勢崎全世帯とその周辺地域に約30万部発行するなどして急成長を続けています。

主婦から経営者へ

 土屋氏は、9年前に会社を起こすまで“普通の主婦”でしたが、今や県内女性経営者のリーダー的存在として活躍中です。都内で編集プロダクションを営んでいた夫が病に倒れ、三人の子供を抱えていた土屋氏は、「借金もあるし、このままでは生活できない!」と、起業に踏み切りました。

 「経営については全くの素人で、もちろんお金は無いし、人もいない。しかも高崎にはタウン誌がなかったために、どんなものなのかだれもわかってくれない。そんなスタートでした」と土屋氏は当時を振り返ります。

女性、主婦の視点を生かして

 子育てと事業拡大の10年。まさに壮絶な闘いの日々だったことは容易に想像できますが、「女だから、主婦だから思いついたこと、できたことがたくさんありました。こんなことをしたらもっと元気に楽しくなるのに!って、そんな思いをビジネスの中で形にしてきたんです」と、笑顔で語る土屋氏は、元気いっぱいです。

 今やすっかり地域に溶け込んでいる『月刊パリッシュ』ですが、この表紙には毎回、市民の集合写真が載っています。読者にとって親しみやすい表紙になっているだけでなく、「表紙に載った人が最低でも10人に宣伝してくれるんですよね」(土屋氏)というように、普及にも一役買っているようでした。

本当に求められる商品づくりのために

 土屋氏がもっとも重視してきたのはエリアマーケティング。『月刊パリッシュ』は、そのツールの一つとして役割を果たしてきました。

 しかし、企業の販促・集客をお手伝いする中で、それだけでは限界があると感じた土屋氏は、次のステップに踏み出しました。それは、この地域で暮らす生活者の声、ニーズ、ウォンツを企業へ伝え、生活者が本当に求めている商品を生むための仕組みつくりでした。

 グループ企業のマイステージは、県内女性消費者5000名のネットワークを構築し、地元企業の商品開発や販売促進に多くの成功事例を作っています。これを受け現在、全国各地で地域に特化するエリアマーケティングのネットワークづくりが始まっています(すでに茨城ではスタート)。

 同友会で経営指針の大切さを学び、成文化した経営理念は「豊かな心で 互いに尊び 共に成長する企業」。年2回は一泊で社員研修を行うなど、企業づくりにも力を注いでいます。

会社概要

 創業:1997年
 従業員数:25名
 資本金:1300万円
 年商:4億8000万円
 事業内容:出版事業(月刊パリッシュ高崎版、前橋・伊勢崎版の発行)、
       マーケティング事業、販促ツールの企画・制作など
 本社所在地:群馬県高崎市東貝沢1-17-8 アルファビル高崎3階
 TEL:027-364-5552
 FAX:027-370-1116
 URL:http://www.polish.jp/
    http://www.my-stage.net/
 関連会社:マイステージ(有)、(株)パリッシュ総合研究所