シリーズインデックス:人を生かす経営

【第17回】社員、家族、地域の人たちの幸せを願って-(株)協和精工 社長 堀 政則氏(長野)(2006.07.19)

社員、家族、地域の人たちの幸せを願って~経営者には“謙虚さ”が不可欠~

  (株)協和精工 社長
堀 政則氏(長野)




 (株)協和精工(堀政則社長、長野同友会会員)は、南アルプスのふもとを生産拠点とし、40期を迎える精密機械製造業。社員との心のつながりを大切にした経営改革で、社員・家族・地域の人たちの幸せを願い、企業活動に取り組んでいます。

社員一人ひとりが経営者~実態と反省から~

 6年前に先代の社長が急逝。技術畑で育ち、当時製造部長であった堀氏が急きょ社長に就任することになりました。引き継いだ直後は、おもわしくない経営状況。実態を知り、「大変な会社を引き継いでしまった」との後悔の念と、「自分を含め社員全体の責任である」と深く反省しました。

 「社員とその家族の生活を守らなければ」という危機感のもと、社員に対して会社の現状を説明し、社内・社外に対して透明度の高い経営を目指していく決意を固めました。

 今まで、社員が価格意識を持つ環境が整備されていなかったため、「材料費がいくらで、売値がいくらで、何時間で作れば利益がでるのか?」を社員に問いかけ続けました。各工場・職場で全社員が経営状況を一目で分かる仕組みを考え、「目で見てわかる工場」への転換を図ってきました。徐々に成果は現れ、「今月は厳しそうだから、買うものは来月にしよう」「生産効率を高めないと今月は利益がでないぞ」という会話が社員間で交わされるようになりました。

責任ある地域に根ざして企業へ~私募債の発行~

   物的担保・保証人に頼った資金調達のあり方に疑問を感じていた堀氏は、4年前から、地域から資金を調達する私募債を研究し、発行を決断しました。

 業績は良化傾向でしたが、「わが社の将来を担保に私募債を買って頂けるのか?」と不安いっぱいでした。しかし、堀氏が社長就任して以降の改善状況(経理内容の公開)、将来どんな会社を目指しているのか(中期経営計画)などを詳細に説明すると、「協和さんにかけてみるよ」と次々に名乗りを上げてくれました。「期待して買って頂いた人たちを絶対裏切ってはいけない」「地域から信頼される行動を」と、社員にも自覚が芽生えてきました。

社員と経営者が一体感を持った経営を

   堀氏が長野同友会の例会や経営指針をつくる会で最も学んだことは、「経営者は謙虚であることが不可欠」「経営はコツコツ、社員と一緒に心を合わせていかなければならない」の2点とのことです。

 堀氏が社長を引き継いだのは52歳の時。厳しい経営環境の中で舵取りをするには、組織の若返りが不可欠であると感じ、若手幹部を積極的に登用しました。最初のころは、古参社員は無気力になり、若手社員は不満を口にしていました。こうした状況を堀氏は社長の権限で押さえつけようとしましたが、権力では人は動かないことに気づき、問題がある度に話し合い、説明を繰り返してきました。トップダウン経営からの脱却です。

 「組織を構成する人がバラバラでは長期の安定した経営は困難。社員一人ひとりと経営者が一体感をもってこそうまくいく。経営者である以上、このことからは避けて通れない」と語る堀氏。夢は、「社員とその家族からは『協和精工の社員でよかった』、お各様、地域の人々からは『協和精工はいい会社だね』と感じてもらえる会社にしていくこと」です。

●会社概要

創業:1964年(設立1966年)
資本金:3500万円
年商:15億円
社員数:87名(パート含む)
事業内容:電磁マイクロクラッチ・ブレーキ設計・製造、精密機械切削部品加工
所在地:長野県下伊那郡高森町下市田1514-1
TEL:0265-35-2421
FAX:0265-35-7788
URL:http://www.kyowaseiko.jp/

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