シリーズインデックス:人を生かす経営

【第20回】あたり前のことを、徹底してやれる社風づくり-(有)けんこーや 専務 内田 光紀氏(福井)(2006.08.09)

あたり前のことを、徹底してやれる社風づくり

  (有)けんこーや 専務
内田 光紀氏(福井)




 福井市の郊外、美しい田園風景の中に、(有)けんこーや(内田光紀専務、福井同友会会員)があります。事業は宅配牛乳業、今期は念願の年商1億円を突破しました。その主役はパートタイマーの主婦の皆さんです。

わが社の主役は主婦、パートの皆さん

   専務の内田氏は、8年前に大阪でのサラリーマン生活を辞め、福井に戻って父の宅配牛乳業の後継者となりました。現在では、当初の顧客500戸から2000戸と4倍に伸ばし、5年前には新社屋も完成。あわせて社名も「けんこーや」としました。社名は「親しみ、お客様の末長い健康を願う、業容を伸ばす」イメージとのことです。

 「宅配牛乳業は、平成不況のなかでも消費者ニーズの変化をうけて、踊り場なく成長してきた分野。流れに乗って拡販に集中したことが良かった」と言います。業界はその93%が宅配数800戸以下のパパ・ママ経営、7%が2000戸以上で企業的規模です。お客様は、昔ながらの牛乳屋さんのイメージが根強いですが、内田氏はこれをチャンスと見ています。「当社は安心と安全、清潔を備えたサービス業として、より洗練された企業でお客様の支持を得たいと願っています。社員13名のうち、11名が主婦のパートタイマーですが、当社の文字通りの主役として、その人材の育成が最大の私の仕事です」と語ります。

あたり前のことを一歩ずつ、そして自主的に

   最初は「人を動かすには仕組みがあれば良い」と、ビジネス書や講演で仕入れた頭でっかちな難しいことを、パートさんになかば強制するようなことばかりしていたと言う内田氏。職場には、しらけた雰囲気が漂い、反発も相当あったとのこと。そんな反省から、パートさんの目線に立ち、シンプルで簡単なところから、一つひとつ話し合って進めるようにしました。「牛乳宅配業はサービス業」という認識の一致から始め、笑顔であいさつ、温度管理の重要性や清潔さなど、健康食品をお届けするものとして、あたり前のことを一歩ずつ取り組んでいます。その中で、「けんこーやのめざす社員像」も文章化することができました。


 社員のほとんどが主婦であるため、子どもの学校行事などで休む機会も多いとのこと。しかし、今では、25ある宅配ルートは、社員同士互いに助け合あい、自主的に調整されています。メーカーの研修会などにも積極的に参加し、学んだことを職場で嬉々(きき)として報告。毎日の朝礼や時間外に持たれる月1回の社内会議にもきちんと参加し、それぞれが役割をしっかり果たしていると言います。こうした社員の変化に、「パートは職業意識も会社への帰属意識も低い?」などと心の隅で思っていた内田氏の思いは一変しました。

 毎朝の朝礼では、経営理念(ビジョン、ミッション、宅配5つの基本)などを必ず唱和してから、いっせいに配達に出ます。全員が清掃や車両管理などの委員会に入り、リーダーも務めています。全体で決めたことはみんなで実践。専務である内田氏も例外ではなく、社員と同じ立場で実践します。先日も、内田氏が宅配中に車をぶつけてしまい、委員会で決められたペナルティーの車両清掃と一週間のトイレ掃除が課せられたとのことでした。

●会社概要

創業:1992年4月
資本金:800万円
年商:1億円(今期)
社員数:役員2名、社員2名、パート11名(社員、パートの9割主婦 平均35.2歳)
事業内容:乳製品宅配業
所在地:福井県福井市上毘沙門町1字126番地3号
TEL:0776-41-2866
FAX:0776-41-2903

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