シリーズインデックス:人を生かす経営

【第29回】この仲間とこの会社で-南紀ポリエチレン(株) 社長 谷本 広行氏(和歌山)(2006.10.11)

この仲間とこの会社で

  南紀ポリエチレン(株) 社長
谷本 広行氏(和歌山)

老舗企業の4代目社長

   「紀州南高梅」の中心産地、和歌山県みなべ町にある南紀ポリエチレン(株)(谷本広行社長、和歌山同友会会員)は、木の樽の時代から包装資材の販売をしています。現在は、プラスチック樹脂だけではなく環境対応の素材へと、時代とともに商品を変化させながら地域と共に生きる会社となっています。

 谷本氏は、創業者から数え4代目、社長となって5年目です。専務時代に、和歌山同友会の設立準備会からかかわり、「中小企業はつぶされる存在にある。しかし、その中小企業をつぶさないように自主的努力をしている勉強会がある」と勧められ入会しました。現在は、副代表理事を務めています。

 入会当初より、積極的に同友会の活動に参加。当時の社長と共にセミナーに参加して、経営指針の発表会も行いました。その後、谷本氏が社長に就任。そこで目にしたものは、経営指針は実践されず、人材育成がなされていない同社の姿でした。

リストラはしない!

   地域経済のけん引車である梅産業のおかげで、日本一裕福な村と紹介された南部川村(現みなべ町)も、消費不況の影響をまともに受け、他産地との市場競争の中で厳しい状況にあります。梅業界とともに発展してきた同社であるがゆえに、危機感は大きなものがあります。

 リストラはしない、皆で頑張っていこうとの社長宣言「この仲間とこの会社で」を全社会議で決議。20名の社員が一丸となって生き残りをかけています。

 「このことを機に『社員の生活を守るんだ』という社長の決意と危機感が本物であると、社員が感じてくれた。ピンチの時にこそ工夫が生まれる。危機感を共有できたことで、一人ひとりが真剣に考え、意見を出し合う風土ができてきた。現在の経営指針書は、数年前の経営指針よりもページ数も少ないものだが、活用しているという実感がある」と谷本氏は語ります。

新規事業の展開

 谷本氏は、「社員の生活を守りながら、雇用と納税の使命を果たし、地域の役に立つ企業であるためにはどうすればいいのか」を考え、本業での変革の必要性とともに新しい柱が必要と、新規事業を決意。そして、4名の専任社員を中途採用し、教育事業部門を立ち上げました。今年9月には、個別指導の学習塾を和歌山市内に2校開校しました。

 本業での変革としては、Web通販事業部門、原材料の高騰に対応する新製品の開発部門を設置しました。配達業務に人員の余剰が生まれ、その分の社員をWeb事業に配置。異動となった社員は、写真担当として活躍しています。また、営業の社員から、小売スペースへの改善提案や地域の顧客に対する紀州梅の通販事業のサポート企画が提案されるようになるなど、全社一丸となった取り組みが進められています。

 教育というまったくの異業種に参入した経験をもとに、本業のIT活用による情報共有化にも応用することができました。

 「これまで20名で行ってきた全業務を18名でできる体制を整え、今後は新しい仕事づくりに取り組んでいきたい」と語る谷本氏です。

●会社概要

創業:1932年
資本金:1900万円
年商:約12億円
社員数:24名
事業内容:包装資材販売及び食品用容器の企画・製造・販売、
       学習塾(7つの習慣J+ITTO個別指導学院)の運営
所在地:日高郡みなべ町芝220
TEL:0739-72-3074
FAX:0739-72-4531
URL:http://www.n-pori.com/

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