シリーズインデックス:人を生かす経営

【第30回】手探りのなか、確実に成長していくために-ティーアンドディー(有) 社長 錦織 信雄氏(鳥取)(2006.10.18)

手探りのなか、確実に成長していくために

  ティーアンドディー(有) 社長
錦織 信雄氏(鳥取)

いつかは独立を

 介護事業を営むティーアンドディー(有)の錦織信雄社長(鳥取同友会会員)は、2000年4月に介護保険制度がスタートするのを機に独立。もともと一国一城を築くことが夢だった錦織氏は、介護業界は不況の中でも確実に仕事があり、なおかつ自分が動くことによって結果を出せることから、自分にも適しているのではないかと、同社を立ち上げました。

 会社の船出にあたり、錦織氏は2つの目標を掲げます。1つは、民間の事業者として、受益者であるお客様に満足していただけるサービスを提供すること。2つ目は、モノの製造や販売ではなく、人が人に対してサービスを行う仕事であるため、会社に集まった人間を大切にしていくこと。

 従来より福祉を担ってきた既得法人の寡占化が高く、何の後押しもノウハウもない錦織氏は苦戦し、仕事のない状況が続きましたが、何とか社員と一緒に頑張って一件一件仕事を増やし、信頼を獲得。立ち上げて約2年で、地域の市場占有率の上位に位置するまでになりました。

経営課題が山積み

   仕事が増え、会社に集う人間も増えてきたことで、社内の改善が必要となってきました。そうした中、同友会と出合い、入会。同友会での学びを通して、二つの課題を明らかにします。

 一つは、創業当初からの赤字の累積と、現在行っているサービスの利益率が全国平均以下であり、厳しい収益環境にあることです。「利用されるお客様はその生活を預けてくれているのに、自分たちはいつつぶれてもおかしくない状態が続いている。自社の背負っている社会性を考えると、すぐに改善しなければならない」と錦織氏はいいます。

 もう一つは、社員に、共有すべき価値観がうまく伝えられていないこと。同社では、収益改善をねらい、また、社員が増えてきたこともあって、サービスの種類を増やしました。これまでとは異なる実践手法が求められるものもある中で、しっかりと社員全員でベクトルをあわせていくための軸が必要となっていました。

 以前から風通しの良い、何でも言える会社にしたいと思い、それを実践してきた錦織氏。こっちで意見あれば対処し、あっちで具申あれば対処する。しかし、それは、ただ「良い顔」をしていただけであって、本質的なことから逃げていたと反省。同友会で学んだように、小さいながらも機能する会社へと成長させる時がきたことを実感しています。

創業の原点を再確認

 「介護事業者も淘汰選別が迫られてきた。そんな厳しい背景があるからこそ、創業当初に掲げた原点を確認する必要があるのだと思う。今までの経験を踏まえ、プロとして、そして公金を収受する者としての高い倫理性と専門性を社員と一緒に高め、業界で吹き始めた逆風を乗り切ると同時に、この危機を逆に利用し、成長していきたい」と語ります。

 経営指針の成文化と、その実践を始めた錦織氏。社員に語りかけ、また社員の話をよく聞きながら学び続け、正確な舵取りができる社長へと、変わろうとしています。

●会社概要

創業:1999年
資本金:700万円
年商:9400万円
社員数:38名(内パートなど29名)
事業内容:介護保険指定訪問介護、通所介護、ケアプラン
所在地:米子市祇園町2-242-82
TEL:0859-30-0887
FAX:0859-37-3736

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