シリーズインデックス:人を生かす経営

【第43回】企業の再生ビジネスも、やっぱり社員共育から-(株)翼 社長 麻生 雅憲氏(大分)(2007.01.24)

企業の再生ビジネスも、やっぱり社員共育から

  (株)翼 社長
麻生 雅憲氏(大分)


 大分県内の三つの市(別府市、由布市、日田市)で旅館やホテル、割烹を営む、(株)翼の麻生雅憲社長(大分同友会会員)は、経営難に陥った中小企業を再生していくという、県内でも珍しい事業をしている点が特徴的です。

中小企業の再生に取り組む

   家業の旅館松亀荘(売却済)を18年前に引き継いだ麻生氏は、その後に6件の旅館やホテル、割烹を買収(うち1件は売却済)し再生しています。もちろん全員再雇用を前提とした買収です。再生ビジネスは、金融機関の新規融資とのつながりが大きいので、今では案件の多くが金融機関から持ち込まれるようになりました。

 初めての買収では、それまでの会社と同じ雇用条件で社員を引き継ぎましたが、放漫経営のぬるま湯体質が染み付いていたため、なかなかその体質から脱却することができませんでした。給与も高水準で、取引先とも同じ関係のままという状態でした。これでは本来の翼のサービスを維持することができないので、2件目以降は自社の条件で進めましたが、それでもぬるま湯体質からの脱却には相当の時間が必要でした。「一刻も早く翼のレベルに成長してほしい。共通認識を持ってほしい」と伝え続けますが、大きな進歩はありませんでした。「本社とそれぞれが遠く離れていたので、管理や指導が十分にできなかったからだと思う」と麻生氏は言います。

「経営者」と「幹部」の共育塾

   同友会では社員教育の特効薬を探そうとしましたが、見出せずに悩んでいました。「社員教育に特効薬はない。同友会は漢方薬のようなもの…」と自分に言い聞かせていても、やっぱり即効性のある社員教育の方法を探していました。ある時、沖縄同友会が取り組んでいる「社長・社員共育塾」を知り、大分同友会でも「経営者」と「幹部」の共育塾として立ち上げ、担当するようになります。4年間でのべ15名もの自社の幹部社員を受講させています。「社員にとっては業務ではないが、非日常の経験ができる気づきの場であり、会社や同僚について考える場になってほしい」と語ります。

社長は社員のために、社員はお客様のために

 この間、社員をパートナーとして経営に取り組むために経営指針を成文化し、会社に対する考えや生き方を伝えるようにしてきました。経営理念や行動指針、行動チェックリストを、携帯サイズのリーフレットとしても配布しています。「息子も働いているが、事業の継承には関係ない。優秀な人であれば社員でも任せたい」と言います。

 そして「社長は社員のために働きます。社員にはお客様のために働いてほしい」と語る姿が印象的です。

●経営理念

私達は、お客様が幸せになり、社員が幸せになり会社が幸せになる経営を目指します。

●行動指針

一、私達は、共に考え、悩み、育ち、幸せになります。
二、私達は、「利他の心」と「和」を大切にし、地域社会の一員として日々努力します。
三、私達は、常に失敗を恐れず挑戦 します。
四、私達は、お客様に対してはまず、イエス(はい)からはいります。

●会社概要

創業:1958年
設立:1968年
資本金:3000万円
年商:7億7000万円
社員数:82名(男31名、女49名、パート2名)
業種:旅館、ホテル、割烹、土産品店
所在地:別府市餅ヶ浜5-31 松亀ビル105
TEL:0977-21-5588
FAX:0977-23-8195
URL:http://www.yufu-tsubasa.com/

このページの先頭にもどる

携帯用QRコード
携帯対応について

更新情報RSS