シリーズインデックス:人を生かす経営

【第45回】腹を割って語りあうことからはじまった-(株)ビューフィールド 社長 前島 俊郎氏(宮崎)(2007.02.14)

腹を割って語りあうことからはじまった

  (株)ビューフィールド 社長
前島 俊郎氏(宮崎)

社員の一言に、経営者としての責任を問われる

   「この会社では将来がみえません」―13年前、一人の社員が辞めていきました。

 1980年、美容頭髪化粧品メーカーの販社的役割で設立されたのが(株)宮崎ビューティセンター。静岡出身の前島氏は、大学卒業後、メーカーの福岡営業所勤務を経て、同社の設立と同時に社長に就任します。「5~6年のつもりが、26年になってしまいました」と、今では宮崎に根をおろした前島氏。2004年にはメーカーとの資本関係等を清算して、(株)ビューフィールドとして再スタートし、現在に至っています。

 冒頭の出来事は、創業から14年目、破たんしかけた状態から再出発し、経営が軌道に乗りかけた時のことでした。将来幹部にと思っていた社員からの一言は、経営者としての責任を考えるきっかけとなりました。宮崎同友会への入会はその少し前。経営指針の大切さを知った矢先のことでした。まずは会社らしい会社にしなくてはと就業規則や賃金規定を整備し、4年後の1996年に経営指針を作成、発表。しかし社内に目立った変化はおこらず、挫折感を感じながらも毎年方針を提示し続けました。

社員と共に経営理念に立ち戻る

   県内で年間100~120店舗が開店し、80~90店舗が廃業するという多産多死の美容業界。宮崎県は全国平均以上に美容室の数が多く、零細店の多い地域です。若い美容師さんは美容業界を盛り立てる原動力と、若い芽を育てることを目的に、同社では技術コンテスト(左写真)やセミナー等も多数開催しています。県外からの進出もあり、同業者間の価格競争に陥らないためには顧客とのパートナーシップが大切。しかし、方針の浸透が不十分な中では、社内には忙しいという思いだけが蔓延(まんえん)し、まとまりを感じられない状態でした。社員を増やし、顧客づくりや宣伝のためのセミナー、イベントに投資しても成果がでず、大きな赤字をつくりました。

 「何とかしなくては」と社員と話し合いの場をもち、本音を出し合ったところから、始業前に営業社員だけで自主的にミーティングが行われるようにもなるなど、変化が起こり始めました。当時を振り返って前島氏は、「何でも自分が一番と思い、一方的に意見をおしつけていた自分に気づきました。社員が考えるようにし向けることで、意見がでるようになってきました」と言います。

 「昨年の夏は、今期の指針作成にあたって、もう一度現場から見直そうと全社員で話し合った結果、『お客様の役にたつことが大事』と経営理念に戻ったんです。ほっとしました。顧客である美容室にはそれぞれに経営があります。独立の時、ほとんどは、技術者で経営は素人という状態でスタートします。さまざまな問題に直面する時に、身近な存在である私たちの役割は大きいものがあります。お客様も私達も経営環境はますます厳しくなっています。社員一人ひとりが、人間的にも能力的にも成長し続けないと本当の意味での“パートナーシップ”を築いていけません。共に学び成長する社風をつくる事が大切な時代だと痛感しています」

 「将来が見えない」と言って退社した社員は、その2年後に「やっぱりこの会社で」と再入社し、今では営業部長としてリーダーシップをとっています。

●会社概要

創業:1980年
設立:2003年
資本金:1000万円
年商:2億2000万円
社員数:10名(うちパート3名)
業種:美容室、エステティックサロンへの化粧品、及び業務用品、器具等の卸売、
   サロンへの販売促進支援、市場開発及び教育活動
所在地:宮崎県宮崎郡清武町加納甲2323-17
TEL:0985-85-3031
FAX:0985-85-2814
URL:http://www.beaufield.co.jp/

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