シリーズインデックス:「第二創業」をめざして

【第9回】社員とともに魅力ある会社づくり-(有)高田紙器製作所 社長 高田 照和氏(東京)(2007.05.09)

「受注型」から「企画提案型」への転換をはかる4代目社長

  (有)高田紙器製作所 社長
高田 照和氏(東京)

 江戸名所のひとつ葛飾の「堀切菖蒲園」近くに位置する高田紙器製作所。1929年に祖父が創業し、父、叔父と引き継がれ、高田照和社長(東京同友会会員)は4代目。堀切は高度成長期に「おもちゃ産業の町」として発展し、同社も大きくなってきましたが、おもちゃ産業の海外移転に伴う衰退の中で、下請けから企画提案型への転換を決意。ISOの取得をはじめ魅力ある会社作りに挑戦しています。

「受注型」から「企画提案型」へ転換

   同社のホームページアドレスは85223.com=「ハコツツミコム」、“箱包み”でお客様の心を包んでいこうというもの。創業当時は和菓子のパッケージが主でしたが、1960年ごろの堀切地域はタカラ、トミーなどが集積する「おもちゃ産業の町」となり、同社もブリキやセルロイド製のおもちゃのパッケージをメインに生産を拡大しました。40年には全自動打ち抜き機「オートン」を東京で初めて導入。しかし50年ごろになると、おもちゃ産業の海外移転から不況となり、不渡手形も受けますが、ぎりぎりのところで持ちこたえました。

 高田氏は4年前、42歳の時に社長に就任。当時、仕事の100%が「受注型」でした。「早い、安い」では生き残れないと、さまざまなパッケージ制作とともに自社開発商品であるカレンダーや名刺の細工での差別化、デザイナーと協力したデザインを中心とした付加価値の高い製品作り、ブロードバンドによるオンラインデータ化など社内をIT化。セールスプロモーション(SP)事業部では大手企業にも営業をかけ商品を売るなど、事業内容の見直しを行い、「受注型」から「企画提案型」へ切り替えをすすめてきました。現在、売上の40%を企画提案型が占めています。

 2年前に多くのクレームを出しました。原因は社内の管理体制にあると気づき、1年かけてISO9001の取得をめざし、今年の3月に取得。現在ではクレームは限りなくゼロに近くなったといいます。また、ISO14001取得の準備にも着手。同社には各種紙器を加工する抜型数が約1200型あり、毎年1/3、重さにして約8トン分の抜型を産廃として処分していますが、昨年からは解体・分別し、リサイクルをすすめています。

地域とともに発展する、魅力ある企業をめざして

   東京同友会には4年前に入会。当時、葛飾区が毎年開催する「葛飾区産業フェア」の実行委員長だったことが縁でした。「同友会は他の団体にない勉強の場」として支部や障害者委員会などに積極的に出席し、学んでいます。そうした勉強とISOの取得の中で、経営理念、品質方針を昨年9月に策定。理念では、単なる製造業ではなく、製造サービス業のプロフェッショナルをめざしています。高田氏は、理念を社員に浸透させることが今後の課題といいます。

 同社は、高齢者と障害者を積極的に採用しています。現在60歳以上の高齢者は4名、障害者は3名が働いています。障害者は地域の養護学校から採用していますが、高校2年次に2週間の職場実習、3年次と卒業直前にも実習を行い、両親とも何度も会って採用を決めます。そこまでするのは、障害者に就職が人生のゴールだと思ってもらいたくないからです。採用後もジョブコーチというシステムを採用して、障害者がモチベーションを維持できるようにしています。今後は肢体障害の方の雇用もすすめたいと考えています。

 さらに、葛飾の活性化のための活動も取り組んでいます。NPO法人かつしか若手産業人会では昨年まで会長を務め、文化行事や勉強会を行っています。テレビやラジオなどのメディアでも取り上げられるとともに、「自社をどうPRするか」という研究会も立ち上げようとしています。

 ちなみに、映画「男はつらいよ」に出てくる団子屋さんのモデルである柴又高木屋老舗のお団子とくず餅以外のお菓子には、同社の箱が使われています。

●会社概要

創業:1962年
従業員数:14名
資本金:350万円
年商:1億8000万円(06年度実績)
事業内容:高級印刷化粧箱、ディスプレー、3DPOP、
       カレンダー等の企画・製造、
       製本用ミシンやエッチング刃による紙関係の抜き加工全般
所在地:東京都葛飾区堀切3-26-16
TEL:03-3693-2181
FAX:03-3694-6181
URLhttp://www.85223.com/

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