【第19回】今がチャンス、第三の創業に挑戦-岩佐社長 みのる産業(株) 社長 岩佐 実氏(福井)

みのる産業(株) 社長
岩佐 実氏(福井)

モノづくり企業に変化

 みのる産業(株)(岩佐実社長、福井同友会会員)は、機械部品などをウレタンやフッ素加工をする金属表面処理・加工を主な事業としています。会社は福井市郊外のモノづくり集積団地「テクノパーク」にあります。

 創業は1970年、長らくゴムやプラスティック、継ぎ手などの卸し販売が事業の中心でした。1989年には関連分野の金属の表面処理・加工に進出し、現在に至るモノづくり企業へと変化してきました。「狭い市場のなかに競合他社も多く、このまま価格競争や人脈でやっていくのが嫌でした。何とか競合の少ない分野、自社の独自性が発揮できるものをやりたいと思って、モノづくりの方向をめざしたのです。本来、私自身もモノづくりが好きだったこともありましたから」と語る岩佐氏。しかし、最初の3年ぐらいは赤字が続き、石の上にも3年とのがんばりで乗り越え、今日があったとのことです。今では、表面処理の技術も12~13種と多岐にわたり、他社の追随を許さない差別化を実現しています。

設備投資すすめる

 今、工場内では高さ3メートルを超す大型乾燥炉の据付工事が進んでいます。これで、これまでは不十分だった大量生産や大型の受注も可能になります。「この乾燥炉には自社のアイデアも取り入れて改造し、生産効率をさらに高める工夫もした」とのこと。今後の需要次第で、さらに一機の導入も検討しているとのことです。

 さらに、インターネットでの受注にも力を入れています。これまでつながりの無かったところからの取引も増え、いまでは顧客の6割がネット関連となっています。設備投資の追い風という市場の追い風もとらえて、まさに「第三の創業」という勢いを感じさせます。

付加価値額で日本一をめざしたい

 経営指針はすでに20年も前から成文化しています。岩佐氏は「会社経営者なら当然のことですね」と語ります。この3~4年前から、筋肉型企業づくりをめざし、売り上げより利益重視を徹底しています。現在、社員一人当たりの月当たり付加価値額は100万円を超えています。

 「月次決算をグラフ化して損益を時系列で社員にも明確にしています。また、それで次の対策も打てます。付加価値額、日本一をめざしたいですね」と加えました。

 「企業家として成功しても、人間として不幸では幸せではないですね。バランスの良い経営者・人間でありたいですね」と話す岩佐氏です。

会社概要

創業:1970年
社員数:20名
資本金:1000万円
業種:金属表面処理・加工、樹脂製品の加工、販売
所在地:福井県福井市三尾野町29字2番地8号(テクノパーク福井)
TEL:0776-36-4401
FAX:0776-36-4443
URLhttp://www.f-minoru.co.jp/