シリーズインデックス:「第二創業」をめざして

【第20回】真の技術は磨かれた心とともにあり-タカハシテクニア(株) 社長 高橋 弘茂氏(愛知)(2007.07.25)

人づくりを信条に生き生きと働ける会社を目指して

  タカハシテクニア(株) 社長
高橋 弘茂氏(愛知)

 タカハシテクニア(株)(高橋弘茂社長、愛知同友会会員)は工作機械、航空機などの部品を製造しています。団塊世代の大量退職で技術をいかに伝承するかが課題になる中、同社では、熟練技術者が若い社員に技術を教える社内学校「テクニアカレッジ」を開講し、技術の伝承、向上をはかっています。

ボーナスの払える会社へ

 高橋氏は4代目として2000年8月に社長就任。その年の12月に、高橋氏を変える大きな出来事が起こりました。

 会社は赤字を計上し、多額の借り入れもある状況から、高橋氏はボーナスを払わないと決断。そして、年末のある日、ボーナスを払わないと発表した際に怒って退席した社員とばったり出会いました。生まれたばかりの赤ちゃんと奥さんを連れて買い物に来ていたのです。「ボーナスがあればもっといい思いができただろうに」と思っていると、その社員が寄ってきて「この間はごめんなさい。払えないと言わなければならなかった社長の方がつらかったのではと妻に諭された」と言ってくれたのです。

 高橋氏は買い物どころではなくなり、正月明けまで毎日会社に通い「会社をどうしていくか」を懸命に考えました。そして、取引先の分散、不良在庫の処分、機械の売却、生産体制の変更などの改革を押し進めました。同時に社員全員と1対1で懇親会を行い、社員の考えを聞くとともに、自身の経営への思いを語る中でベクトルを合わせていきました。

社員が輝ける場づくりで技能を伝承

   生産方式や機械の変化から、ベテラン社員の生産効率が落ち、モチベーションも低下するという問題が発生しました。高橋氏は悩んだあげく、ベテラン社員に「技術を社内で教えてほしい」と話します。活躍の場を考えてのことでした。

 渋々、3人のベテラン社員は土曜日に技術講習会を開催しました。するとほとんど全員の若手社員が参加。これが社内学校「テクニアカレッジ」の始まりです。

 ここからベテラン社員の努力が始まります。なぜこの刃物なのか、どの程度で加減するのかなどを説明し、自らテキストも作成。世代間のギャップを超えたコミュニケーションも形成され、やがて日常の仕事の効率も上がってきました。今では、社外研修生の受け入れ、技術者派遣業務にまで発展しています。

更なる理念の浸透~トップダウンから社員参画型へ~

   4年前、企業理念を「心技鍛錬」と改めました。ものづくりを通して仕事を極め、自分の人生を謳歌(おうか)してもらいたい、タカハシテクニアにいて良かったと言ってもらいたい、こんな思いを込めた理念の改定でした。
  高橋氏は愛知同友会で学ぶ中で、改めて「社長の仕事をしなくては」と気づきます。

 これまでの社内改革は、いわば高橋氏のトップダウンでした。しかし、これからは社員参画型にしたいと、経営方針の作成には社員に積極的に参加してもらい、各部門方針の作成や経営指針発表会などは社員が主体となって進めていくようになってきました。

 「社長は会社の進むべき方向を示すことが最大の役割」とし、社員一人ひとりが生き生きと働ける会社づくりに向け、高橋氏の奮闘は続きます。

●会社概要

創業:1912年
社員数:70名(うちパート・アルバイト・嘱託20名)
資本金:4500万円
年商:12億円
業種:工作機械部品、航空機部品、電機・電子部品等の製造、技術者派遣事業
所在地:愛知県名古屋市中川区江松3丁目459
TEL:052-303-3347
URLhttp://www.teknia.co.jp/

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