シリーズインデックス:「第二創業」をめざして

【第26回】技術と商品で信頼を得る-(株)大槻シール印刷 社長 大槻 裕樹氏(京都)(2007.09.05)

  (株)大槻シール印刷 社長
大槻 裕樹氏(京都)

 「ものづくり都市」の顔をもつ京都の中でも、京都駅南側に位置する南区は製造業が多く立地し、(株)大槻シール印刷(大槻裕樹社長、京都同友会会員)はここに本社をおいています。

 同社が所属する印刷業組合の組合員数は、1988年に全国で9600社余りあったものが、2004年には約40%、3900社にまで減少する厳しさです。81年に大槻氏が創業した同社は、業界では後発に位置しますが、特長を持った技術・商品展開と「人を生かす経営」の実践的取り組みをすすめて信頼を得ています。

経営指針見直しで確信した「使命感」

   「朝から晩まで働き、休みは盆に2日と正月3日だけ。2年ほどでようやく会社らしくなった」と大槻氏は述懐しますが、86年の同友会入会を経て91年には滋賀工場を開設するまでに至りました。しかしその翌年、大病を患って入院しベッドから指揮しました。その間、顧客の要求を十分に満たしていなかった反省から全社の意思統一の必要性を痛感し、以来、経営指針成文化と見直しに取り組んでいます。

 2006年には、京都同友会「人を生かす経営」実践道場(経営者の自己確立と経営指針の成文化・見直しに取り組む場)に参加し、「何のために生き、何のために経営しているか」を深く考えました。以前より「仕事は自分の楽しみでもあり、また一緒に働く社員や仕事で関係する皆さんとその楽しみを分かち合うもの」と考えていましたが、経営者としての自らの存在意義をあらためて確認し、現在の仕事を「天職」と確信しました。

信頼される会社をめざして技術を高める

   このような使命感に基づく経営も、現実の厳しさに立ち向かう戦略が必要です。あたりまえのことをきちんとする信頼される会社づくりをめざす中で、技術と商品に工夫を凝らし、点字シール、部分のり付けシール、箔押しシールなど“面倒な仕事”を引き受けます。中でもバーコードにナンバリングをするシールやA4版シールは、京都では同社しか受注できない商品です。

 一方、99年に取引先の大型倒産があり、大きな不渡りを被りました。以後、売上が大きくても回収できないリスクを背負わないように、小口の仕事も意識的に開拓し、インターネットを介しての受注も増加しています。

 また同社は以前から障がい者雇用に積極的で、聾学校や養護学校などの実習も受け入れています。「人間は能力の差はあるが、皆それが少しずつ違うだけ。100メートルを10秒足らずで走る人もいれば何分もかかる人もいる。“障がい”など本当はないのではないか。皆、自分の“すぐれた部分”を生かして仕事をしており、それは経営も同じ」というのが大槻氏の考え方です。「技術を高めれば人間性が豊かになる」、という信念の下に各人の特性を本業であるシール印刷技術で生かすことに心を尽くしています。

●会社概要

創業:1981年
社員数:18名
資本金:1000万円
年商:1億8000万円
業種:シール印刷(印刷・粘着加工製品)
所在地:京都市南区吉祥院東前田町36
TEL:075-691-7521
FAX:075-691-7523
URLhttp://www.otsuki-seal.co.jp/

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