シリーズインデックス:「第二創業」をめざして

【第38回】社員とのきずなを大切に-(株)世起 専務 今村 暢秀氏(愛媛)(2007.11.28)

おいしさと健康を追求する企業づくり

  (株)世起 専務
今村 暢秀氏(愛媛)

 (株)世起(今村暢秀専務、愛媛同友会会員)は、土産菓子を中心とする製造会社です。創業当初は、おもちゃと菓子をそれぞれに仕入れ、組み合わせて販売する菓子付玩具の卸売を営んでいました。高度成長の波に乗り、一時的に発展しましたが、バブル崩壊後一転し、売上は減少の一途をたどりました。

倒産の危機を乗りこえて

   社員には賞与が払えなくなり、さらには給与の遅配までおこり、社員から怒りの声が噴出。その状況でも創業者であり、社長である今村氏の父は、「会社を絶対につぶしてはいけない。社員に迷惑をかける」と、取引先に何度も頭を下げてまわり、支払いを延ばしてもらうなど、何とか金を工面し、ぎりぎりの状態でしのぎました。

 そんな中、社長は売上の30%を占めていたルート営業を一切やめ、製造業に特化するという決断を下しました。厳しい状況は依然として続きましたが、2002年に自社で開発した「黒ごまきな粉げんこつ飴」が、第24回全国菓子博覧会で金賞を受賞し、健康ブームにも乗って注文が殺到するようになり、窮地を切り抜けることができました。

第二創業を目指して

   「そうした父の姿から経営者の責任や決断力の大切さを学び、厳しい時期を乗り越えた社員とは固いきずなができました。本当に貴重な体験をさせてもらったと思っています」と振り返る今村氏。

 2005年に愛媛同友会に入会し、経営指針成文化セミナーや同友会大学で、これまでの体験を体系化して学ぶようになります。同友会でも、会社をつぶさないことが経営者の責任として第一に掲げられていることを知り、先代が苦労してつくってきた素晴らしい会社を、永続的に発展させていくことが自分の使命と思うようになりました。

 人材育成では、昨年の同友会大学受講に続き、今年は社員とともに受講しています。社員との意思疎通がうまくいき、改革のスピードも早くなりました。また朝礼を実施し、全員に情報を共有することの大切さも学びました。出社時間が異なる社員には、朝礼の内容をテープレコーダーに録音して聞いてもらうなどの工夫もしています。また今月、はじめて伊予・松前支部例会で報告をしました。2回の事前報告会をはじめとする準備の過程で、会社の歴史や、現状の課題、今後の方向性を整理することができ、多くの気づきを得たという今村氏。当日は社員3名も参加、前に出て会社への思いを語りました。

「異体同心」のこころで

 今、食品業界が相次ぐ不祥事で消費者からの信頼が大きく揺らいでいます。食品衛生法の遵守はもちろん、それを上回る消費者の安心・安全の意識の高まりにこたえていくことが重要と考え、製造部の努力で、看板商品のげんこつ飴を無添加にすることができました。安心・安全をさらに追求し、今後は黒ごま・きな粉を使った商品に特化していこうと取り組んでいます。

 今村氏の好きな言葉に「異体同心」という言葉があります。「わが社の強みは、つらいときを共に乗り越えた、まさに異体同心の社員がいることです。注文をいただける喜び、商品を作り、出荷できる喜び、お客様から必要とされることを感謝できる集団に成長しました」と語る今村氏。社員とのきずなを大切に、おいしさと健康を追求する菓子製造会社として、これからの発展が楽しみです。

●会社概要

創業:1973年
社員数:正社員9名、パート26名
資本金:1000万円
年商:6億円
業種:和洋菓子製造・販売
所在地:伊予郡松前町北川原1240-1
TEL:089-984-6658
FAX:089-984-1944
URLhttp://www.seiki-net.co.jp/

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