【第46回】社員一人ひとりの役割を明確にし、次々と人材が育つ土壌づくり-(有)スタプランニング 社長 赤嶺 剛氏(沖縄)

(有)スタプランニング 社長
赤嶺 剛氏(沖縄)

 (有)スタプランニング(赤嶺剛社長、沖縄同友会会員)は、建築デザインを主力としながら、建築設計・施工、インテリア関連及び不動産業務、WEBデザインまで取り扱います。「沖縄から世界へ」をキーワードに県内・県外をはじめ、海外(香港)でも実績をあげています。

社長がいなくても機能する会社を目指して

 (有)スタプランニングは赤嶺氏と夫人(専務)の二人で設立しました。設立当初、赤嶺氏が目指したのは「自社で才能あふれるデザイナーを育て、世界にはばたかせる」ということでした。そのため、赤嶺氏自身は「45歳までに社長職を降りる」ことを目標にしており、具体的な取り組みとして、これまで氏が担っていた仕事を社員に任せるということを試みました。

 それまでは、資金繰りや事業計画、社員教育など、ほとんど赤嶺氏が一人で行っていたため、仕事を任せることで、幹部候補の社員に責任感を持たせることが狙いでした。「初めからうまくいくはずはないが、要となる資金繰りさえ社長が押さえていれば何とかなるはず」と赤嶺氏は考えていました。

 しかし、結果は予測を大きく裏切るものとなりました。幹部社員に経営の仕事を任せたとたん、業績は急落、会社の存続すら危うい状況に陥ってしまったのです。

なぜ上手くいかなかったのか?社内で原因を徹底的に分析

 この危機は、社長に全ての権限を戻すことでどうにか乗り越えましたが、赤嶺氏はなぜこのような事態に陥ってしまったのか、原因を深く分析しました。たどり着いた答えは、「社長の指導力不足」。つまり、責任を放り投げただけで、それぞれがどのような役割や権限を持っているのか明確にしていなかったことが、失敗の最大要因であると考えたのです。

 「社長自身が経営を理解していないのに、社員に理解できるはずがない」。ここからが(有)スタプランニングの第二創業のスタートでした。赤嶺氏は自社の経営を見つめ直し、幹部社員へ指導を開始。社員同士でも社内会議や勉強会など頻繁に行うようになり、個人の業務から会社全体、会社の将来を真剣に話し合うようになりました。その結果、今では、社員それぞれの役割が明確化され、核となるリーダーも育ってきたと言います。

 現在、赤嶺氏は「共に会社を発展させるパートナーを育てる」ことを最も大切に考え、動き始めています。

一人ひとりの役割を明確にすることの重要性

 「会社で働くからには、社員それぞれが利益を出せるようになってもらわなくてはいけない。しかし成長のスピードは人それぞれ。だからこそ、ただ仕事を放り投げるのではなく、それぞれの役割を明確にし、それぞれのペースで成長できる仕組みを作ってあげること。これが経営者の最も重要な仕事の一つと考えている」と赤嶺氏。「社長が主役の会社」から「社員全員が主役の会社」へ、(有)スタプランニングの第二創業への挑戦はまだ始まったばかりです。

会社概要

創業:1996年
社員数:22名
資本金:1800万円
年商:4億5900万円
業種:建設業
所在地:沖縄県那覇市与儀2-15-1 丸真AP A棟103号
TEL:098-833-5519
FAX:098-833-5526
URLhttp://www.stta-p.com/