シリーズインデックス:人を生かす経営II

【第10回】「語る」から「聴く」へ-会社が変わった―(株)おぐら 社長 甲斐 輝貴氏(宮崎)(2008.04.09)

甲斐社長 「語る」から「聴く」へ-会社が変わった
(株)おぐら 社長 甲斐 輝貴氏(宮崎)

 宮崎の名物料理のひとつ「チキン南蛮」の元祖『おぐら』を展開する(株)おぐら(甲斐輝貴社長、宮崎同友会会員)。甲斐社長は、東京の中華料理店での10年間にわたるコック修行を経て帰郷。父親と叔父が共同経営する「有限会社おぐら」(本店・宮崎)に入社しました。

コックから経営者へ

ショーウィンドウの写真  1992年、分社化により延岡市で「株式会社おぐら」を設立し、専務に就任します。「人間関係が希薄で価値観の統一がなく、社員も定着しなかった」と、当時の社風を振り返ります。現場(コック)から経営者へ。何をしたらいいのか右往左往している時に、宮崎同友会創立を報道する新聞記事を目にして例会に参加。即日、入会しました。
 月例会の日は、特急列車で1時間かけて宮崎市へ行き、開会の1時間前から会場に入り最終列車の時間まで経営課題を語りあいました。全国行事へは経営指針をテーマの分科会に集中して参加。「いい会社をつくりたい」という思いが、甲斐社長を動かしていました。しかし、1995年の社長就任時、「経営指針を示して“もう一度この指止まれ”と提起することは怖くてできなかった」のです。

会社とは、働くとは―――社員に問いかけて

 1990年代後半、焼肉店や回転寿司店等、専門店の出現により競争は激化するなかで、『おぐら』は県内ナンバーワン・ファミリーレストランの評判に安住し、お客様に来ていただくという努力を怠っていたと、甲斐社長は反省します。いいサービスで、おいしく食べたいという消費者のニーズにこたえるためには「商品力」「サービス力」「店舗力」を強めていくことが必要と考え、「意識改革」「社風づくり」にあらためて取り組みます。
月1回8時から10時までの2時間、店舗を巡回し、経営指針の内容の説明とともに、会社とは・働くとはということを問いかける「社長塾」。毎週1回開催の「未来塾」では、正社員2~3人ずつを対象に2時間ほど面談し、将来の目標や、生きがいを問いかけ、なぜそう思うのかていねいに掘り下げる会話を行っています。こうして、言いたいことを言える土壌づくりに腐心してきました。

「社長は認めてくれない」の意味

ピザ窯の風景  「社長は認めてくれない」-社員から再三発せられる言葉の意味に気づいた時、甲斐社長に変化が現れました。「私の修業時代は叱られて学んだ。それが当たり前と思っていた。だから、社員に対して2割の足りないところばかり指摘し、8割のできているところを見ていなかった」。まずは、いいところを言葉にすることが習慣となりました。
 「社長との面談を通じて、考え方の整理の方法がわかった。仕事に応用することで、部下に対する指示が明確になった」とは、新業態のイタリア厨房ピアンピアーノの工藤店長。「『おぐら』には、きびしさとやさしさがある」と、大瀬店の勝野チーフは誇らしそうに語ります。

 経営指針をもとに、店舗ごとに年間テーマを掲げ、売上・QCS(品質、衛星管理、サービス)・コスト管理についての月別の行動計画表、週ごとの目標を、店舗責任者がつくるようになりました。毎週日曜日の夜、月曜日の開店前等、店舗ごとの日程で週間目標と個人目標の点検を行いあい、リーダー会議に持ち寄ります。(株)おぐらは、さまざまな努力が実を結び、3期連続の増収・増益を目標に、人が育つ会社へと変わりつつあります。

▼写真の説明▼
※大瀬店のウィンドウに飾られている写真。「私たちがおもてなしします」と自分たちで提案して取り組んだと甲斐社長は、うれしそうに語っていました。
※新業態のイタリア厨房「ピアンピアーノ」にある、イタリアのナポリから直輸入の薪釜。
400度の高温で短時間で焼き上げるピッツァはパリパリモッチリの食感です。



会社概要

創 業:1955年
設 立:1992年
社員数:85名(内パート・アルバイト65名)
資本金:1000万円
年 商:4億円
事 業:飲食業(4店舗)
所在地:宮崎県延岡市大瀬町1丁目2-5
TEL:0982-34-3562
FAX:0982-34-3579
URLhttp://www.oguranet.jp/

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