シリーズインデックス:人を生かす経営II

【第13回】「共に生きる」の学びと実践―アイエムタクシー(株) 社長 牧野 章一氏(新潟)(2008.4.30)

「考える社員さん」と「考えさせられる社長」

 牧野社長 アイエムタクシー(株) 社長 牧野章一氏(新潟)

 アイエムタクシー(株)(牧野章一社長、新潟同友会会員)は新潟県上越市を中心にタクシーサービスを展開する会社です。1975年、牧野氏は長野県でタクシー会社を仲間と一緒に立ち上げ、専務として経営していました。

 1998年に上越市のタクシー会社を引き受けることになり、その社長として新たな出発をすることになりました。そして10年目を迎え、経営理念「共に生きる」を社員とともに日々実践の中で深めています。


クレームのない会社!?

 社屋・車庫  引き受けて最初にしたことは、お客様まわりをしてクレームを聞くことでした。
同社は当時、クレームのない会社でした。「お客様の声が届かない、クレームだと気付かない、いわばお客様から見放されている状態の会社だった」と牧野氏は当時を振り返ります。

 同社では、電話での注文(迎車)が7割を占めます。必死になって、得意先の声を聴こうと何度も足を運びました。あるきっかけで、本当の声(=クレーム)が届き始めました。その後はその声に誠実に対応していく日々でした。


社員、組合と信頼関係をつくる戦い

 同社は1959年設立で、牧野氏が引き受ける前に数度経営陣や会社名が変わっています。そのため、社員や労働組合の経営陣に対する信頼はなく、不安定な経営状態でした。

 賃金体系の見直しを契機に労働紛争が起こります。その中で牧野氏は必死になって会社の改革を進めていきます。第一に社員の生活を守り、そして失われた会社の信用を取り戻すことに取り組んでいきました。


「共に生きる」の学びと実践

 会社を改革していた2002年、牧野氏は新潟同友会上越支部の設立に参加します。その中で同友会理念や「共育」(経営者と社員が共に育ちあう)の考え方、「人を生かす経営」を実践する経営体験報告に触れることになります。その後「第6期経営指針を創(つく)る会」を受講しました。その当時、会社は徐々に改善に向かっていましたが、お客から気になる似たような声が何件か届きました。

 そのひとつに、年配の方から「私は動作が遅くて、運転手さんの気分を悪くしたようです。そうだったら悪かったと言っておいて下さい」という声がありました。

 牧野氏は大きなショックを受けます。サービスとしてあいさつや対応は大切です。それらの形は整ってきた一方で、お客様の立場にたつ心が欠けていたのです。それは「教える社長」がいて、「教わる社員」、「考えない社員」がいたからだと反省しました。


「考える社員さん」と「考えさせられる社長」

 社屋・社員と共に  同社は、「共に生きる」という経営理念のもとで、社員も、組合も一人ひとりが考え、自らで判断し、社員全員で共に育ちあうことをめざして社員全体集会を月1回、ローテーションで3日間にわたって開催しています。

 グループ討論を取りいれ、さまざまな意見が飛び交います。社員からの意見や討論は「考えさせられる」と牧野氏は言います。今後、「何を学び、何を実践するのか、何のためにするのか」という本質論議を積みかさね、地域の現状を知り、地域力をより確かなものにしていくことが課題です。

 そうしないとタクシー会社も生き残れないからです。「そのためにも社員と共に育ちながら、地域づくりに取り組みたい」と夢を語っていました。


会社概要

創 業 1959年10月
社員数 95名
資本金 7300万円
年 商 4億2千万円
事 業 タクシーサービス・介護タクシー・乗合タクシー(空港型・介護型)・便利タクシー
所在地 〒943-0861 新潟県上越市大和3-6-13 
TEL 025-523-4795
URL  http://www.imtaxi.com/
E-Mail teamim@coral.ocn.ne.jp

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