シリーズインデックス:人を生かす経営II

【第19回】社員が定着する会社へと変化―(株)トナミデンタルラボラトリー 社長 黒田文彦氏(富山)(2008.6.11)

 黒田社長 (株)トナミデンタルラボラトリー 社長 黒田文彦氏(富山)

経営とは何?

 (株)トナミデンタルラボラトリー(黒田文彦社長、富山同友会会員)は、規模では県内ナンバーワン、北陸3県でもトップクラスの歯科技工所です。黒田氏は、歯科医院勤務を経て1981年に独立しました。この仕事は、作業数が利益に結びつくため、作業数を増やすには人が必要です。

 社員が数名になったころ、借金して社屋を建てました。仕事を増やすため人を増やし、人が増えれば仕事を増やす、しかし社員は仕事ができるようになるころ辞めていく、この繰り返しでした。とはいえ、当時は人を大切とは考えていなかったので「辞めたらまた入れよう」と思っていました。また、経営面でも「お金がなければ銀行で借りよう」という程度で、仕事をひたすらこなすだけでした。

 しかし、創業から約20年余りのころ、一生懸命やっていればいつか何とかなるだろうと思っていたのに、どうもおかしい、これでいいのだろうか?と感じるようになりました。

   経営について考えたいとライオンズクラブに入会しましたが、「ボランティア中心で何か違う」。また中小企業大学にも参加しましたが、「自分の求めるものとはやはり違う」。「社員を一つにまとめるにはどうすればいいんだ? 経営とは何なんだ?」と悩んでいた2003年に出合ったのが富山同友会でした。

社員と向き合っていなかった

 黒田氏は例会などに参加する一方、技術だけでなく仕事に対する思いを伝えたいと、社員を「中堅社員研修」「マネージメント研修」に参加させます。そして、研修の「社長と語り合おう」で、社員と会社の将来を全く話しあっていなかったことや、自分の思いも伝えていなかったことを痛感。

 その後も社員研修には全て参加してもらい、今年初めて、新入社員→フレッシュマン→中堅社員と同じ社員が参加するという流れができました。社員も「入社何年でどの研修に参加」というとらえ方をするようになり、社員の定着率は確実に上がりました。

 3年前に、社内の課題や問題を社員自身が考えて改善してほしいと、テーマ別の社内委員会を立ち上げました。当初は、委員長がいるのに社長がすべてをリードして社員は受け身でしたが、今では、自分から手を挙げて運営や内容も自分たちで考えながら進めるようになり、ようやく軌道に乗ってきました。今は人材育成の場ととらえています。

経営指針づくりに参加して

作業風景  入会の翌年に「経営指針をつくる会」に参加し、「これこそ自分が求めていたもの!」と実感します。次々と投げかけられる問いかけに、真剣に取り組んだ半年間で一番の変化は、社員や人に対する思いです。自分に都合よく利用するのではなく、お互いによくなる方向で考えようと、心から思えるようになりました。

 「社長が変わらないと会社は変わりません。幹部が変わらないと若手が変わりません。自分の基準に合わせさせるのではなく相手の立場で考える、という社長の姿勢や思いの変化を、社員がようやく理解してくれるようになりました。積んでは崩しの繰り返しでしたが、ようやく形がみえてきました」と黒田氏は力をこめて語りました。

会社概要

創 業:1981年
設 立:1994年
社員数:32名
資本金:1000万円
年 商:1億4000万円
業 種:歯科技工業
所在地:富山県砺波市大辻615  
TEL:0763-33-2439  
FAX:0763-33-3037
URLhttp://tonami-dl.jp

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