シリーズインデックス:人を生かす経営II

【第25回】“ハカリ”を通して地域と子どもたちの未来をひらく―岩手イシダ(株) 社長 西川 秀恕(岩手)(2008.07.23)

  岩手イシダ(株) 社長 西川 秀恕(岩手)

現場からの発想でお客様のお役に立つ

 岩手イシダ(株)(西川秀恕社長、岩手同友会会員)は業務用のはかりの販売・メンテナンス中心の会社です。地域に根ざし、生鮮食料品店や地場のスーパーマーケットを中心に販路を広げてきました。

 しかし大型ショッピングセンターの進出で、長年取引をしてきた得意先商店の売り上げが激減。「このままでは商店街がなくなる。何とかハカリを通してわれわれにできることはないか」と社内で議論を続けました。取引先へ出向いたときのお客様との会話を社内に持ち帰り、どうすればそれぞれの店のお役に立てるのか徹底して全社員で話し合いました。そして、お客様の経営や地域の悩み解決に最も役立つ提案をする営業体制に切り替えました。
 

社員全員の思いが経営指針に

   こうした社内での取り組みがスムーズに進んだのは、3年前に初めて経営指針を作成したとき、最初から社員と一緒につくり上げた土壌があったからです。西川氏には協力してもらえるか不安がありましたが、相談してみるとむしろ社員全員が積極的に意見を出し、社長が提案した理念のたたき台にも厳しい言葉が飛び交うほどでした。

 話し合いの中で「消費者の皆さんに食の安全・安心をお届けするには、地元商店のお役に立つだけではいけない。直接の取引先ではなくても農家、生産者や食品加工場の困りごと、要望にもこたえていって初めて実現できるのではないか」との意見が出されるなど、何でも言い合える社風の中で、会社の将来へ向けた経営計画や年間基本方針が作成されました。
 

情報の共有でお客様満足度アップ

 ハカリは日々進化しています。計量する機能に加え、自動での包装・値付まで一気にできるものなど、多機能ハカリが開発されています。そのほとんどがIC部品を組み込んだ電子ハカリで、正確であることが前提の精密な機械です。小さなトラブルでも店や工場が全面ストップしたり、一般の消費者に不便をかけることになります。

 そこで岩手イシダ(株)では、地域のお客様から出される緊急の要望にも即対応できる社内環境をつくるため、メンテナンス担当のそれぞれの経験と知識を全社員で共有する勉強会を始めました。現在では経験年数を問わず、どの社員でも24時間、スムーズに緊急の対応ができるようになりました。
 

新卒を採用し続けられる会社に

   「計量を通じて活力あるまちづくりを推進する」との理念を出した瞬間、西川氏は10年以上もの間、地元からの新卒採用をしてこなかったことに気づきました。そこで早速、同友会の共同求人活動に参加。可能な限り毎年新卒採用を続けることを宣言し、すぐ高校新卒者を採用しました。3年が経過した現在、その時採用した社員がメンテナンスの中核を担うまでになり、新入社員の教育係を受け持つほどに成長しました。

 「計量を通してお客様に心から信頼されるパートナーになりたい。そして地元の人材をより多く採用できる企業になることで地域のお役に立ち、未来の子どもたちが地元を愛し、希望を持って安心して働ける社会にしたい」。西川氏のその言葉には、地域と次世代への思いが込められています。
 

岩手イシダ(株) 経営理念

一.私達は、現場からの発想でお客様のお役に立ち、
  共に発展する企業を目指します。
一.私達は、計量を通じて地域産業の発展に貢献し、
  活力あるまちづくりを推進します。
一.私達は、互いに相手の立場に立って感謝と信頼の心を持ち、
  共に人生を歩む仲間となります。
 

会社概要

設 立:1970年
社員数:12名
資本金:1000万円
業 種:計量器販売、メンテナンス
所在地:盛岡市前九年3-5-22

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