【第8回】エンディングビデオで市場創出 (株)エム.ビデオプロダクション 社長 宮野 晃氏(石川)

宮野社長

(株)エム.ビデオプロダクション 社長 宮野 晃氏(石川)

エンディングビデオを開発

 最近、結婚式で「エンディングビデオ」なる演出が人気を集めています。披露宴の締めくくり、新朗新婦が退場すると同時に会場は暗転し、巨大なスクリーンに映像が映し出されます。

 そこにはわずか30分ほど前の二人の映像がプロモーションビデオのように美しく編集されて流れ、披露宴の列席者の名前が映像の上に表示されます。わずかな時間で極めて品質の高い映像が作られていることで、見る者に大きな驚きと感動を与える演出です。

 この演出をつくり、世に送り出したのが(株)エム.ビデオプロダクション(宮野晃社長、石川同友会会員)です。

新市場を切りひらく

社屋外観

 同社は、結婚式のDVD制作をはじめ、各種プロモーションビデオ、CMまで映像制作を専門にしています。エンディングビデオは、同社が2001年に結婚情報誌「ゼクシィ」に広告を出したことで、日本全国に広がり、わずか数年で何百億円という市場を創り出しました。

 2006年に石川同友会の設営で開催した中同協全国総会でも同社制作のエンディングビデオがフィナーレを飾ったことは記憶に新しいところです。

想像をはるかに超える映像づくり

 当初は制作の難しさから他社では作れず、その優位性から年々契約結婚式場の数を増やしました。2003年3月期から前2008年3月期までの5期で、平均年率20%の売上成長を遂げ、前期は売上高経常利益率も20%超えを達成しました。

 しかし、売上や利益、企業規模の拡大にはこだわっておらず、全てのお客様に感動を与えることを唯一の目標として掲げています。宮野氏は「想像をはるかに超える、想像すらできないような映像作りでお客様を感動させる。お客様の笑顔が何よりも従業員のモチベーションやスキルアップにつながるから」と話します。

 しかし、最近は売上の伸びに会社のシステムがついていかずミスも出てきました。このためマニュアル整備や社員教育といった会社の基盤整備にも必死で取り組んでいる最中です。

 宮野氏は石川同友会の「青年塾」(会内外を問わず、後継予定者や青年経営者の学びの場として運営)での1年間の学びを経て、2002年に入会し、学びと実践を続けてきました。たとえ小さくても「お客様に全幅の信頼と想像を超えた感動を与えられる」、そんな会社を目指しています。

会社概要

創 業:1989年
資本金:1000万円
年 商:7500万円
社員数:6名
業 種:DVD・映像制作
所在地:石川県金沢市田上第五土地区画整理地内58街区9
TEL:076-231-2884