【第49回】はじまりは1本の牛乳、健康への願いを込めて!ひまわり乳業(株) 社長 吉澤文治郎氏(高知)

吉澤社長

ひまわり乳業(株) 社長 吉澤文治郎氏(高知)

アイテム数は120品目

 ひまわり乳業(株)(吉澤文治郎社長、高知同友会会員)は1922年(大正11年)創業で吉澤氏の祖父が酪農からスタートしました。1946年に法人化し、牛乳の宅配を中心に展開、1960年代後半からは量販店との取引も始めました。現在では牛乳以外に、コーヒー、生クリーム、ヨーグルト、果汁飲料など約120品目にわたる商品を毎日生産しています。

「自然」「健康」「地域」へのこだわり

 「同じ値段で新商品を作るなら大手メーカーには負けません」と力強く語る吉澤氏、「自然」、「健康」、「地域」に徹底的にこだわった商品をまじめにつくることを同社の基本的な考え方としています。例えば「自然」でいえば、「まごころ牛乳」という宅配商品があります。遺伝子組換え飼料やポストハーベスト飼料(農薬を散布された飼料)を使わずに育てた健康的な牛の生乳100%の低温殺菌牛乳です。

 また「健康」については、高知大学農学部や高知県工業技術センターと共同で開発した「アラビノ」があります。古来様々な効能があると言われてきた米ぬかを、特殊な酵素を使って加水分解し有用成分を多く含む飲料にしたもので、腸まで届くと言われている乳酸菌「パラセガイ」を使った発酵乳とミックスするなど、よりおいしく健康に役立つサプリメントドリンクです。

生産者の顔が見える取り組み

 また「生産者の顔が見える牛乳」として、酪農家の顔写真や氏名を載せた牛乳の販売や、スーパー店頭での酪農家による店頭販売を行っています。またトレーサビリティ(生産履歴管理)システムとして牛乳パックにあるアドレスから生産履歴を検索できる仕組みを確立しています。

 そして、同社の誇る究極の低温殺菌牛乳が「高知育ち 乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」です。製造年月日だけでなく搾乳日まで入っています。前日に搾乳された牛乳を夜中から明け方にかけて同社の車が集めて回り、翌朝に殺菌して詰めたもので、地域密着型の同社ならではの商品です。

こだわりのものづくり

 今、乳業メーカーを取り巻く環境は、飼料の高騰などで離農する酪農家も増え、生産量が減り、乳価高騰など先行きの不透明感が増しています。一方では大手の寡占化が進み、他方では規模の小さな地域の強いブランドが生き残るという流れになっています。

 そんななか中規模メーカーである同社は、自社の強みである生産者とのつながりを生かして、こだわりを持ったものづくりで、独自の差別化戦略をとっています。「作り手が楽しんでいないと、お客様が楽しくない」と吉澤氏、こだわりの商品づくりにさらに力が入ります。

会社概要

創 業:1922年
資本金: 1億2,500万円
社員数: 190名(内、パート100名)
業 種: 牛乳・乳製品等製造・販売
所在地: 高知県南国市物部272-1
TEL: 088-864-5800
URLhttp://www.himawarimilk.co.jp/