シリーズインデックス:経営革新する元気印企業

【第62回】次代を継ぐ(つなぐ)バトンリレー (有)西田葬儀社 社長 西田栄一氏(愛知)(2009.12.16)

西田社長 (有)西田葬儀社 社長 西田栄一氏(愛知)

 (有)西田葬儀社(西田栄一社長、愛知同友会会員)は名古屋市昭和区に本社を置き、葬儀会館を2カ所構えています。同社は創業から72年、西田氏は5代目社長です。名古屋市は20年後に、現在の2倍にあたる年間40万人の方が亡くなることが予測されています。こうした市場をにらみ、大手葬儀会館の建設ラッシュ、新規参入も加速して競争は激化する一方です。

社員が半減

 23歳で入社した西田氏は、近隣に大手の葬儀会館が次々と進出してくることに危機感を覚え、「何とかしなければ」と社長である父親や先輩社員に進言しました。しかし取り合ってもらえません。そこで友人3人に入社してもらい「昔からいる社員を追い込む」という強硬策に出ました。以来、社員同士の仕事の取り合いが始まり、営業部長をはじめ社員は次々と辞めていきました。西田氏が営業部長となり会社の経営を任せられるようになりましたが、「とにかく自分の力を周りに認めさせたい」「会社を大きくしたい」という一心の西田氏には社員はついてきませんでした。

 13名いた社員は6名になりました。業績は2年連続の赤字となり「このままではつぶれる」と税理士に言われました。そのとき初めて同友会の仲間に悩みを相談しました。返ってきたのは「おまえは会社を大きくすることしか考えていない。もっと基本的なことから始めなさい」という指摘でした。

経営指針を作成して

 さっそく経営指針を作成する中で「多くのリピーターをつくり会社を安定させる」「他社にはない自社独自の良いサービス、商品をつくる」というキーワードが見えてきました。大手と同じ土俵で勝負するのではなく、お客の声を形にした細かなサービスを徹底しました。翌年は赤字から脱却し「よし、やった」と思ったのはつかの間、見当違いであることに気がつきました。実はお客は過去に葬儀を依頼していた方ばかりで、先代と辞めていった社員が蓄積したものでした。

 2008年に社長になることを決意した際には「会社は社長のものではない」「自分は会社の歴史の一部である」と胸に刻み、これまでの姿勢を社員と両親に謝りました。そして社内ルールの作成と徹底(あいまいの排除)、社員の生活に目を向ける(残業の削減と休暇の取得)、社内のコミュニケーションをはかることに着手しました。

新卒採用と葬儀会館のオープン

新斎場「メモリアルハウス平子 桜花(さくらはな)」  現在、「社員がやりがいを感じる会社づくり」の実践に取り組んでいます。今年から新卒採用も始めましたが内定を出すと断られる状況です。「良い会社になってきたなと思っていたが、学生の評価は正直で厳しい。魅力ある会社づくりはこれから」と西田氏は言います。

 一方、2号店となる葬儀会館を8月にオープンしました。当初、周辺住民の反対がありましたが、その際に反対する住民を説得してくれたのは、過去2回、同社に葬儀を依頼したお客でした。「当時、こちらの無理なお願いにもかかわらず、嫌な顔をせず葬儀してくれた。西田葬儀社は必ず地域のためになる」と説得してくれました。

 西田氏はこの経験から、自社の歴史の重みを改めて痛感しました。オープン当日は反対していた住民も含め300名が集まりました。5年前からの計画であったため、実現して社員のモチベーションも上がりました。「しっかりと歴史を受け継ぎ、時代に継いでいきたい」と西田氏は力を込めて語りました。

会社概要

創 業:1937年
設 立:1984年
資本金:500万円
社員数:13名
年 商:2億4000万円
事業内容:葬祭業請負
URLhttp://www.gosougi.co.jp/

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