シリーズインデックス:経営革新する元気印企業

【第64回】ロボット開発で地域貢献 (株)藤原電子工業 社長 藤原義春氏(大阪)(2010.01.13)

藤原社長 (株)藤原電子工業 社長 藤原義春氏(大阪)

 藤原義春氏((株)藤原電子工業社長、大阪同友会会員)はプリント基板プレス加工歴20年の経験をもとに1993年に大阪府八尾市で独立開業しました。開業当初から家電用に安価なプリント基板のプレス加工をしていたので常に海外企業との価格競争を余儀なくされました。「このままではあかん、他社と違うものづくりをしないと」と1999年に決心し、5年後に画期的な加工技術の開発にこぎつけました。

金型技術で新分野へ

加工の様子  プリント基板はガラス繊維を編みこみそれを樹脂で固めたものです。当時プレス加工すると断面にバリや繊維くずが残るので、取り除くためにもう一度プレスする工法がとられており、コスト高となっていました。
 これに目をつけた藤原社長は、バリや繊維くずの残らないプレス加工ができれば自社の強みとなると考えました。バリや繊維くずの原因となる金型の「雄」と「雌」の隙間をより小さくすることをめざし、独立開業前に培った技術で試行錯誤を続けました。そのかいあり、2004年に5年の歳月をかけて隙間2ミクロンの金型作成ができるSAF工法を完成させました。

 藤原氏が目をつけたとおり、SAF工法金型で生産したバリや繊維ごみの出ないプリント基板は安全性が高いうえにコストダウンにもなります。待ち望んでいた強力な自社開発商品ができました。これによって安価なプリント基板の加工業から脱皮して、自動車や電機、携帯電話といった新分野への進出も果たすことができました。SAF工法は特許出願中で、大阪府経営革新支援法の承認も受けました。

ロボットへの挑戦

工場風景  またプリント基板のプレス加工は従来から自動化の動きはありましたが、不良品の発生が多いことが問題となっていました。そこで検査しながら自動生産するシステムづくりの足がかりとして、藤原氏はロボットへの挑戦を決意し、地元の異業種交流グループが主催したロボットコンテスト「八尾ロボットフェア」に参加しました。「ロボットに関しては思いがあるだけで知識はない」という藤原氏は、社員や高専の学生たちと連携して一緒に学びつつ、ロボット製作に没頭しました。
 
 社員も生き生きとロボット製作に励み、その結果ロボットフェアでは優勝の栄冠に輝きました。「とかく自信がないといわれる若者に、自信と勇気と夢を持ってもらえる結果となった」と藤原氏は言います。
ロボットフェアの見学者の中から同社に就職を希望する若者も現れるなど、藤原氏の周りにロボットに夢をもつ若者が集まり始めています。

小学校でのロボット教室

 ロボットフェアの新聞報道がきっかけとなり八尾市の教育委員会から小学校でのロボット大会の依頼が舞い込んできました。会場の体育館は直接ロボットに触れた小学生の歓声に包まれました。「ロボットを通してものづくりの楽しさと、八尾の技術の高さを知ってもらいたい」と話す藤原氏は、八尾のものづくりの発展にロボット教室が一役果たしたいと考えています。
 
 また「東大阪のロケットの町に対して、八尾をロボットの町にしたい」と宣言しており、さまざまな技術をもった企業との連携でロボット産業をねづかせたいと考えています。藤原氏のものづくりと地域への思いは熱くなるばかりです。

会社概要

設 立:1993年
資本金:1000万円
社員数:25名
事業内容:プリント基板製造の外形加工、プレス・ルーター加工及び金型製作設計
所在地:大阪府八尾市南木の本2丁目52番地
URLhttp://www.fdk-ltd.jp/

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