シリーズインデックス:付加価値を高める

【第8回】物づくりの技術がない。だからこそ、オリジナルのサービスで勝負する (株)第一電話システム 常務 秋吉稔喜氏(大分)(2010.06.02)

秋吉常務 (株)第一電話システム 常務 秋吉稔喜氏(大分)

 日進月歩の勢いで技術革新が進む情報通信業界の中で、「独自のもので勝負しないと生き残れない」という考えのもと、OA機器の販売・レンタルから通信機器を活用した新たなビジネスモデルを創造・提案して幅広い事業展開をしているのが(株)第一電話システム(秋吉稔喜常務、大分同友会会員)です。

 同社は、現在の社長の父が創業した電話加入権と債権の売買を事業とする旧第一電話店が母体です。電話加入権をレンタルするうちに、「FAXを貸してくれないか」「コピー機を貸してくれないか」という要望が出てきました。これに対応していくうちに、現在の業態になりました。

社屋  事業分野は大きく分けて、「法人レンタル」、「モバイルネットワーク」、「OAシステムソリューション」、「技術保守サービス」の四つの事業分野からなっています。

 「法人レンタル」では事務所に必要なOA機器・通信機器などのレンタル業、「モバイルネットワーク」ではauの携帯電話販売、「OAシステムソリューション」ではデジタル電話交換機・ナースコールなどの機器およびナースコールPHS連動システム・コピー機本体ゼロ円レンタルなどのシステムサービス、「技術保守サービス」では情報通信機器設置工事、LAN配線工事などを行っています。

「コピー機、タダなら置いてあげるよ」

ただおき君  「お客様の声に耳を傾けなさい」とは言いますが、この言葉に真剣に応えようとしたのが、同社です。

 決して安くはないコピー・FAX機能を持つ複合機本体は、大手メーカーとの競合になれば、どうしても価格的に不利になります。そこで先の声を実現させようと社員で話し合い、複合機本体を無料でレンタルして、搬入設置費とコピー枚数に応じた料金で成り立たないかと試算をしました。これで始まったのが「コピー機本体0円レンタル」の「ただおき君(商標登録済)」です。

 「本当に無料なの!?」といぶかしがる会社もありましたが、実際に導入されると「経費が削減できた」とたくさんの喜びの声をいただきました。
 
 その後もお客様の声に耳を傾けて、少量のコピー需要に対応した料金プラン「ライトプラン」の導入や、カラーコピーの「カラーただおき君」のレンタル開始、オリジナルで開発したトナー専用台の設置、二年に一度のオーバーホール、予備トナーの在庫管理の簡素化など、次々と新しいサービスを提供しています。

「携帯電話の料金プランが分かりにくい」

 「携帯電話の料金プランが複雑過ぎて把握できない。料金プランを見直したい」という要望には、「料金メニューの最適化サービス」で応えています。通常は店舗で相談を受ける会社が多いのですが、同社ではお客様の会社を訪問して無料で相談にのります。
 経費削減が業務と言ってもなかなか外出が難しい総務の担当者も、「訪問をして相談にのってくれるのなら」と喜んで受け入れてくれます。

 しかし、訪問の約束ができたとしても、「営業のチャンスだ!」とばかりに携帯電話を販売しようとすれば、「売りたがっているな」とお客様に引かれてしまいます。お客様の希望通りに料金プランの見直しを進めながらも、お客様にとって本当に必要なプランを提案しています。
 このような姿勢でお客様の信頼を得て、一度に50台近くの契約を結ぶこともありました。

情報を生かし、コミュニケーションを深化

会議の様子  幹部会議や部門別会議だけでなく、部門を横断した委員会制度の会議もスケジュール化されています。どの議題においても、目標がどの程度達成されているのかを数値化し、生産的な会議を行うようにしています。必ず結論を出して、次の展開を決めていきます。

 各自が行っている業務の洗い出しを進め、考課表を作成しています。これにより、どんな仕事があって、自分はどの仕事ができて、何ができないのかが明確になりました。職能基準表も作成したことで、昇給や昇進についても、経営者からの評価や年功に影響されることなく、相応しい人が認められるようになり権限の委譲も進みました。

 研修にも積極的で、外部研修はもちろん、社内の他人の話を聞いて討論を行う「DDS共育タイム」を設けています。技術的な話だけでなく、「生きがいとは、働きがいとは」といったテーマでも幹部社員が報告しています。また、全社員に他部門の仕事を体験させて、相互理解を図っています。

 また、どのような研修に参加したときでも、何を学び、何を実践するのかについて報告書を作成し、グループウェアに掲示しています。閲覧をした人は励ましやアドバイスのコメントを書き込みコミュニケーションをとっています。

 このように社内ではグループウェアを介して、あらゆる情報が公開されています。個人間での情報やコミュニケーションのやりとりではなく、個人対全社員でのやりとりで、情報の共有化とコミュニケーションの深化が図られています。

商品づくりより価値づくり

 「『売れない』『価格下落が止まらない』というのは、世の中で価値のない商品・サービスになってきているということです。これからもお客様にとって価値あるものを具現化するために、絶え間なき創造と不断の挑戦を続けていきます。そして、どんな経営環境にも対応できる組織(人)をつくります」と秋吉氏は語ります。

会社概要

創 業:1966年2月
設 立:1990年6月
資本金:2500万円
従業員数:34名(パート含む)
業 種:法人レンタル事業、OAソリューションシステム事業、
    技術保守サービス事業、モバイルネットワーク事業
所在地:大分市西春日町Ⅰ-60
URL:http://www.daiichidenwa.co.jp/

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