シリーズインデックス:付加価値を高める

【第27回】皆の幸せを目指すインプラント (株)ホリックス 専務取締役 堀内利雄氏(静岡)(2010.10.20)

堀内氏 (株)ホリックス 専務取締役 堀内利雄氏(静岡)

“生きていくこと”への追求

 「もっと日本人に合った製品ができるはずだ」。社長の堀内喜久二氏は外資系医療機器メーカーの定年退職を機に、それまでの経験と技術を「日本人の体型・骨格に適合するインプラント製品※」にして生かそうと、1997年沼津インキュベートセンター内に、(株)ホリックスを設立しました。念願の国産人工関節や骨接合用材、手術器械を研究開発しながら、患者さんの負担の軽減、喜んでもらうことをやりがいとしてきました。

インプラント ※…インプラントは、一般的に歯科の人工歯根が代名詞のように周知されていますが、ここで言うインプラントとは、整形外科における人の体内に埋設する人工関節および骨接合用品のことを指します。

信頼される最高の品質を求めて

社屋  2001年に沼津市の鉄工団地に拠点を移し、研究開発、製造、営業と社員を増やしていきました。主軸製品であるインプラントは、骨の太さや曲がり具合、折れ方に応じて、個々の体形・骨格に適合するよう加工しています。2004年には、滅菌処理に対応するため、クリーンルームを設備し、パッケージングまで行えるようになりました。「信頼される最高の品質を求めて」という方針のもと、医師や患者さんのニーズにこたえ続けています。
 高い技術力が評価され、2003年静岡県科学技術功労賞、2004年第13回静岡県ニュービジネス大賞)を受賞、2007年には、経済産業省・中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれました。

製品  現在のインプラント市場は、外資系企業の輸入製品が80%以上のシェアを占めています。国内大手企業でも市場の数%であり、同社のシェアはおよそ1%です。専務の堀内利雄氏(静岡同友会会員)は、新たな部位として、手首や足首、顎の分野や、ペット向け製品も市場として考えています。「医師やディーラーのもとへ通うこと」、これがニーズをくみ取った高品質の製品づくりにつながっています。

 日本に流通している体内埋没用インプラントは、ほとんどがチタン製です。一昔前は、ステンレスも使われていましたが、チタンが生体適合性に優れているため、素材として使われるようになりました。手術器械では、アルミ製のものも使われていますが、ステンレスが主流になっています。人の体に使うため、切削性や加工性などより、耐腐食に優れる材質が選択されるようになりました。ただし、ピアスなどのアクセサリー類では、チタンであっても他素材金属を同時に身に付けた場合にアレルギー反応を起こす人が出ています。

 「経営面では、価格転嫁できない材料費の変動や、在庫として一定量持たざるを得ない状況など苦労はありますが、人々の健康に直結するものなので、当然のことながら一切の妥協を許しません」と堀内氏は言います。

製品イメージを共有する

 現在、社員数は12名。社長は技術者として、堀内氏は研究開発・営業を担いながら、陣頭指揮をとっています。堀内氏が入社したのは10年前。社長が沼津鉄工団地への進出を決めた頃、社員数も5~6名になっていた会社を、社長と二人三脚でやっていこうと決意を固め、10年間勤務した医療機器ディーラーを退職しました。

社内  医療関連の知識が必要とされる営業の最前線の活動は、月のほとんどが出張に費やされています。その原動力は、自社の高付加価値製品が、多くの患者の生活の質を向上させるという確信があるからです。「今後ますます日本は長寿大国となり、骨粗鬆症による骨折や骨腫瘍等の病気などで、人工関節や骨接合用品が必要とされます。最高品質の製品を患者さんへ提供するために、医師と共に研究開発をするだけでなく、患者さんの症状に合わせた製品の開発・製造をするため、手術現場にも立ち会います」と堀内氏。

 社内では、堀内氏がお客様である医師と話し合った製品イメージを社員と共有するため、まず図面にし、試作品を作ります。製品づくりの過程では社員と密に情報を交換し合い、製品イメージを医師と堀内氏のイメージだけでなく、社員まで含めた共通のイメージにしていきます。できた試作品は再度改良することを続けることにより、イメージを完成品に結びつけます。

さらなる価値を製品に吹きこむ

 堀内氏は「人工関節は、人体に埋め込まれ長期間使用される身体の一部であり、より自然に生活でき、幸福を見出せるモノ(存在)でなければ価値は示せません。薬事法という規制のもとで承認が下りず、患者さんに合わせた製品づくりが進められないという壁に突き当たることもありました。人間の本質である健康や生きるということに直接携われることはうれしいことです。自社や自分にかかわる全ての人たちを“幸せ”にしたい」と語ります。
 患者さんが日常生活を支障なく、幸福に過ごせることを支援するこの仕事は、「一人でも多くの患者さんに、喜びと生きがいを」という、理念につながっています。

会社概要

創 立:1997年4月
資本金:1500万円
業 種:手術器機医療用具・インプラント、手術器械の製造・販売
従業員数:12名
所在地:沼津市足高294-46
TEL:055-925-4601
FAX:055-925-4603
URL:http://www.hollyx.co.jp

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