シリーズインデックス:付加価値を高める

【第33回】安心・安全・やさしい食材を追求する (株)給材 代表取締役 宮崎伸洋氏(新潟)(2010.12.08)

宮崎社長 (株)給材 代表取締役 宮崎伸洋氏(新潟)

 (株)給材 (宮崎伸洋社長、新潟同友会会員)は、新潟市下越地域の学校給食の食材卸を主な業務としています。宮崎氏の父が1968年8月に創業し、2010年11月に社長交代したばかりです。

 創業当時は、子どもがたくさんいて食材を持っていけば売れた時代で、宮崎氏が高校卒業後18才で入社した当時もその名残は残っていました。
その後、年々子どもの数が減少していきました。実際、約25年前の合併前旧新潟市の給食人口は4万3000人~4000人ですが、今では約2万8000人まで減少しています。一方で、子ども一人当たりの給食費は上がってきたため、「子どもが少なくなってはいますが、売上のボリュームは下がっていないというのが現状」と宮崎氏は語ります。

安心安全な食材を追求して

 学校給食は競争の激しい業界でもあります。全国的にみても、新潟市周辺というのは学校給食の食材は全国平均に比べて15~20%は価格が安く、新潟はどこよりも安く食材を仕入れることができるといわれるほど、価格競争とダンピングの激しい地域です。
 競争の激しい中で、20年前より、合成添加物の入っていない食材をとにかく提供したいという思いで、他社との差別化を図ることも考え、安心・安全な食材を扱い始めました。

社屋の写真  そこで注目したのが重合リン酸塩という合成食品添加物です。この添加物は清涼飲料水や食肉加工品などいろいろな食品に使われていますが、一方でカルシウムを分解してしまうという悪い効果もあります。「子どもの給食には骨の成長を促進するためにカルシウムがたくさん含まれている食材が使われている。リン酸塩がせっかくのカルシウムを分解してしまうということ、そして子どもたちの骨自体も分解してしまう影響があるということが問題だと感じた」と宮崎氏。

 宮崎氏は子どもたちに安心安全な食材を提供するとの思いで、原料・材料の段階から食材にはこの重合リン酸塩が使われていない食材を食品メーカーにお願いしたり、協力しながら食材を開発したりするようになりました。このことは付加価値を高めることにもつながりました。

青年部活動の学びをきっかけに

 宮崎氏が同友会に入会したのは2007年。オリエンテーション後、しばらく参加していませんでした。きっかけとなったのは青年部活動の中で、決算書や財務を基礎から学ぼうと研修会に参加したことです。「ちょうど事業継承の時期でもあり、営業や開発はしてきましたが、いざ継承となると財務だったり、労務だったり、経営に必要な基礎的な知識がわからないと気がつきました」と宮崎氏。青年部活動の中で経営の基礎的な知識を学び、業績も黒字転換となり、世の中は厳しい状況ですが、毎年5~10%売上が伸びています。

 また、製品開発にも取り組みます。青年部の地域イベント「にいがたFESTA」で、新潟産の南蛮えびを使用した塩焼きそばを初披露、現在大手居酒屋チェーンでメニューとして採用されるまでになりました。宮崎氏は、「同友会に参加するようになって、いい仲間も新しくでき、会社も業績が良くなってきている」と語ります。会社の課題や、学びたいことを仲間と連携して取り組むことで、業績改善や付加価値も高めています。

完全オリジナル「米粉カレー」の開発

社員と一緒に  同社は今年に入り、自社初のオリジナル商品、しかも初の一般顧客向け商品として、米粉100%「米粉カレー」を開発し、営業展開しています。

 宮崎氏は、「自分は製品ができ上がるとゴールとなってしまい、燃え尽きてしまう性格で、この米粉カレーも作った時点で終わっていたかもしれないが、今回は青年部の仲間の助けや連携もあり、製品のコンセプト、プロモーションなどさまざまな協力をしてもらい、驚きの連続で楽しい。また社員にも、『今までの仕事は私たちがやりますから、米粉カレーに専念してください』といわれ、本当にありがたい」と語ります。

米粉カレー  米粉が注目されはじめたのが4~5年前。米粉パンや米粉を使った麺などが発売されるようになりました。そこで、宮崎氏も小麦粉を使うカレーのルーは米粉にできると思い、お付き合いのある食品メーカーに米粉を送って、米粉100%のカレーのルーを開発することになりました。

 しかし、米粉の特徴である油を吸いにくい点がネックになり失敗の連続。それを乗り越えたのは、食料自給率を上げたいという情熱と協力工場の熱意がありました。新潟IPC財団からの補助もあり、4年半かけて製品化となり、同友会の仲間との連携で販路を広げています。

 米粉を使ったカレーは完全オリジナル製品です。しかも、「安心・安全・やさしい」のこだわりからレトルトカレーの常識を覆して化学調味料、食品添加物は一切使用していません。これは、同社の社風でもあります。また、食材は新潟県産をできるだけ使用し、製造も新潟で行うというとことんこだわった商品となっています。

 「今後は、家族の食卓に手軽に安心・安全な米粉カレーを届けたいと企業努力を積み重ねて、低価格を実現したい」と宮崎氏。米粉を使ったハヤシライス、コーンシチュー、カレールーなども製品化し、新潟は数々の有名な漫画家を輩出している「アニメ・マンガ王国」ということで、JAM日本アニメ・マンガ専門学校の生徒とコラボレーションして新しいパッケージも開発しています。 同社と米粉カレーの可能性は限りなく広がっています。

会社概要

創 業:1968年8月 
資本金:1,000万円
業 種:食材卸販売、学校給食、食品開発企画
従業員数:11名
所在地:新潟市東区竹尾665-1
TEL:025-274-1858
FAX:025-274-7718
URL:http://kyuzai.jp/

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