シリーズインデックス:わが社の強みは??

【第17回】地域になくてはならない会社に挑む! 明石屋(株) 代表取締役社長 明石 雅之氏(島根)(2011.08.24)

明石社長 明石屋(株) 代表取締役社長 明石雅之氏(島根)

突然の事業継承

 明石屋(株)(明石雅之社長、島根同友会会員)は、1910年食料品などの小売業として創業後、途中法人化と同時に食品原料の卸売業に業態変更し今日に至っています。
明石氏は、大学卒業後後継ぎのことは考えず東京の会社に就職し、直需営業を担当して毎日飛込みで企業回りをしていました。「営業が好きなこともあり苦にならずむしろ楽しかった」と明石氏は当時を振り返ります。

 ところが父である3代目社長が突然亡くなり、急遽事業継承者として1997年に同社に入社することになりました。引き継ぎもないまま入社したため、当初は「何が分からないか分からない状況」でした。そういう状況の中会社は、不動産収入で何とか成り立ってはいましたが、卸売部門は赤字であることがわかり、明石氏は「『とにかく売り上げをあげることが急務である』ことに直感的に気付いた」と言います。

がむしゃらに営業活動

社屋  山陰地域の業界の市場は伸びていない状況の中、業界の営業体質は、波風を立てない「御用聞き的営業」が主流であり、同社も同様な営業体質でした。

 明石氏は、自らの競争の厳しい東京で培った営業経験を生かし、まず可能性のある顧客をリストアップし、情報を入手するとともに納材している競業会社の情報も入手。持ち前のバイタリティで「顧客周りをがむしゃらにした」と振り返ります。明石氏の用意周到な準備と依頼後少なくとも2日以内に回答するというスピード対応の結果、他社との差別化ができてきました。その後つぎつぎとお客様の信頼を得た上、他社の商権を獲得しシェアーを拡大していくことができました。

 取られた商権を取り返される心配をしていましたが、取り返すような動きはありませんでした。むしろ競合他社は業績が悪化し、つぎつぎと撤退していました。明石氏は、「自社だけでなくこの地区の業界全体がぬるま湯的環境にあったということが幸いし、そのお陰で東京での営業経験で得た営業手法が強みとなって顧客開拓をすることができた」と営業の強みに確信をもったことを話します。
 
 このようにして同社の成長発展の軸が動き出しました。
最初のうちは、売上が増えた分の仕入先も自ら開拓していましたが、入社以来約5年かけて営業を強みとする営業スタイルを自社に根付かせ、営業社員を順次増員し、業績を拡大していきました。
 このような業績のもと2004年に4代目の社長に就任することになりました。

新たな展開

明石氏は、現市場が伸びていない中さらに成長発展していく戦略として、取引先への商材拡大、新しい商材での顧客開拓、山陰地域での拡大を戦略として掲げました。取引先との関係では、取引先が使用している包装資材・産業資材を新たに扱えるようにし、新しい商材としては、米穀の卸売を始め、地域拡大については、山陰地区の鳥取地区、兵庫県北部地区に進出していくなど積極的に展開していきました。その結果、前期には社長就任後2倍強の売上にまで業績を上げました。
「これらの戦略を通して、明石屋の成長発展へのビジョンが見えてきた」と明石氏はいいます。

全社一丸体制で地域になくてはならない会社に挑む!

社内  しかし、ビジョンの具体化を検討する中で人材や組織などがそれに伴っていないという課題に気付き、「人材育成と組織の整備が急務である」と模索し始めます。

 このような中2008年島根同友会に入会し、経営指針成文化セミナーの受講を勧められ、これがきっかけで2010年経営指針書を作成しました。「成長発展するには、全社一丸体制がキー」との思いから社内で経営指針を発表しましたが、すぐに理解してもらえるほど生易しくはありませんでした。

 そこで社員と共有化を図るため、グループ毎に経営者としての思いを伝えながら、話しあう機会を定期的に続けることにしました。

 最初はなかなか理解をしてもらえませんでしたが、続けるうちに少しずつ社員に理解してもらえるようになってきました。そして「仕事を通じて全従業員の物心両面の幸せを追及します」を経営理念に明確にしたこともあり、社内の風土も雰囲気も変わってきました。

 明石氏は、「経営者として地道なこの取り組みを粘り強くしていくことが社内を活性化し全社一丸体制という形で明石屋の強みが増しこれがビジョンを具体化していく力になることは間違いない」と確信していると言います。

 明石氏は、会社設立61年目の今期、社是を「挑戦」「向上」「努力」「謙虚」とし、自社の強みを増して山陰地域内での食品原料・包装資材・米穀の販売シェアーを圧倒的ナンバー1にすることにより雇用を増やしながら、「地域になくてはならない存在」となることを目指しています。当面2015年に売上高20億円、さらに2032年に売上高100億円を見据えています。

 明石氏は「自分が生まれ育ち、また自分たちの子どもがこれから育っていく島根に、少しでも仕事を通じて貢献したい」と熱く語ります。

会社概要

創 業:1910年11月
設 立:1951年4月
資本金:5000万円
年 商:14億2,700万円
事業内容:食品原料卸・米穀卸・包装資材卸・その他産業資材卸
従業員数:22名
所在地:島根県松江市宍道町昭和94番地
TEL:0852-66-0016
URL:http://www.akashiya-ltd.co.jp

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