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【第33回】技術力を武器に「待ち」から「提案型」へ フラワーショップ花いちもんめ 代表 高橋 裕子氏(栃木)(2011.12.21)

高橋代表 フラワーショップ花いちもんめ 代表 高橋 裕子氏(栃木)

 1994年、元銀行員だった高橋裕子氏(栃木同友会会員)は一念発起して花屋稼業へ転身。「買ってうれしい、花いちもんめ」をキャッチフレーズに、宇都宮市の中心市街地に近い陽西町に本店を構えました。その5年後にはさくら市(旧氏家町)の地元スーパーのテナントビル内に氏家店をオープン。どちらの店舗も地域密着型に徹し、近隣住民に愛される店として営業を続けてきました。

自然豊かな文教地区に本店を移転

店舗外観  2010年7月、本店を宇都宮環状線沿いの長岡町に移転。田園と里山が同居する自然豊かな郊外に新規オープンしました。ちなみに同エリアは市内でも人気の高い住宅街で、近くには市立美術館や私大キャンパスなどが点在する文教地区です。まちなみの美しさは折り紙付きで、“山の手”の雰囲気がただよう地域です。

 「かつて本店があった場所は中心市街地のため住宅などが密集し、駐車場が狭いなどお客様にご不便をおかけしていました。生花を扱う商売として花の美しさのみならず、ゆったりとした時間・空間も提供したいとの思いから、環境の豊かな現地に移転しました」と高橋氏。環状線沿いといっても、メイン道路から1本入った側道に位置しているため、周辺はことのほか静か。それでいて、店舗の外観はメイン道路からもよく見えるという好立地。そんな恵まれた環境にひかれて、花への思いが強い客層が多く来店しています。

広い作業場の確保で効率アップ

店舗内  同店の売上を大まかに分けると、店頭小売が約5割、慶弔(葬儀&ブライダル)が約5割を占めています。その他にもスーパー・コンビニへの委託販売、イベント&パーティー、オフィス&店舗のディスプレイなど多岐にわたる注文があります。

 本店の移転により、広い作業スペースが確保され、幅広いオーダーにも対応でき、結果として業務フィールドが拡大しました。同時に、環状線を使うことで各方面への配達がしやすくなり、納品もスピーディになるなど、隠れたメリットもたくさんあります。

 「店頭小売と慶弔を軸に、委託販売などさまざまな売り口を展開するのは、注文の増減などのリスクを分散するためです。売り口が広いとさまざまな品種を大量に仕入れる必要がありますが、結果として1本あたりの単価が抑えられます。豊富な品ぞろえの中から、鮮度のいい商品を安く提供できる、これが選ばれる花屋であるための必須条件だと思います」と高橋氏は語ります。

有資格者の技術力で強みを発揮

 「エキテン!」とは、グルメやショッピングに始まる人気店がひと目でわかる、店舗の口コミ・ランキングサイトのこと。同店はこのサイトで、宇都宮市の「花屋ランキング」で堂々の1位をキープしています。

 評判がさらなる評判を呼び、近隣市町をはじめ遠方から足しげく通う常連客が増え、また、首都圏の業者から取引依頼もありました。「多くの方々から支持され、改めて襟を正す思いです」と高橋氏はいいます。口コミの中身は、「花束の鮮度」「ボリューム」「豪華さ」への評価のほか、「アレンジメントのセンス」の良さにも集中しています。

 同店の2つの店舗で働く計10名のスタッフのうち、国家資格「フラワー装飾技能士」の有資格者は4名もいます。高橋氏自身も1級の有資格者であり、他のスタッフは代表に続けとばかりに、自らの意志で資格取得にチャレンジしていきました。高橋氏は、「『技術』は花を幸せにし、お客様の思いを最善の形にするために必要だと思っています。資格を持っていなくても花屋の仕事はできますが、自らの技術を推し量る目安の1つとして、フラワー装飾技能士の資格取得を推奨しています」と言います。

 店頭の小売業務では、誰に、どんな目的で花を贈るのか、花の種類やデザインの好みなどを会話の中から把握し、オーダーメイドのデザインとしてアレンジしていかなければなりません。もちろん、予算との兼ね合いも重要です。そうしたさまざまな要望に応えるためには、デザインする側の「引き出しの多さ」が物を言いますが、「そのためにも資格は有用」なのです。スタッフ1人ひとりの高い志とたゆまぬ努力が、ランキングナンバー1をキープする“選ばれる花屋”の根底にあります。

技術力を武器に、提案型の商品・サービスにシフト

 「お客様は花だけを買いに来ているのではありません。お客様との対話の中から個々人の背景をくみ取り、何が一番お客様の要望を満たすことができるか提案させていただいています。同じ種類の花でも、それを売る店側のスタンスや、デザインする人のセンスによって、まったく違うものができあがる花屋の世界。そこが、仕事の難しさであり、転じて、楽しさや魅力といえるのかもしれません」と高橋氏。

 同店は今後、これまでのように「お客の来店を待つ」、「注文が来るのを待つ」といったやり方から大きく方向転換し、自ら購買を仕掛けていく「提案型」にシフトしていくとのことです。季節や行事ごとにキャンペーンを展開して、販売促進にも力を入れるなど、スタッフの技術力をベースに次なるステージに向けて歩み始めています。「花の力を借りてお客様に幸せを売りたい……。これが私たちの究極の目標です。花を通して幸せと感動の輪を広げ、関わるすべての人々に、必要とされる存在になれればうれしいですね」と高橋氏は語ります。

会社概要

設 立:1994年7月
資本金:1,000万円
年 商:約6,000万円
事業内容:生花販売業(生花一般・ギフトフラワー・鉢物、プリザーブドアレンジ・造花アレンジ、ブライダルフラワー・葬祭花全般、フラワーデザインスクールほか)
従業員数:10名
所在地:栃木県宇都宮市長岡町48-1
TEL・FAX:028-627-5505

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