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【第22回】美容文化革命を社員とともに (株)プランセス 代表取締役 宇和川 浩示氏(千葉)(2012.09.26)

宇和川社長 (株)プランセス 代表取締役 宇和川 浩示氏(千葉)

 (株)プランセスの宇和川氏(千葉同友会会員)は長崎市出身の49歳の経営者です。地元の美容学校を出た後、19才で上京し美容師になり船橋市の美容室に13年間勤務。その後、1994年8月に、妻と友人の3人で同社を立ち上げました。

美容業を一生の仕事に

 美容業界は、一見華やかに見られがちですが、大変ハードな仕事です。20代、30代くらいまでは現場の第一線で働けるものの、その後、40代、50代と売上成績が下降線となる人が多い業種です。年数を重ねるごとに収入を上げていくためには、現場作業だけでなく部下の育成や店舗を運営管理する能力を発揮して行くことが大切です。美容師・美容業を一生の仕事として行くためには、一人ひとりが成長発展できる組織が必要です。

 宇和川氏はそうした組織をつくりたいと思っていましたが、まずは「お客様にとって満足いただけるお店」をつくらければ、と取り組み始めます。それまでの13年間の経験もありましたので自信はありました。最高の技術を提供することはもとより、接客の質を上げ、くつろげる雰囲気づくりとカスタマーファーストの精神にのっとったおもてなしのサービスを行うこと。そして、元気で明るく、活気のある店というイメージで、店名を「TAMTAM(フランス語で「太鼓」の意味)」と名付け、市川市真間(まま)に最初のサロンをオープンしたのです。

転機の2年目、労働環境を改善

サロンの様子1  設立当初からお客様に支持されてお店は大繁盛でしたが、社員は、中途採用で一人入っては一人辞めることの繰り返し。それでも客数の伸びに伴い社員数7名となり、一見順風に見えた矢先の2年目に転機は訪れました。社員が一人辞め、二人辞め、そして四人すべてが辞めるという非常事態に陥りました。

 当時は社員に対してお客さんの満足の追求を求め、そうすれば必ず自分たちも良くなると、経営陣の価値観のみを押し付けて、休みや待遇面は決して良くありませんでした。絶望感の中で宇和川氏は自分に問いかけました。「社員にとって、本当に良い会社だったのか?」。本当に良い会社であれば簡単に辞めない、それが自分で出した結論でした。その後、働きがいと喜びの持てるお店をつくることをめざして、社員と話し合う機会を多くするように心がけ、設立3年目より、社員たちとともに成長できる環境づくりを本気で取り組むようになりました。この転機を境に、社員は確実に増えていきました。

同じ目的に向かって

 美容サロンの運営においての要(かなめ)は何と言っても「人財」です。一人ひとりの社員それぞれ価値観が違い、役割も責任も違うもの。それでも、目的を成文化し、みんなが同じ目的を共有し、働くことを通じてともに成長し、日々成長の実感が得られる会社にしていきたいという思いから、15年前より、経営指針の発表、中期計画の発表をしています。10年ほど前からは、毎年全社員から10年後、20年後の自分はどうなりたいか、休み・給与・配属・人間関係などさまざまな問題を書いてもらう自己申告書を提出してもらい、社長面談をしています。

 2年前に知人に紹介され千葉同友会の市川浦安支部に入会。例会を通じて社長のロマンとビジョンを形にする経営理念の大切さを学び、自社の存在意義を追求し、人間性、社会性、科学性の重要性を説く原理原則の経営学を学びました。 
 
 また、昨年より同友会の先輩から教わり、毎月1回、社内報として「プランセス通信」を発行。今月の営業テーマを社長自ら書き、お薦め書籍の紹介、今月の研修会の予定、新入社員の紹介などを行い、社員とのコミュニケーションツールの一環として役立てています。今後も双方向での関わりができるような仕組みづくりを積極的にしていきたいと言います。

常に努力し考える集団に

サロンの様子2  今では毎年、5~10名の新卒採用ができるように求人活動にも取り組んでいます。社員が増え、お店の数が増えてくると、現場の声が経営者にはなかなか届きづらくなり、社長の力が及ばない場面がでてきます。そこから会社を組織化し、会社の理念を理解し、マネジメントのできる人材を育てる必要があります。

 2005年にはスタッフのスキルアップを目的に、「ライズスタジオ」を完成し、勉強会や講習会を行っています。マネジメント研究会と題し、同友会の市川浦安支部で学んでいる経営の原理原則を学ぶための基礎講座を、社長自らが担当して店舗運営や社員教育、組織運営を分業できる人材を育成するために開催しています。科学的な経営学はもちろん、理念に対する考え方、利益がなぜ必要なのか、社員教育のあり方などを学ぶ機会としています。

美容文化の革命を

 「『月に一度の贅沢から、週に一度の日常的なきれいを』をめざして、美容文化の習慣と価値観を変える『美容文化革命』を起こしたい。また、広く、多くの人に美容文化を通じて、美しさ、豊かさを提供したい。そのために多くの店舗を作り多くの人に喜んでもらいたい。ただ多店舗化のみが目的ではなく、多頻度で日常的な美しさを提供する。広い地域と広い客層の人に役立ち必要とされる企業となる。その夢に向かって、社員とともに成長発展し社会に貢献できる企業を目指したい」。宇和川氏の思いは気宇壮大です。

会社概要

設 立:1994年
事業内容:美容室の経営・化粧品の販売(千葉県内、東京都、茨城県内13店舗)
従業員数:60名(パート10名)
所在地:千葉県市川市真間1-14-8 
TEL:047-324-2624
URL:http://www.p-tamtam.jp

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