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【第43回】「自分の会社」から「あなたたちの会社」へ (有)谷田建設 代表取締役 谷田 政行氏(佐賀)(2013.02.20)

谷田社長 (有)谷田建設 代表取締役 谷田 政行氏(佐賀)

 (有)谷田建設(谷田政行社長、佐賀同友会会員)は土木建設工事、クレーン作業一式、産業廃棄物処理業、解体工事業、浚渫工事、管工事業、水道施設工事と幅広く事業を展開している会社です。

安定的な経営のため、圃場整備の仕事からの脱却を目指す

産業廃棄物処理  1971年に父親の先代社長が谷田重機として創業。時代背景に、田中角栄氏による日本列島改造論がうたわれ、農地改良の圃場(ほじょう)整備事業がありました。圃場整備の仕事だけが主では安定した仕事ができないため、1年を通して人を雇えない、技術を教えた社員がやめていくなど、人の採用で苦労していました。「当時は、イエスマンの社員を求めていた」と谷田氏は言います。

 同業者の建設会社社長から産業廃棄物の話を聞いたことが転機になり、谷田氏は新たな事業展開を目指します。最初は収集運搬の下請け業者としてスタートしました。しかし、社員との間に「建設業は物を造るという喜びがあるが、廃棄物処理業は物を壊す」「3K」という価値観の違いが出てきました。

 従業員の意識が落ちるのを避けるため、谷田氏は会社の理念を伝え、「社会のため、お客様のためという意識と仕事の誇りをもつこと」を教育して、社員との信用・信頼、そして仕事の価値観の共有を図っていきました。「お客様からのクレームも会社を一つとするチャンスと捉え、従業員とともにお客様・関連会社との協力体制を整えていった」と谷田氏は語ります。

 下請けから独立事業への転換を図るも設備投資が必要で、谷田氏は父親の考えと相違し別の会社を立ち上げました。新たな銀行との取引、資金調達には苦労しましたが、それ以上に大変だったのは産業廃棄物の機械の設置場所でした。設置場所はその地域の信頼を得なければなりません。そのために地域へ積極的にとけこんで、信頼を獲得しました。建設部門は安定を目指し、下請けから元請け業者に転換(市・県から発注を受けるように)しました。

先代社長が亡くなり同友会と出合う

作業の様子  先代が亡くなり、建設部門と産業廃棄物処理部門の両方を谷田氏一人で見ることになりました。運搬・営業・処分・建設・総務の五つの部門がバラバラで、社員とのベクトルを合わせることが難しくなっていました。社員と一丸となって対応する会社づくりが急務になってきたのです。谷田氏は、「よい経営者にならなければ会社の存続は難しい」と思うようになりました。

 経営理念の作成が必要だと思っていたところ佐賀同友会との出合いがあり、2007年2月に入会し、経営指針成文化セミナーを受講しました。安定を求めていましたが、「何のための会社か」「会社の存続する意味」「社会の役に立つ会社なのか」。どんな業種でも経営理念・経営指針がはっきりしていないとだめであると教えられ、そのときから理念の作成が始まりました。

 理念の浸透のために、「1.部門毎に唱和、2.お客様との関わりの中で起こったことを理念と照合すること」を実行していきました。
経営理念を実行するために、社員をパートナーと言える会社にしていきたい。そのためには社員のやる気をどうやって引き出すか。そして、谷田氏は気づきます。小さな成功体験を積み重ねることが大切だと。

 みんなの意識づけになると思い、女子事務員に事務所改善のプロジェクトリーダーになってもらいました。そして下記のような課題について皆で話し合い、自分たちで考えて事務所づくりをすることになりました。その結果、皆で作り上げた事務所改善ができ、担当事務員にも成功体験をしてもらうことができました。

<課題>
・お客様が満足できる事務所づくり
・すっきりしている事務所内
・受付が迅速にできる、気持ちの良い受付
・お客様と目線の高さを合わせる受付
・大事に行ってもらう接客態度
・駐車場の確保

議論を重ねることで自主性が生まれた

 5S*活動については、各部門から部門長以外の中核の人を1人選任して委員長を決め、同社の中で各部門、どのようなことをしていくか、会議を重ね、徐々に改善していきました。参加者から、本来の仕事を抜けて会議や5S活動をすることに異論が出てきましたが、さらに部門会議を行っていくなかで目標を設定する声が上がるようになり、今では現場で気づいたことが谷田氏まで報告されるようになっています。

*5Sとは、整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketu)・躾(Situke)の頭文字Sをとったもの

経営理念

 私達は、仕事を通して循環社会に貢献し、技術を生かし真心と誠心誠意をモットーに、安全・迅速・確実な事業活動を行い、お客様に喜びと感動を与え、社員の幸福を確立する

会社の指針

谷田建設は何のためにあるのか?
 人を幸せにし、自然をたいせつにする
そのためには
「資源を大切にし、環境型の構築を行い、お客様に満足・感動を提供し、地域の信頼を得る。」
そのためには、
 「お客様の事を知り、法律の遵守を行う。」
そのためには、
 「知識を養い、知恵を出し、汗を流し、技術の向上を続けます。」
すべては、輝く明日の日本を創造するために。

会社概要

設 立:1989年
資本金:500万円
事業内容:
1.土木建設工事の設計施工及び請負
2.クレーン作業一式
3.産業廃棄物処理業
4.解体工事業
5.浚渫工事
6.管工事業
7.水道施設工事
8.前各号に付帯する一切の業務
従業員数:19名
所在地:佐賀県佐賀市大和町大字久留間3180-4
TEL:0952-62-7888
URL:http://tanida21.co.jp/

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