シリーズインデックス:共に育つ

【第45回】一人ひとりの人生が輝く場所を社員とともにつくる (株)美創 代表取締役社長 田中 芳和氏(熊本)(2013.03.13)

田中社長 (株)美創 代表取締役社長 田中 芳和氏(熊本)

使命感は「明るく活気ある地域社会の創造」

管理している店舗  (株)美創(田中芳和社長、熊本同友会会員)は、不動産取引、商業施設の設計・施工・店舗企画、テナント募集、運営・管理・メンテナンスまでをワンストップで行う会社です。飲食店・美容室・物販・クリニックなど、店舗コンセプトを基本に、立地、デザイン、コストなどクライアントの要望をうまくマッチングさせ、常に“繁盛店づくり”のためハードとソフトの両面からサポートしています。

 企業の使命感は、自社のコアコンピタンスを生かし、明るく活気ある地域社会の創造に努めることです。

私がやるしかない

 田中氏は、1988年25歳のときに大阪の企業を辞め、縁あって創業10年目の美創に入社しました。マンション分譲の担当となりましたが、経験も無いため、購入客を装って各ショールームを回るなどゼロからの出発でした。

 その後テナント部門、福岡支店長、東京支店長を務めますが、その間会社はバブル崩壊や平成不況の荒波にのまれ、大きな組織変更とともに副社長に就任、戦略転換を余儀なくされます。そして、2009年1月に「このままでは倒産する。何かを大きく変えなければいけない」と腹を決め、社長に就任しました。ひたすら仕事をとり、資金繰りを行い、難局を乗り切るのに必死でした。

「経営指針を創る会」で気づいた経営者の責任

 同友会との出合いは、会員だった先輩から誘われ、支部例会に顔を出すようになったことです。先輩が経営指針作成の実践事例を報告したのがきっかけで、2010年5月熊本同友会の「経営理念塾」に参加。「何のために経営するのか」との問いかけが胸に突き刺さりました。さっそく、6月からの「第14期経営指針を創る会」受講しました。同友会先人の叡智を学ぶことで、経営者の責任とは何か、何を考え、何を行動するのか「王道」がはっきりしたことで、経営者として取り組むべきことをつかみました。

「企業変革支援プログラム」を全社員で実践

 「経営指針を創る会」で出合った中同協発行の書籍「企業変革支援プログラムステップ1」をさっそく実践した田中氏。自社の健康状態は労働環境の整備のカテゴリーが低いものでした。そこで、幹部社員13人にも記入してもらったところ、「ぜひ全社員でこれをやりましょう」と提案が出ました。全社員が記入した結果は、社長と同じく労働環境のカテゴリーが低く、それに加えて対等な労使関係も低いという数値が出て、社長との認識のギャップも明らかになりました。

 そこで、特に数値差の大きかった社員から個人面談を開始し、社内の現状や社員の気持ちを聞くことに努めました。そして、管理本部の幹部と共に時間外労働の自己申告システムの整備や役職規定の整備に着手。さらに環境経営に取りくむ一環として、「同友エコ」にも挑戦して3年目になります。

 2012年6月には、商業ビルに特化したサービスである「ファシリティ・サービスに衛生管理を付加したビルイノベーションでにぎわいの街づくり支援」に対して、熊本県から経営革新の承認を得ました。これに挑戦できたのも同友会の研修セミナーのおかげでした。

「共育ち」の場として同友会を積極活用

朝礼  これまでの経験を支部例会で報告する機会を得た田中氏は、例会参加を社内に呼びかけたところ、17人の社員が自主的に参加しました。その後も経営研究集会や専門委員会の例会など、社員の育成に同友会を活用し続けています。「もともと人は変わる能力を持っているが、環境次第で決まる、との思いがあります。同友会はその環境ができている『場所』だととらえているので、社員を積極的に参加させています」と田中氏は言います。

 また毎週月曜日の全体朝礼では、本社、支店、工場の社員が集まり、社員の進行のもと、「社是」「経営理念の唱和」に始まり、業務連絡や社外研修報告など全員が発言し、情報の共有とコミュニケーションを図っています。

清掃  毎朝の会社周辺の清掃も続けて3年近くなりますが、周囲の状態と参加人員を観察し、清掃の戦略を組んでいます。「次にどんな道具を用意すれば限られた時間内に終わるかを考える」。これは仕事の戦略を組む上でも生かされています。

同友会は恩人

 現在同社では、6部門に11人の部課長をおく社内体制ですが、部門を越えたチームがあり、社員がリーダーとなるよう出番をつくっています。また、熊本同友会の「社員共育大学」に3期連続で5人の幹部社員が社長とともに受講しました。他社の同期生とは今でも交流があり、「良き友、ライバルを得たことも社員の成長につながっている」と田中氏は喜んでいます。

 最近「社長は同友会で変わりましたよ。同友会は恩人ですね」と社員が話していたと親しい会員から聞いた田中氏。「うれしい反面『やはりあのままではいけなかったんだな』と反省しました。何のために生きているのか、会社は何のためにあるのか。成長できる環境を社員とともにつくることで、一人ひとりの人生が輝ける場所をめざしています」と田中氏は語ります。

会社概要

創 業:1978年  
資本金:4500万円
年 商:15億9,000万円
従業員数:役員3名、社員37名  
事業内容:不動産取引、商業施設設計・施工・店舗企画、商業ビル企画・運営・管理、店舗オークション事業、ソリューションウォーター販売
所在地:熊本市東区尾ノ上1-7-18
URL:http://www.bisou.co.jp/

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