シリーズインデックス:わが社の経営理念

【第2回】「飛騨の匠」の心意気で業界全体の底上げを図る (株)シモダ道路 代表取締役 下田 徳彦氏(岐阜)(2013.04.24)

下田社長 (株)シモダ道路 代表取締役 下田 徳彦氏(岐阜)

 運動場などの整備に使われるT字形をした整地用具「トンボ」。この道具には「飛騨の匠の心意気」が込められています。(株)シモダ道路(下田徳彦社長、岐阜同友会会員)は、舗装道具「シモダトンボ」で活路を切りひらいてきました。

現場の声から生まれた舗装道具

シモダトンボ  下田氏は大学卒業後、東京にある舗装関係の会社に就職しましたが、父である先代社長が体調を崩したことで高山に戻ることになりました。地元の同業社にて5年間修業した後、専務として(株)シモダ道路に入社、32歳で社長に就任しました。ところが3年後の2003年、主要な得意先の倒産に遭って多額の負債を抱えることになり、「正直、会社を整理しようかという思いも頭をよぎった」というほどの大打撃を受けました。しかし、この会社で仕事がしたいという社員の気持ちに押され、下田氏は、「やるしかない」と決意します。

 まずは負債処理のために、融資を受けなければなりません。銀行から、改善計画書の提出を求められました。改善するには強みを伸ばしていくしかないと思うものの、同社はどこにでもある小さな舗装工事屋。強みなんてあるのかと自問自答するうちに、「シモダトンボ」に思いが至ります。調べてみたところ、当時、1,000社ほどあったお客様のうちの7割が、「シモダトンボ」を繰り返し買って下さっているリピーターだったのです。

 「シモダトンボ」は、下田氏が入社する以前に先代社長が開発した舗装道具。使用場所に合わせられる無段階伸縮式、握りやすさを考慮した小判型の断面、グリップに内蔵された清掃用刃物スクレーパ、木製、スチール、ステンレスと自由に選べる引板など、職人さんの使い勝手と安全性を最優先に考慮した工夫が、随所になされています。そしてもう一つの大きな特徴は、だれでも簡単に修理ができること。ローラーに踏み潰されたり機械にあたって柄が壊れたりした際、壊れた部分だけを修理できます。長く使ってもらえる愛着ある道具づくり。これこそ、「使い捨ての量産品にはない飛騨の匠の心意気」であり、同社のものづくりにおける大きなこだわりなのです。

 下田氏は、さっそく「『シモダトンボ』で会社を立て直す」という改善計画書を作成し、「これがうちの強みなんです。これで会社を必ず立て直します。猶予を下さい」と金融機関に訴えました。「潰れてなくなったかもしれない会社なのだと思えば、恥も外聞もない。やれることは何でもやって会社を立て直す。支店長には『何を言い出したのか』というような顔をされましたが、とにかく必死で頼み込みました。これまでの関係も幸いし、融資の許可が下りた。それから私も自ら『シモダトンボ』を持って全国を回り、結果、5年ほどで借金返済のめどがつきました」と下田氏は言います。

困りごとは、どの現場も同じはず

社屋  「もともと、何とも言えないしがらみがある業界なんです」という下田氏。技術で勝負しようと思っても、公共性が高いために、力がある会社、実績がある会社が仕事をとっていってしまう。しかし、道路のアスファルト舗装は、住民一人ひとりの足もとの安心・安全確保が目的です。ならばなおのこと、地域の同業者が仕事を奪い合うのではなく、力を合わせるべきではないのかと考えた下田氏は、2009年5月、販売部門を独立させる形で、新会社(株)アイデア・サポートを立ち上げます。

 この会社の基本方針は、舗装現場で働く人の「困った」を改善し、「良かった」を共有するための手助けをすること。住民の足もとを守るには、自分の会社でよかったことも失敗したことも、いち早く情報を流すべきではないか。例えば北海道のような寒冷地で、こういう舗装をしたら不具合が出てきたという情報が入ってくれば、いち早く飛騨で生かすことができるわけです。「全国に支店を持っているような大会社は違うかもしれませんが、実際に工事を行うのは、うちぐらいの規模の下請部隊。だから地域を越えて、どんどんつながりを持っていくべきなのです」と下田氏は言います。

安心・安全な道をつくるために

 本業である舗装工事を行う(株)シモダ道路と同業他社を助ける(株)アイデア・サポート。一件相反するこの2つの会社のキーワードは「つながり」です。「お互いがよきライバルとして切磋琢磨できるような関係にしていきたい」。会社の目指すべき方向が明確になった下田氏は、経営理念を新しく作り直しました。

【(株)シモダ道路・(株)アイデア・サポート 経営理念
1.私たちは「飛騨の職人魂と技」で人をつなぐ世界の道づくりに貢献します
2.私たちは「足もとクリエイター」として心をつなぐ明日のまちづくりに貢献します
3.私たちは「学びと成長」を通して笑顔があふれる人生を築いていきます


 業界全体の舗装技術の向上、現場の安全性の確保、作業の効率化を図っていけば、日本の舗装技術の向上にも寄与できる。ひいては、世界中の道づくりに貢献できるのではないか。
大きな夢の実現に向けて、シモダ道路とアイデア・サポートは、共通の理念をもとに、皆さんの足もとの安全を守るため地道に歩んでいます。

会社概要

(株)シモダ道路
創 業:1968年
設 立:1981年
資本金:1,600万円
業務内容:舗装工事、土木工事、産業廃棄物処理業、実用新案、特許の保有利用、除雪業務委託(冬期)
所在地:岐阜県高山市片野町2108
従業員数:10名
TEL:0577-34-6656 
FAX:0577-35-1371 
e-Mail:nori@shimoda-douro.co.jp
URL:http://www.shimoda-douro.co.jp/

(株)アイデア・サポート
創業・設立:2009年
資本金:600万円
業務内容:舗装道具の開発・製造・販売・舗装に関する情報サービス・環境保全事業・知的財産の保有・活用・保護・舗装に関する様々なリサーチ・移動販売車による出張サービス
所在地:岐阜県高山市片野町2108
従業員数:4名
TEL:0577-57-7756 
FAX:0577-57-7757

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