シリーズインデックス:わが社の経営理念

【第30回】更新していくことで会社が変わる! ワコウクリーンサービス(株) 代表取締役 吉武 恭介氏(徳島)(2013.11.20)

吉武社長 ワコウクリーンサービス(株) 代表取締役 吉武 恭介氏(徳島)

社屋外観  吉武恭介氏(ワコウクリーンサービス(株)、徳島同友会会員)は、大学卒業後名古屋で就職し、重機の研究開発をしていました。業績悪化に伴い、リストラで同僚が退社していくのを見て、「会社の在り方を考えさせられました。そんなとき、会社を経営する父親が入院。両親が経営する会社を継ぐつもりはなかったのですが、母親が看病と会社での両立でを気丈に振舞うのを見てこのままではいけないと思い、自分のためにも帰る決心をしました。

同友会との出合いと経営指針の作成

 入社当初は、経営者として何をしていいのか分からず、リーダーとしての構えもわからない。「なぜ会社が存在しているのかさえわかりませんでした。両親がしている仕事を引き継いだ感覚でした」と吉武氏。また、社員は仕事が終わるとすぐに帰宅し、現場へ直行直帰するパート社員も多いため、あまり日常会話もなく、帰属意識も低いように見えました。クレームが発生しても自分は関係ないかのように知らん顔をするように見える社員に、どう接していけばいいのか悩みました。

 そんな中、知り合いの勧めで徳島同友会へ入会しました。同友会の目的も知らず、しばらくは例会の案内があると参加する程度。「よい報告が聞け、他の会員さんが学び実践していることに感心しますが、積極的でなく静観すると言った感じでした」と吉武氏は言います。

 入会して1年が経ったころ、同友会でそれまでの「経営指針を創る会」から変わった「経営指針実践塾」の第1期生として参加し、経営理念の重要性に触れました。「半年後に経営指針を成文化したときは、目の前に一筋の光が見え、まるで子どもが生まれたように感じました」と吉武氏。初めての経営指針書では組織図を入れ、簡単なようですが「あいさつ」を目標にしました。組織図ではそれぞれの役割が分かるよう工夫しました。

 このときから、「理念を見て、将来が見えてきました」という社員の存在に気づきました。社内では仕事に関するさまざまな研修を実施し始めました。何のために参加しているのかが分かり、参加することに喜びを感じ、「勉強が面白い」という社員が出てきます。「あいさつも積極的になり、お客様からのお褒めの言葉が増えました。最近はリーダーを通して、現場が見えるようにもなってきました」と吉武氏。次年度の経営指針書では、組織図を社長がトップの「階層型」から、円の中心に地域やお客様を置いた「相関図」へ変更したことで、それぞれの役割に加え、他部署との仕事の関わりが分かり、お互いの協力関係が築けるようになりました。

定例会議「朝会」

朝会  定期的な会議も位置づけ、毎週火曜日に「朝会」を始めました。業務上、早朝からの清掃現場や廃棄物収集、離れた場所の中間処理場などがあり、全社員で集まることはできません。そこで初めは営業リーダー1人の参加としたところ、次にリーダー全員とドライバーももう1人と、序々に時間を繰り合わせ参加するようになりました。吉武氏が不在でも、社員が責任を持って実施しています。「朝会」では理念の唱和の後、輪番制で仕事の進め方や報連相などについて発表し、申し送り事項の確認、お客様からのクレームや喜びの声の共有をしています。特に社員間での感謝を称えあう「ありがとうカード」の発表は、1週間の出来事を振り返り、感謝することで信頼関係を深めています。吉武氏は「いままで『朝会』ができなかったのは、自分の思いこみであったことに気づきました」と言います。

 指針成文化4期目となる2013年度は、10年後のビジョンを掲げ、社員と将来像をより具体的に共有し始めました。「経営方針発表会」では、それぞれの部門で目標を立て、各自で発表を行いました。「また、行動規範の策定、安全運転のルール改定を社員と一緒に進めており、それぞれが主体者として会社に関わっていることを実感するようになりました。方針がしっかりしていないと、社員の立てた部門目標と会社方針との整合が大変であることに気づきました」と吉武氏は振り返ります。

理念と仕事

サービスカー  創業以来、官公庁の案件に弱く、法人向けの仕事がほとんどであることが弱みと考えていました。しかしこのことを逆手に、数年前より増えている県外からの個人向けへの問い合わせに力を入れるようにしました。それは、親元を離れているご子息から、親御さんが住んでいる実家の清掃や不用品の回収依頼です。依頼主とは直接会ってお話しすることが難しいため、ホームページをリニューアルして、理念でもある「顔の見える安心感」を強調したり、電話応対や仕事の説明方法など、経営指針書を軸に社内会議で話し合ったりしています。あるとき「この仕事は当社の理念ですね」と社員から言われ、理念と仕事が一致していることが理解されていると確信しました。「片付けを通して親子の交流を深めてもらいたい」との思いで、皆ワクワクしながら会議を重ねています。

自社の実践と同友会の実践運動

 経営指針を成文化して4年目。毎年そのときどきの自社に応じた目標を持って更新することで、社内が見え、外部環境の変化や課題も見え、変化の足跡を実感できるようになりました。また会社が進むべき方向の確信も同時に深まりました。今期より同友会の「経営指針実践塾」の塾長を任された吉武氏は、「経営指針は作ってからがスタート。毎年更新することで自社も確実に変化してきた経験に確信を持ち、実践運動を進めて行きたい」と語ります。

経営理念

安心して快適に暮らせる環境を未来へ受け継ぐ
一、かかわり合うことでお互いに成長します。
一、環境を通して活き活きとした地域を創造します。
一、人の繋がりを通して地球環境に貢献します。

会社概要

設 立:1974年
資本金:1,000万円
事業内容:ビル清掃業務、ビル管理業務、廃棄物収集処理業務
従業員数:24名
所在地:徳島県徳島市中前川町5丁目一番地の254
TEL:088-626-2639
FAX:088-626-2638
URL:http://wakou-cs.co.jp/

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