シリーズインデックス:若者がいきいき働く企業へ

【第5回】未来の経営者候補とともに(株)平塚建具製作所 代表取締役 平塚 勝也氏(北海道)(2014.04.30)

平塚社長 (株)平塚建具製作所 代表取締役 平塚 勝也氏(北海道)

 平塚勝也氏((株)平塚建具製作所 社長、北海道同友会会員)は大学卒業後、大手ハウスメーカーに勤務していました。ある日、支店長としてはりきって仕事をしていた平塚さんのもとへ父の会社の番頭さんがやってきます。「社長が体調不良で、息子であるあなたが戻らないと会社が潰れる」と口説かれ、13年務めたハウスメーカーを退社し、1994年に専務として入社しました。社長になったのは2001年です。北海道同友会には1995年に入会しました。

社員とともに~売り上げ8割減からの復活

社屋  社長に就任してから6年目の2006年に会社存続の危機を迎えます。受注先の大手サッシメーカーが吸収合併され、8割以上の売上を一気に失うという事態に直面したのです。会社存続の方法として最初に頭に浮かんだのは会社の規模縮小でした。「しかし、会社と社員を守るために戻ってきたので、社員を簡単に辞めさせるという選択はしませんでした。逆風に直面しているからこそ『幸せを創造する 平塚建具製作所』という一文で始まる経営理念を貫き通しました」と平塚氏。運よく2004年に銀行への借り入れ返済も終わっていたことから、新規投資に踏み切ることができました。合併されたメーカーの退職者に入社してもらい、新たにに2つの営業所を開設しました。社員とともに全社一丸となって努力した結果、2009年にはメーカー合併前の売上と利益を上回る業績を残すことができました。

新人社員が採用担当に

 平塚氏が大学生の新卒採用を決意したのは2006年。それまでは中途採用と高校生の新卒を採用していましたが、離職率の高さや教育の難しさから大学生の採用に移行しました。本格的に採用を始めた2009年から同友会の共同求人活動に参加しています。以来、今日まで大卒の複数名採用を毎年続けています。「合同企業説明会に初めて参加したときは何をやっていいのかわからず、共同求人活動を勉強するためにすべての合同企業説明会に足を運びました」と平塚氏。

 2009年からは新人社員が採用を担当し、合同企業説明会などで会社説明をしています。1人で説明会に参加していた平塚氏の手伝いとして参加したのが始まりでした。しかし、平塚氏の会社説明を聞くうちに、新人社員も会社の説明ができるようになっていきました。彼らにとっては自分の仕事を見つめ直す貴重な機会になっています。また、説明を受ける学生にとっては、1年後の自分の姿を彼らに重ねることができます。「何よりも大きかったのは、経営者の会社への想いを新人社員が目の当たりにし、それを受け入れることができたことです。新人社員が採用を担当することは社員教育、そして経営理念の浸透につながることに気づきました」と平塚氏は言います。

未来の経営者候補たちが会社を変える

 「次期経営者を探している。その覚悟がある人がほしい」。自身の後継者をすでに指名し、その次の社長候補を求めている平塚氏は、そのように学生に説明しています。さらに平塚氏には「本採用する前にインターンシップを行うので社長面接は特別行わない」という採用の秘策があります。それは、インターンシップ中に一番接触することが多い百戦錬磨のパートさん、そして将来の同僚たちが、現場の目線で採用予定者の仕事に対する意欲やコミュニケーション能力を的確に判断すること。現場から「ダメ」との判断が出たら不採用です。同社では、新入社員からパートさんまで、自社で働くすべての人たちの能力を最大限に生かし、働く人が幸せになれる会社づくりを進めています。

 大学生の新卒採用を始めてから、職人気質の現場がチームワークを意識した体制へと変化していきました。先輩社員が新人をサポートする「エルダー制度」も導入し、それまでなかった社員同士の飲み会も開催されるようになり、新人社員の定着率が向上しています。新人社員が朝礼で元気よく大きな声を出すことに周りの社員も引っ張られ、今では活気に満ちた朝礼になっています。若い力が会社を明るい雰囲気に変えていきました。
社員の皆さん

プレゼントを胸に

 平塚氏は社員を同友会の研修会はもちろんのこと、さまざまな研修に送り出しています。「研修会は私から社員へのささやかなプレゼントです。だから受け取ってほしいと言って送り出しています」と語る平塚氏。研修会で得られるものは他社で働くことになっても通用します。研修は会社のためではなく、参加する社員自身のものなのです。

 中学校の体育館を改築した本社工場の応接室を訪ねるには工場の真ん中を横切らなければなりません。工場に入ると、作業中の皆さん全員が作業の手を休め「いらっしゃいませ」と元気な挨拶が返ってきます。そこには平塚氏の想いの詰まったプレゼントをしっかりと受け取った社員の明るい笑顔があふれています。

経営理念

幸せを創造する 平塚建具製作所。
平塚建具製作所は、関わるすべての人々の幸せを大切に考えます。まずは社員の幸せを。
幸せな社員はお客さまを幸せにし、その周りの社会全体にも幸せをお届けします。
幸せの連鎖で社会に貢献するのが我々の使命です。

会社概要

創 業:1957年
設 立:1990年
事業内容:樹脂サッシ、アルミサッシ、フロント、トップライト、カーテンウォール、鋼製建具の設計、製作、施工
従業員数:45名
所在地:北海道樺戸郡月形町1055
TEL:0126-53-2319
URL:http://hiratsuka-tg.com/index.html

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