シリーズインデックス:若者がいきいき働く企業へ

【第18回】 社員や地域にとって魅力ある企業へ(株)牛越製作所 代表取締役 牛越 弘彰氏(長野)(2014.08.06)

牛越社長 (株)牛越製作所 代表取締役 牛越 弘彰氏(長野)

社屋  (株)牛越製作所(牛越弘彰社長、長野同友会会員)は、先代である父親が1981年に創業。設計から加工、組み立てまでを一貫して行う製造業の2代目として1993年に入社し、5年後には26歳の若さで社長を引き継ぐこととなりました。

 社長就任して3年目の2001年にITバブルが崩壊、受注量が激減し、会計事務所から「このままでは会社が無くなるよ」との指摘を受けました。「何のために仕事をするのだろう?なんで社長になったのか?社長の子供だから?」厳しい状況下で自問自答する中で、「子どもが自分から入りたいと思う会社にしたい」との大きな目標を抱くようになります。

 経営指針を成文化・実践を通して企業革新を全社的に進め、社員数も継承した当初の7名から43名まで成長をとげました。

素直さ・謙虚さを重視した人材採用へ

 同社が新卒採用に初めて着手したのは2006年。それまでは中途採用のみで、異業種からの未経験者の採用が大半でした。「どうせ未経験者を採用するのであれば、新卒採用に思い切ってチャレンジしてみよう」と決意し、経営指針に盛り込み、地元の高校を細かに訪問しました。「知識や技術は入社後に習得してもらえば良い。採用にあたって最も重視したことは『素直さ・謙虚さ』です」と牛越氏は語ります。

 新卒採用を計画的かつ継続的に行うことで、社員の意識や考え方にも変化をもたらし、結果として団結力が育まれ、企業体質強化にもつながっていきました。

違いを認め、共に育ち合う社風へ

 新卒者は、入社3カ月間各部署をローテーションし、4カ月目から配属が決まり、配属先では必ず教育担当者を1名つけるという社内教育システムを確立しています。教育担当者は、マニュアルを重視した画一的な教育ではなく、相手(新入社員)に関心を持ち、個々の能力・特性を見いだすことに主眼をおいた柔軟な対応が求められます。

 どんなに正しいことでも相手に伝わらなければ意味が薄れてしまいます。価値観を押しつけるのではなく、相手の目線に合わせた伝え方を意識することで、互いが認め合える社風へ徐々に変化していきました。「まっさらな社員が入社することで、教える側の先輩社員の人間力が大きく向上した」と牛越氏は嬉しそうに言います。

雇用の場の確保は中小企業の使命

 3年前から長野同友会の共同求人委員長を務めることになった牛越氏。ちょうど時を同じくしたころの採用活動で、これまでにはなかった大きな変化がありました。モノづくりの現場での募集にもかかわらず、女性ばかりがエントリーしてきたのです。本来就きたいと願っていた職種の求人が、地域の中に限られてしまっていたことが大きな要因でした。

 長野県は99%が中小企業であり、若者の雇用の場の保障は中小企業としての大切な使命です。「若者が夢や希望の抱ける企業づくりをしていかなければ、人材は地域からどんどん流出してしまう」と牛越氏は強い危機意識を抱きました。

社員が自分の子供に誇れる会社へ

 事業承継した当初は、「子どもが自ら入りたい会社と思う会社にしたい」という大きな目標を抱きましたが、今では「社員も自分の子どもを牛越製作所へ就職させたいと思える会社にしたい」との大きな夢を持っています。「社員が自ら携わっている仕事に誇りを持ち、家族にも自らの仕事を誇れる、そして家族にも認められる会社を目指しています。高い士気と自主性・主体性が充分発揮できる環境を整えることが、経営者としての最大の使命」と牛越氏は語ります。

 もうひとつの大きな夢は、「中小企業で働くことの魅力を発信し、中小企業に対する正しい認識を地域の中に広めていくこと」です。そのためにも、同社を含めて「若者にとって魅力ある、働きたいと思ってもらえる企業を地域の中に1社でも多く増やしていくこと」が必要不可欠であり、長野同友会の共同求人活動を一層強化していきたいと願っています。

 2つの大きな夢の実現に向けて、これからも牛越氏は走り続けます。
社員の皆さん

会社概要

設 立:1981年
資本金:2,400万円
事業内容:精密部品加工、試作・研究部品の製造
従業員数:43名
所在地:長野県岡谷市田中町2-8-11
TEL:0266-22-5875
URL:http://www.ushikoshi.co.jp/

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