シリーズインデックス:若者がいきいき働く企業へ

【特別版】出逢いを大切に まごころ(志)で奇跡をおこす (株)あおば 代表取締役 宇田川 真由美氏(茨城)(2014.09.24)

宇田川社長 (株)あおば 代表取締役 宇田川 真由美氏(茨城)(2014.09.24)

(第17回女性経営者全国交流会報告集より転載)

はじまりは母の一言から

 当社は、2001年1月に有限会社を立ち上げて、開業しました。訪問介護・通所介護、ケアマネージャーの事業所、福祉タクシー、当社の母体である、あおば美容室、キッチンあおば、そして建物に併設されている教室という形で、介護と美容の融合を目指して活動しております。

 2001年1月、母から介護をやりたいと言われ、母を代表取締役に私と妹の3人、自宅の7.5畳を訪問介護事業所として、ここから始まりました。最初は2名のご利用者さんから入り、少しずつご利用者さんが増えていく中で、ママ友で知り合った主婦にヘルパー2級持っているかと声を掛け、ご近所さんやママ友のママ友という形で仲間を増やしていきました。

仲間を増やしたい!養成事業を開始

 2002年、もっと仲間を増やしたいということで、訪問介護もやりながら、ヘルパー2級を取る養成所を作ることにしました。この時期に主婦であるスタッフに合わせたシフトの見直し、雇用契約に関しても当社独自のルールを導入してヘルパー規約を運用していました。

 2003年3月、スタッフの人数も増え、建物を借りて自宅から表に出ました。子どもの遊ぶスペースを作って、共同作業で仕事と子育てが両立できる場所を作りました。養成校も波に乗り、訪問介護も動かしつつ、車に折りたたみベッドを積み込んで、運搬は自分でやりながら、移動教室も行っていました。2004年、さらに事業所を広げることになりました。NPO法人の立上げにも携わり、さらに障がい者の訪問介護を開始しました。

 この時期に訪問介護の方も、それなりの数になり、管理者の育成を始めましたが、家庭と仕事の両立のバランスから管理者育成は失敗に終わってしまいました。女性は家庭が一番大事ですから、自分が諦めなければならないという壁にもぶつかっていたと思います。その主婦たちを守れない自分の器の小ささを感じたのも事実でした。

人生の転機

 そして、2005年、順調に来ていた自分の人生の中で、転機がやって来ました。会社も大きくなり、周りが順調に動き始めた中、突然夫の死と向き合うことになります。「ご主人が亡くなられました」という電話が入り、何が起きているのか分からず、戸惑う中で時間が過ぎて行き、我に返ったときには目の前に夫の遺骨があるという状態でした。

 夫の死から立ち直るか立ち直らないかというところで、今度は会社の右腕左腕だった人たちが、次々に退職していきました。近くに新しい施設が立ち、同じ仕事の内容で、福利厚生が整っていて、収入が安定しているとなれば、勝ち目はありませんでした。

 そんな中、もう一つの転機となる出来事がありました。茨城県から北欧への視察メンバーに選ばれたのです。夫を亡くして間もない時期でしたが、子どもたちに背中を押され、参加を決めました。10日間という研修期間は頭の中を整理する時間にもなり、戻ってからすぐに福祉タクシーを開業しました。

 そしてこの時、妹の退職と言う出来事がありました。妊婦となり、産後に復帰もしてくれましたが、やはり子育てとの両立は厳しいということになってしまいました。この時期に社会保険に入り、福利厚生を確立して安定した職場づくりにはげみ、社内にも担当部署をつくって、仕事を分担していきました。

(株)あおばへ事業拡大、大きなチャレンジ

 2009年は大きなチャレンジの年になりました。有限会社から株式会社になり、母が倒れるという事件もあり、自分が代表という形でしっかりと会社を守っていくことになりました。また、この時期に会社の規模をさらに拡大しました。パート社員を正社員に昇格し、経理をスタッフに任せることにしました。自分と同じ方向から業務を見られる仲間を増やしたことで社員の意識改革にもつながりました。社会保険労務士を入れて、就業規則の見直し、ミーティング・社内研修を強化しました。朝礼はすべての部署から代表者を1名ずつ出して、「その日の報告をして下さい」というところから始めました。このとき、スタッフは「仲間」から同じ方向を向く「同志」になっていました。この時期に同友会に入会し、異業種経営者の話を聞いて、それが心強い支えとなりました。

コミュニケーションとスキンシップ

 当社の一番のモットーはコミュニケーションとスキンシップです。スキルももちろん大事ですが、モチベーションが一番仕事に影響します。「あおば」ではどんなにつらくても「朝は一番良い笑顔で挨拶をしましょう」と言っています。また、管理者ミーティングや社内研修については、同友会からヒントを得ました。各部署のグループをシャッフルし、顔を見合わせて一緒に考えることで、社内コミュニケーションが生まれました。

仕事の原点は笑顔・自己実現の現場としての「あおば」

 そして、仕事の原点は笑顔です。単純なことですが、笑顔から楽しいが生まれ、楽しいは好きを生み、好きは意欲を生み、発想が出てくる。そして発想を実行できたら本気スイッチが入る。採用面接をすると、皆さん「人の役に立ちたい」というのですが、そう言っていた人が指示を出すまで動かない。実行ができていないんですね。その環境を打破するために、想いを実現する場をつくる、それが私の仕事だと思っています。私は「できるか」「できないか」で考えず、「やるか」「やらないか」で、物事を考えてやってきました。それが今につながっていると思います。

 私の求める「あおば」は自己実現の場であり、財産は「人と人」、「出逢い」。そして、商品は「人」です。物品も販売していますが、この人だから買いたい、この人にやってもらいたい、そういう人たちと仲間としてやっていきたいと思っています。今、新しい試みとして施設を開放しています。さまざまな方に利用していただくことで、管理者を育て、自立させていくのにとても良い機会になりました。

私たちの仕事とは

 私たちの仕事は人の暮らし・人生を支え、実現したい生活を支え、生きがいを生みだす環境をつくることです。そして「目に見えない“まごころ”」を人のエネルギー・想いで人の心に響かせていきたい。在宅の末期がんの患者さんが最期の日に美味しくご飯を食べてくれる、私はこうした笑顔の輝きがひとすじの希望となり“キセキ”を生むという瞬間をこの数年間で学んできました。

あなたに逢えて、本当に良かった

 「あなたに逢えて、本当に良かった」という言葉はご利用者さんからいただいた言葉です。私もその時に同じように「あなたに逢えて、本当に良かった」と思えた、その言葉が、現在の当社の理念になっています。スタッフ同士がお互いに、そしてお客様と出逢った人すべてに「あなたに逢えて、本当に良かった」と思える人を目指しています。ですから、私ども「あおば」は「人」というところにこだわりながら、運営しています。出逢いというのは偶然ではなくて、準備されていたのではないか、偶然ではなく、必然なのではないかと思います。だからこそ「あなたに逢えて、本当に良かった」たくさんの出いに支えられ、会社と共に成長して来られたことに感謝しております。

会社概要

設 立:2000年1月
資本金:1,000万円
年 商:1億3,000万円
事業内容:介護事業、介護員養成事業、福祉タクシー事業、美容室経営
従業員数:48名(内、パート・アルバイト36名)
所在地:茨城県下妻市南原124-1
TEL:0296-44-6222
URL:http://www.aoba-homehelp.com/

このページの先頭にもどる

携帯用QRコード
携帯対応について

更新情報RSS