シリーズインデックス:若者がいきいき働く企業へ

【第23回】生きがい、やりがいを大切にする会社めざして (有)奥進システム 代表取締役 奥脇  学 氏(大阪)(2014.10.01)

奥脇社長 (有)奥進システム 代表取締役 奥脇 学 氏(大阪)

就労困難者を積極的に雇用している会社

 (有)奥進システム(奥脇学社長、大阪同友会会員)の主な業務は、インターネット技術を活用した業務管理など各種システム開発です。ヒアリング結果にもとづき、システムの「模型」を製作するのが特徴です。模型により、システムのイメージを具体的に示します。相互理解にもとづいて仕様を決定します。満足度が高く、使えるシステム(システムの使用率90%以上)が好評です。

多様な社員採用のいきさつ

 奥脇氏は「結婚や出産で退社した方や障害のある方など、優秀な能力があるのに社会に出られない人がいるのはもったいない」と感じていました。起業後、SOHOなどの団体や職業訓練施設などで、多様な就業形態による事業の可能性を模索していました。

 そんなときに、大阪市の施設から就職希望者として紹介されたのが、障害をもつ福井謙一氏でした。就業実習の結果は良好で、十分な実力の持ち主でした。社員教育について奥脇氏は「福井さんしかいないから、仕事を頑張ってもらった」、福井氏は「これしか、自分にできる仕事はないから頑張った」と明解です。双方の努力と試行錯誤の結果、事業は順調に拡大し、社員は7人になりました。そのうち5人は障害者やシングルマザーです。

工夫された働き方

社内の様子  オフィスは、バリアフリーです。社員の健康状態や家庭環境を守るため、残業はありません。在宅勤務と出社しての勤務の日を分けています。在宅勤務の場合、朝礼にはテレビ電話での参加が基本的に義務づけられています。過度の集中を避けるため、強制的に休憩を取るなど、数々の人にやさしいルールが工夫されています。業務の進捗だけでなく、日々の体調や精神状態も、全員が見られる日報で報告します。日々の個別事情を把握し助け合うことにより、全社一丸となって業務を遂行しています。

 社員が、自分の抱える問題を素直に吐露でき、助け合える社風は経営理念の「進取、自立、奉仕」を実践した結果です。

社員の思い

 技術マネージャーの福井氏は18歳の時、交通事故で頚椎(けいつい)を損傷。肩から下の神経を失い、車椅子生活になります。腕はかろうじて動きますが指は動きません。社会復帰のためコンピュータープログラマーの技能を身につけました。遅いキーボード入力でも通用し、在宅勤務も可能な職種です。しかし棒を手首につけて1文字ずつ打ち込む動作のため、雇用面接では断られてばかり。

 外見ではなく、やる気と能力で人を評価する奥脇氏に出会い、試験雇用されます。ここで駄目なら引きこもりの人生を歩むしかないと奮起。試用期間のノルマをすべてこなし正規雇用されます。

 社会に埋もれた人材を見つけ出し、持てる能力を最大限に発揮してもらう。そのための環境づくりに熱心な同社。「この姿勢は福井さんの才能をどう生かすかの考えから育ったのです。当時の奥進システムは、創業して間もない時期で、未来を模索している状態でした。福井さんも自らの能力をどう生かすか工夫しました」と奥脇氏。出社勤務のときは社内の意見を聞いて、最適なシステムを構築することを考え、在宅勤務のときはプログラミングに集中します。

 同社の中で最も就労困難だったのは福井氏です。その彼がシステム構築のチーフであることが、才能ある人が率先する同社の姿勢を物語ります。彼は、奥進システムがこれからも発展するためには、何が必要か模索しています。持続的に利益を生む汎用システムの開発に取り組んでいます。それは、奥進システムで働くことに生きがいを持ち、受け継がれる未来を築きたいと願う意欲からなのです。

会社概要

設 立:2000年
資本金:300万円
事業内容:WEBソフトウエア開発
従業員数:7名
所在地:大阪府大阪市中央区鎗屋町2-2-4 イチクラビル4F
TEL:06-6944-3658
URL:http://www.okushin.co.jp/

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