シリーズインデックス:若者がいきいき働く企業へ

【第24回】新卒採用で変革!ダイバーシティ企業をめざす (株)協同工芸社 代表取締役社長 箕輪 晃氏(千葉)(2014.10.08)

  (株)協同工芸社 代表取締役社長 箕輪 晃氏(千葉)

 箕輪晃氏((株)協同工芸社社長 千葉同友会会員)は、自動車販売店の営業7年を経て、(株)協同工芸社へ入社。同社の創業者(1980年千葉同友会入会)とは親族関係にはないものの、抜群の営業力・企画力を見込まれ、一社員から専務取締役を経て17年目の2014年5月に代表取締役社長に就任しました。

現場の職人から「未経験者を入れてほしい」との声

   即戦力を求め、経験者の中途採用を行ってきたものの、採っては辞める、の繰り返し。当然離職率は高く、社内は落ち着きませんでした。そんなある日、現場から思いがけぬ声が。「頼むから、未経験者を入れてほしい。何も分からなくても、俺たちが一からしっかり育てますから」。現場が経験者を望んでいると思い込み中途採用を続けていましたが、経験者だからこそ持つプライドが邪魔して仕事を覚えようとしない、自分流でやってしまうなどの問題がありました。
 現場の心強い声により新卒採用への挑戦を決意しますが、3K(きつい、汚い、危険)と言われる看板業に大学生が志望してくれるとは思えません。大きな不安を抱えながら、ある大学の学内説明会に初めて参加しブース出展。周りには名前の通った有名企業が並びます。「来訪学生ゼロと思いきや、自社の理念やものづくりの楽しさに興味を持ってくれる学生が多く来てくれたことに感動。新卒採用の可能性を感じた」と箕輪氏は言います。

共同求人活動への参加

   本格的に新卒採用に取り組もうと同友会の共同求人委員会へ参加。合同企業説明会ブース出展、共同求人委員会メンバーとの大学訪問、大学の就職課の先生と同友会企業の情報交流会、委員会内での悩みの共有などの活動を通して、若者がいきいき働ける会社にしたいという思いは日々強くなっていきました。
 「新人を育成するプログラムがない、また育てる余裕がないといった理由から中小企業では新卒採用は難しいと言われます。しかし、先輩社員が教えることの意義をしっかり理解できれば、新人を育成できますし、また新人に仕事を教えることで、教える側も成長でき、社内の相乗効果を肌で感じています。『今年は、どんな子が入ってくるんだろう』と毎年の楽しみにもなってきました」と箕輪氏は話します。
 新卒採用への不安は、1期生の成長スピード・能力の伸長、また2期生のやる気と吸収力の高さによって会社がどんどん発展する手応えを感じ、吹き飛びました。

20名を越えるインターンシップ生の受け入れ

   今年の夏も、千葉県内、県外の美術大学や工業大学などから20名を越える学生が同社にやってきました。多くの学生に「ものづくりの楽しさ」「製品が世の中で展示される喜び」「デザインや製作に携われる楽しさ」を伝えられる内容にするため、プログラムも充実しています。「アルバイトでは得ることのできない社会人経験をしてもらいたい」との思いから、デザインから設計、電気の配線等の工程を踏み1人1つ看板製作を行ってもらいます。完成した作品は、インターンシップ終了後学生へ郵送します。参加した学生や大学の先生からは、「将来のビジョンを考える良い機会になった」と高い評価を得ています。
 インターンシップ生の受け入れを行うことで、社内にも良い影響がありました。インターンシップに対する理念が伝わり、社員から「こんな内容にしたら学生の為になるんじゃないですか?やってみましょう」と提案が出てくるようになったのです。

週に1度の朝勉強会の実施により学び合う社内風土へ

   2014年度より週に一度、朝礼前の社内勉強会がスタートしました。これも社員による提案がきっかけです。週ごとに電気・フイルム・照明などのテーマを設けて、取引先から講師を招いて実施。さまざまな知識を習得しています。参加者は、営業・職人など職種を問わないので、社内のコミュニケーションが生まれる場にもなっています。
 箕輪氏は、「共同求人参加企業のある採用担当の女性社員が、『結婚や子育てを機に辞めようと思ったことはないか』という学生からの質問に対して、『こんな良い会社、辞めるのはもったいないです』と答えるのを聞きうらやましく思った」と言います。今後目指していくのは、女性も働きやすいダイバーシティ企業(性別や国籍、年齢などを問わずに多様な人材を活用することで生産性を上げ、企業の成長と個人の幸せを同時に目指す概念)。これからの時代、女性が活躍できないと会社は成長できないと考えます。来年4月には20代若手女性社員が10名を超え、職人世界の業界の中にあって女性が働きやすい環境をめざしています。
 「現場の仕事を行う職人を大卒でとろう!」という当初の目標もかない始めました。新社長、そして社員一丸となった(株)協同工芸社の挑戦は続きます。

会社概要

設 立:1969年
資本金:1000万円
事業内容:看板、サイン企画・内装・製作・設計・施工
従業員数:61名
所在地:千葉県千葉市美浜区新港201
TEL:043-242-1675
URLhttp://www.kyodokogei.co.jp

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