シリーズインデックス:若者がいきいき働く企業へ

【特別版】社員に救われた絶望の社長 (株)ホワイトボード 代表取締役 橘田 孝一氏(山梨)(2015.02.25)

橘田社長 (株)ホワイトボード 代表取締役 橘田 孝一氏(山梨)

 当時インターネットが普及し始め、これからはインターネットの時代だろうと、ホームページ制作の会社を起業しました。しかし、初年度の売上は190万円。このままではダメだとアメリカの勉強会や研修会に頻繁に参加し、ノウハウを蓄積していきました。そこでソリューションという考え方に出合い、単なるホームページ制作から、お客様の抱えている問題や課題を見つけ、それを解決するWEB コンサルティング業務に移行し、売上も2年目で2,000万円になりました。

同友会との出合いと経営理念の成文化

 抱えていた社員の問題や中小企業経営者との人脈をつくって売上を上げたいとネットを検索していたときに出合ったのが同友会でした。当初、経営者の知り合いも少なく、人脈をつくるために例会に頻繁に参加していると、「勉強する気があるなら理念づくりをしよう」と誘われ、経営理念を成文化しました。

M&A と支部長としての学び

 売上も3年目で6,000万円と順調に成長してきたころ、創業時に出資してくれた印刷会社との合併話が持ち上がりました。縮小していく印刷業界の中で、恩返しの意味を込めて合併することにしました。合併した印刷会社の社員とのかかわりなど大変な中で、同時に同友会の支部長も引き受けることになりました。

 支部長をやりながら学んだこととして、人の話を聞く重要性、社員の自発的な行動を引出すための経営の具体化、待つという努力など会社と同友会を結びつけて考えることで多くのことを学ぶことができました。経営指針づくりでも今まで考えることがなかった「なぜ経営するのか?」というようなことを考えるようになりました。これらの学んだことを踏まえて社内で実践していきました。

仕事を通して人生を豊かに

 共に育つ概念の実践として行ったのが月3営業日を研修にあてるということです。「仕事の時間の質を高めることは人生の質を高めること」という橘田氏の考え方のもと、技術的な研修、理念を共有する研修、働くことの意味を深める研修を行っていきました。合宿で自分の人生のビジョンと会社での仕事・働き方を結びつけるよう面談をひたすら行っていきます。会社というものは自分の人生を生きる場所なので、自分の人生を豊かにするために充実した仕事を行い、利益をしっかり出こうと繰り返し確認します。

 経営指針づくりの合宿では、まずは私が経営指針書や決算書をもとに業績の分析を行い、作成した理念シートを社員と共有・修正します。そして個人ビジョンと会社のビジョンをもとに年度方針・個人計画を作成し、四半期ごとに検証しています。

 全国大会で新卒採用がいいと聞くと、計画になくてもすぐに新卒採用にも取り組みました。最初は何も考えずに取り組み失敗しましたが、生産性によって手当が変動する給与体系を取り入れていることもあり、「1人採用するのに3,000万円売上を上げないといけない」ということを伝えると、先輩社員が必死で新人教育を頑張りだしました。

退社と第二創業

 自分たちの人生を豊かにすることを目的に創業から順調に業績を上げていき、新規事業の開発をできる余力もできたので、主要な売上のe-ラーニング事業をやめて業務系アプリケーションの開発に絞る方針を立てました。しかし、ある役員会議の席で、合併した会社の役員との方針の違いから、橘田氏は会社を出ていくことになりました。

 業務系アプリケーションの開発は進んでいたため、橘田氏は連携開発先の海外へ単身で行こうとしていました。しかし、退職した会社に残していた能力の高い社員たちが気になり、海外へ行くのを辞めて、思いを共有していた社員と一緒に新しい会社を作ることにしました。社名も会社の場所も社員にまかせて、そこで決まったものをそのまま登記し会社を設立しました。

会社を救った社員の行動

 会社を設立したのは良かったものの、仕事もお金もなく、事務所で途方に暮れる日々を送っていました。落ち込んでいたときに私を助けてくれたのが、一緒についてきてくれた社員たちでした。普段反抗的なプログラマーがテレアポ営業を始めたり、他のプログラマーやデザイナーも過去の取引先に連絡を入れて仕事をとってきてくれました。さすがに社員たちのその頑張る姿を見て、自分も立ち上がってお客様を回るようになりました。そのような営業のかいもあって、ウェブ関連のお客様が98%戻ってきてくれ、8月8日に創業して翌月の9月にはなんとか単月で黒字を出せるようになりました。

新たな理念と今後の展望

 橘田氏は言います。「この1年間通して改めて実感したのが「感謝」という言葉です。社員やお客様などの自分を取り巻く環境に助けられ本当にありがたいと感じました。Know how(ノウハウ)は大事ですが、私にとってはKnow who(ノウフー)のほうが大事だと考えています。だれを知っているか?どんなふうに時間を使ってだれとどう過ごすか?商売をやっていく上で、生きていく上で本当に重要なことだと思います。今回の経験から新しい経営理念には「感謝」という言葉を入れました。私はこの「感謝」という概念がすごく大事だということを社員に伝えています。感謝の心をどのようにカタチにしていくか、これからの課題だと考えています」

会社概要

設 立:2013年
資本金:1,000万円
年 商:1億1,000万円
事業内容:Webアプリケーション制作
従業員数:7名
所在地:山梨県中巨摩郡昭和町西条5200 森田ビル2・1-A
TEL:055-287-7555
URL:http://wb-hp.com

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