シリーズインデックス:チャレンジ環境経営

【第17回】世のため、人のため、省エネで社会貢献 (株)明光建商 代表取締役会長 塩谷 昭文氏(福井)(2015.09.02)

塩谷会長 (株)明光建商 代表取締役会長 塩谷 昭文氏(福井)

社屋 (株)明光建商(塩谷昭文会長、福井同友会会員)は、1974年に創業。電線・ケーブル製造会社を退職した塩谷氏が、わずか3名で開業しました。塗り床業から、防水、塗装、内装など、建築の仕上げ分野に拡大し、近年は環境関連商品の開発施工にシフトしている会社です。

独立から成長を経て苦境へ

 電線・ケーブル製造会社に就職した塩谷氏は、いつしか「できることなら社長になりたい」との思いを強くします。しかし、その会社は親族経営。課長にはなれるかもしれませんが、社長というのは難しい状況でした。「それならば」と、自身で起業することを決意し、独立して現在の相談役と二人三脚で走り始めました。

 それから、多くの人たちに、職人や社員に支えられ、わずか5年間で福井県の防水工事のトップシェアを獲得。以降、1993年ごろまで右肩上がりの成長を続け、ピーク時の売上は12億円に達しましたが、その後の日本経済低迷の中で売上は半減し、「40名余りの社員を抱え苦境に立った」と塩谷氏は振り返ります。

 しかし、1995年頃には既に押し寄せる不況の波が見えていた塩谷氏は、「このままじゃいかん」と商品の自社開発を決意。また、施工現場の結果を研究開発に生かせば、一番早く、同業メーカーよりも先に開発ができると思いつきます。開発に着手したのは、省エネ関連。経営方針に則った、社会貢献のできる、世のため、人のためになるような商品。その第一が省エネであるという判断でした。

商品の自社開発が実を結び

シポフェース  着手から10年。同社が2003年に開発した『シポフェース』は、それから約2年後に、華々しい実績を上げることになります。

 2004年の夏、「環境」をテーマとした愛知万博(愛・地球博)の建設現場ではトラブルが発生していました。それは、各パビリオンでの「音鳴り」の頻発。この音鳴り、身近な現象で説明をすると、キッチンのシンクに、熱湯を流した際に「バーン」とか「ベコン」といった音が鳴るという、あの現象のことです。しかし、金属でできた巨大なパビリオンの屋根が夏の直射日光を浴び、その太陽熱によって膨張した際に鳴る音はキッチンの比ではありません。下手をすれば、来場者がパニックを起こす可能性すらあります。そして、これが全パビリオン5万平方メートルで発生する可能性がありました。

KK-100008-A  急きょ、屋根の温度を下げるプロジェクトが立ち上がります。そのプロジェクトには、屋根の温度を下げる以外にも、課題が2つありました。まず、1カ月ですべての屋根に施工できること。次に、一般的な有機塗材のように環境ホルモンを含まないこと。同社の『シポフェース』は屋根に塗布することで、屋根表面の温度を30℃下げることに成功。有害物質や環境ホルモン成分が含まれておらず、環境にも健康にも配慮された塗料であるそれは、その効率的な施工方法とともに、唯一、2つの課題の解決にも成功したため、採用されることになったのです。

 近年では、一般家庭でも大幅な節電を求められる計画停電にも非常に有効な手段として、東日本大震災(2011年)の避難所の水洗設備のトイレ風呂ユニットにも施工された、同社の『シポフェースクール』工法は、2010年に国土交通省NETIS(KK-100008-A)登録。同年度に環境省の環境技術実証事業(ヒートアイランド対策技術分野)において、実証番号051-1018も取得しています。

CB-10033-VE  同じく同社が1995年に開発した『ベストフロアーシステム』もまた、「環境対応技術」です。化学資材を何も足さない、地球環境を汚さない省エネ工法であるにもかかわらず、床コンクリートの耐久性向上によりメンテナンスが軽減され、その上、工期は約2分の1に短縮。2008年には中部国際空港(愛称・セントレア空港)の全床コンクリートにも採用されました。

 2010年に国土交通省NETIS(CB-10033-VE)登録された、このベストフロアーシステム(CN)工法は、あらゆる経済活動の基礎である床に着目したオンリーワン工法です。開発から20年、近年では建築工事は勿論、土木工事に数多く取り入れられています。また、昨今問題になっているトンネル事故、高速道路の劣化進行などインフラ補修の現場でも、改めてこの技術にスポットライトが当たっています。

世のため、人のために

 建物を非常に良い環境に、快適にしたい場合、コントロールされた冷暖房が必要です。しかし、「地球の温暖化がとことんまで行っている中で、今まで通りのやり方を続けるのには無理がある」と塩谷氏は言います。

 そこで、自然エネルギーの出番です。例えば、地下水は年中15~16℃。真夏に持ってきたら寒いくらいなので、冷房には十分。太陽光を使えば真夏であっても真冬であっても10℃、20℃のお湯が取れるので、こちらは暖房に利用できます。「省エネの最たるものがここにあると思います」とは塩谷氏の言葉です。キーワードは「住みやすい環境」「世のため、人のため」。ガソリン代、電気代がうなぎのぼりに高くなるといった、エネルギー問題の解決のためにも省エネ商品を使用する。「省エネで社会貢献。当社はこれで走っていきます」と塩谷氏は力強く語りました。

経営理念

 当社は建築、土木業界において常に卓越した技術と誠意ある仕事を通じて社会に貢献し、労使共存共栄を目的とする

会社概要

創 業:1974年
資本金:3,000万円
年 商:10億円
事業内容:防水工事、外壁・屋根・内装塗装工事、新築・リフォーム内装工事、壁面改修
従業員数:50名
所在地:福井県越前市葛岡町8号10-1
TEL:0778-23-1181
URL:http://www.meiko-k.co.jp/
E-mail:info@meiko-k.co.jp

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