シリーズインデックス:チャレンジ環境経営

【第36回】環境蘇生事業(グリーンソリューション)で自然と調和 (株)アポロエンジニアリング 代表取締役 後藤 博文氏(大分)(2016.03.02)

後藤社長 (株)アポロエンジニアリング 代表取締役 後藤 博文氏(大分)

社屋外観  環境蘇生で社会貢献カンパニーをめざす(株)アポロエンジニアリング(後藤博文社長、大分同友会会員)は、大分市で電気工事業、電気通信工事業、環境蘇生事業を営んでいます。
会社は1973年に兄が電気通信工事の(有)アポロ音響を創業し、1978年には電気工事の(有)アポロエンジニアリングを設立しました。

 後藤氏は工業高校を卒業後に神奈川県秦野市の大企業に就職をして、1978年には兄から「一緒に仕事をしないか」と誘われて、常務として(有)アポロエンジニアリングに入社しました。その後1981年に二つの会社を合併し、現在の株式会社に組織を変更し2003年に代表に就任します。かねてより地球環境に特化したNPO活動などを通して、低炭素社会に向かう方向性を示唆しながら自らの経営に生かすことを模索し始めます。

 大分同友会に入会していた兄と代わって、2003年に引き継ぎました。同友エコには2009年からエントリー・データ応募をして、これまでに地球環境委員長賞やCO2削減賞を受賞してきました。今期からは地球環境委員長(理事)を務め、取組みを広げようと各支部を行脚しています。

低迷する建設業からの脱却を模索

発酵液肥  バブル経済崩壊後、市場価格は低迷を続け、業界も浮上するきっかけがありません。社員に会社の将来を示すことができずに頭を悩ませました。真っ先に浮かぶのは公共工事のランクアップです。しかし、これには規模の拡大が必要で、到底いまの景況や会社の体力でできる話ではありません。

 建設業界は環境負荷が高く、スクラップアンドビルドの繰り返しで大量の産業廃棄物を生みます。環境問題に取り組みながらも、大量の産業廃棄物を出す状況にモヤモヤしていましたが、再生エネルギーなら少しは今の仕事とつながりがあり、COの削減に貢献できると考えて取り組み始めます。

 併せて、環境をキーワードとした新規事業の開発に着手します。役員に一定期間その対象を模索してもらい活路を求めました。そこで行き当ったのがバイオ技術です。家畜の糞尿を有機分解する浄化や土壌微生物の生態系を改善し、発酵液肥で農産物の生育や防カビに機能して収量が3割アップ。農薬・肥料コストも半減し、連作障害と高温障害防止に効果を上げることだけでなく、活用範囲が農業だけに留まらず広範囲に及ぶことを実証確認ができました。

 これを「特殊有機肥料の販売拡大・関連装置の企画・開発・販売」というテーマで、大分県の経営革新支援計画の承認を2011年に受け、農薬や化学肥料に頼らない農業への回帰型の「環境蘇生」事業として展開することに至ります。

思いもよらなかった中国への展開

中国の農場  この間、知り合った中国人留学生がこの事業に興味を持ち、同社の社員となることになり、中国に進出するきっかけとなりました。

 中国の環境汚染は、農薬の過剰使用や残留農薬、土壌の汚染が農産物に広がっています。他にPM2.5や工業、畜産汚水も問題です。このうち農産物汚染の解決に貢献できると考えました。

 そこで共同出資会社を2014年に設立し、出先事務所を上海と洛陽に開設し、2015年より中国社員の専従者を置く事としました。同年より中国各所で実験試用などの実証確認を行っています。2016年より現地生産する計画を進めて、初年度2,000万円の売上を見込んでいます。

 中国は習近平体制になって、土壌改良と化学肥料の減量を掲げて、食の安全を国の重要課題の一つとしています。そこで5カ年計画では、中国での拠点の確立の他、市場開発と調査を進めて自社ブランド化と製造環境の整備をめざし、10カ年計画では中国の拠点拡充と、中国以外のアジア地域への進出をめざしています。

環境を守り、命(日本の食)を守る

中国の農場2  日本の穀物自給率は26%、カロリー自給率は39%(農水省「食糧需給表」平成24年度版他)と低く、「自給率向上を」と叫ばれてはいるものの、一向に改善する気配はありません。どうしても輸入に頼らざるを得ないのが実状です。

 そこで、「中国の農産物汚染を食い止めることは、日本における食の安全にもつながるから」と、後藤氏は市場規模と将来性では無尽蔵の中国における農業分野の開発で新しいエコ仕事づくりを進めています。

 国内では2008年から始まった農林水産省と経済産業省が推進した「農商工連携」コーディネーターの資格なども得て、一般社団法人「大分県農商工連携サポートセンター」の設立理事として、地域農業者の事業創出などの支援も行っています。

環境経営への取り組み

 環境経営のマネージメントの必要性から、かねてより取り組みのタイミングを計っていた「エコアクション21」を2015年9月に認証登録をうけ、社内体制も整備し、環境事業と管理体制が整いました。


環境方針
<基本理念>
 私たち中小零細企業も自らの経営理念に、単に利益追求をしていくのではなく、事業を通して環境保全や平和社会を築く一員として積極的に関わって行く必要があると感じます。

 また、ここには今の浪費や使い捨ての消費者からグリーン・コンシューマー(環境を配慮する賢い消費者)に変革し、環境負荷を高くする快適性や利便性を追い求めるのではなく自然の摂理に抗わず、自然の恵みを生活に取り入れた社会システムに変革・回帰(蘇生)していかねばなりません。

 私たちは、経済活動を通じてこの「環境蘇生」をキーワードに自然と調和し、より環境負荷を少なくする環境蘇生事業(グリーン・ソリューション)を農・商・工連携の各場面で提案し、社会貢献型の事業をめざしてまいります。

会社概要

設 立:1981年
資本金:1,000万円
事業内容:電気工事業、電気通信工事業、環境蘇生事業
従業員数:11名
所在地:大分県大分市牧上町11-27
TEL:097-551-0040
FAX:097-556-3450
URL:http://www.apollo-engineering.com/index.html

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