シリーズインデックス:キラリと光る小さな企業

【第1回】会津産落花生で地域活性化をめざす (株)おくや 代表取締役 松 健太郎氏(福島)(2017.04.05

松﨑健太郎社長 (株)おくや 代表取締役 松 健太郎氏(福島)

 「なぜ会津で豆屋をやっているのか?聞かれるまで考えたこともありませんでした。あのころは生活が苦しく、経営にも悩んでいました。同友会に入会して、経営指針を成文化したことによって、まったくブレなくなったんです」と松健太郎社長((株)おくや、福島同友会会員)。10年前、福島同友会が新地区設立のために開催した、喜多方市で第1回目の同友会を知る会に松氏は参加。その時の体験報告者が、当時福島同友会会長の故丹治一郎氏でした。丹治会長から「若いうちは悩んで当たり前、すごい先輩たちがたくさんいるんだ、素直にどうしたらいいか聞けばこたえてくれるから、同友会に入ってしっかり経営の勉強をしなさい」と言われ、松氏はスーッと楽になりました。そして、自分も前に進むために学ぼうと決心し、たくさんの師に恵まれ経営指針を成文化し、素直に実践して行きました。

経営理念の実践、農業、地域に貢献する心

おくや外観  (株)おくやは、会津産落花生にこだわった豆菓子の製造販売に取り組んでいます。喜多方市や会津若松市、下郷町など会津地方十市町村の農家約90軒と「会津豆倶楽部」という栽培契約を結び、高品質な豆を仕入れています。1975年から7年間、会津では100町歩*という広大な畑で落花生が作られていましたが、全量を千葉で販売していたため、地元の人も会津が落花生の産地という認識がありませんでした。会津産を名物にしたい、固定価格で買い取り、農家の経営安定を後押ししたいとの思いで松氏は、経営をしています。
2010年、その会津産落花生の魅力を地元の人に知ってほしい、との思いから地元喜多方市中心部に「おくやピーナッツ工場・直売所」をオープンさせました。常時20種類の豆菓子が並でいます。

*1町 = 10反 (たん)=約1万平方メートル

 落花生の殻は全て手むきをしています。手むきピーナッツは最高級品とされています。手むきは機械に比べ傷が少なく、豆の油分も保たれるといいます。また、科学的ではないですが、手むきだとやはり「うまい」のです。そして、その手むき作業は、冬の内職として会津地方の障がい者施設16カ所に依頼しています。

 2013年に会津養護学校生1名を新規雇用しました。その社員さんは、入社1年が経つころには、店長が休みの水曜日は一人で豆菓子販売店のオープンから閉店までこなせるようになりました。運転免許取得後はマイカーも購入。三年経った今でなくてはならない従業員となっています。

会津・喜多方、地元の魅力を内外に発信

ピーナッツソフト  喜多方市は全国でも有名な「喜多方ラーメン」がありますが、ラーメンを食べた後、観光客はすぐに帰ってしまうので、滞在時間が短いという課題がありました。そこで「地元でしか食べられないスイーツ」とのコンセプトで、ピーナッツソフトクリームを開発し、多くの方にゆっくり喜多方で過ごしていただく選択肢を増やしたのです。

 また、2016年には、福島同友会の会津津地区の仲間の納豆製造会社や醸造会社などと連携し、落花生や黒豆を使った納豆を売り出しました。

 同年、県内で初めて落花生専用加工場「おくや会津落花生センター」を整備し、操業を開始。豆の洗浄から焙煎までを行い、生産能力は従来の10倍以上を誇ります。工場敷地内に自社製品を使ったスイーツを提供するカフェを併設させる計画のほか、栽培契約を結ぶ地元農家を対象とした試験農場も開始して栽培技術の向上を図る計画もあり、さらに地域に貢献したい考えです。

 松氏は、喜多方市の異業種の若手5名で喜多方の文化を海外に発信するために、2014年に「喜多方グローバル倶楽部」を立ち上げ、その代表も担っています。合言葉は「喜多方ラーメンを世界へ」。ジェトロの支援を受けてタイに乾麺の喜多方ラーメンを輸出し、これまで5千食を販売しました。今後はオーストリア、香港、ドイツへの輸出を計画しています。

 2017年度から、松氏は同友会の会津地区会長に就任します。「会津地区の会長としては会員さんに何かできる力はまだありません。ただ同友会で学んだことを実践し地域に根差す経営をしっかり行っていくことで恩返ししようと思います」と松氏。「なぜ会津で豆屋をやっているのか?」「会津には良い土があり、良い水があり、良い農家さんがいる、その豊かな資源があるから会津で豆屋をやっています」と今なら自信を持って語れます。

 社是「未来に豆蒔く あったか仕事」。松氏は、落花生を通じ地域活性化に役立ち、地域の人々や社員を幸せにしたいとの夢に向けて、まい進しています。

経営理念

豆商い3つの心
一、「健康で美味しい日本豆食文化」を伝える心
一、「地域農業・産業」に貢献する心
一、「豊である努力」の上、人に尽くす利他の心

会社概要

設 立:1997年4月1日
業務内容:豆菓子製造・販売・卸売業 
従業員数:12人
所在地:福島県喜多方市字長面3074-13
直売店:おくやピーナッツ工場
住所:福島県喜多方市字天満前8930
TEL:0120-066-098
FAX:0241-23-7916
URL:http://www.oku-ya.com

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