【第13回】社長が変われば、社員・会社そして地域も変わる!-(株)儀礼センター社長 松川 常夫氏(長野)

(株)儀礼センター 社長
松川 常夫氏(長野)

 
 長野県の南部に位置する上伊那地域。東に中央アルプス、西に南アルプスを望み雄大な景色が広がる一帯です。今年4月に、長野県同友会6番目の支部としてアルプス上伊那支部が誕生しました。今回は、初代支部長の(株)儀礼センターの松川常夫社長(長野同友会会員)をご紹介します。

経営者の姿勢こそが全て

 会社は、地域の中では後発であったものの、葬祭業として急成長してきました。入会当初は、ボス型経営者の典型で、社員に対しても人前で平気で怒鳴り散らしていました。

 そのような時、大手2社が参入し売上が激減、会社は建てかえたばかりでしたが社内では不平不満が噴出、地域からは下水道と生ゴミの苦情が出てくる有様でした。このままでは会社がダメになると感じ、「勉強しなくては」と、飯伊支部例会や長野市で開催される勉強会に熱心に参加しました。

考え方に変化が

 一番の転機は2001年の富山で開かれた全研(第31回中小企業問題全国研究集会)に参加し、記念講演の飴社長(コーセル(株))のお話しを聞いたこと。同族とのあり方、ガラス張り経営の大切さ、社長と社員の目線が合っているか、社長の仕事とは何か、などについて強い印象を持ち、早速帰って自社で実践をしました。

 当時の松川社長の月給は数100万円、「ガラス張り経営を目指す」ということで自身の給与も含めて社内で全てを公開しました。ところが「今まで社長はあんなに取っていたのか」と蜂の巣を突付いた騒ぎに。結局、社員との話し合いの結果、月給50万円になりました。しかし、この事件以来、社内の風通しが良くなり、社長と社員の信頼関係が徐々につくられ始めたそうです。

自社の強みから戦略が

 この頃から松川社長は、約3年間にわたって「経営指針をつくる会」を受講。特に経営理念の確立は、人一倍こだわり続けました。

 経営理念の文中、「地域社会の中で育まれた独自固有の文化を大切にし、新風を吹き込み・・・」とありますが、大手の葬祭センターが進出し、競争が激化する中で、自社の強みを全面的に出すことで、お客様からの支持を得ています。かねてより、お寺でご葬儀をあげる場合は、当社がほぼ百パーセント受注しておりました。「多くの方々が本当はお寺でお葬式をしたいはず」、式のサポート体制から、式後のアフターなど、お施主側に立ってさまざまな潜在的な要求にこたえています。

 現在は、弁当事業の拡充、特別養護老人ホームの経営にも参画しています。地域になくてはならない企業として、まい進しています。

会社概要

 設立:1986年
 従業員数:130名(パート含む)
 資本金:2100万円
 年商:5億2000万円
 事業内容:葬祭業・福祉業・飲食業
 所在地:駒ヶ根市赤穂14616-214
 TEL:0265-83-2929
 FAX:0265-81-6678
 URL:http://www1.ocn.ne.jp/~girei/index.htm