【第24回】地域をつなぐ企業へ-(有)ワークロード社長 川崎 博治氏(滋賀)

(有)ワークロード 社長
川崎 博治氏(滋賀)

 
 企業がある滋賀県湖南市石部は、東海道五十三次の宿場の一つである石部宿として栄えたところです。京都から東へ下る旅人の多くが最初に泊まる宿場とされ、安藤広重の描く石部宿からわかるように、春霞のかかる三上山(通称、近江富士)を臨む、みどり豊かな閑静な歴史の街です。

 川崎博治氏((有)ワークロード社長、滋賀同友会会員)は、2000年3月に同友会へ入会。当時、滋賀同友会が新産業創造部会の設立前であり、営業のきっかけにと入会しました。現在では「営業につながるなどのケチな理由で参加しているのではなく、学び続けることがすべての発展につながる」と振り返ります。

 主な事業は産業資材販売、合理化・販売支援企画で、営業エリアは滋賀県全域を中心に、最近では全国の問い合わせにも対応しています。

良質なものづくり、サービスの支援を

 設立は1993年で今年13年目を迎えます。地元プラスチックフィルムなどを取り扱う商社の営業として活躍し、その後独立。地域の企業へ何度も足を運び、資材を販売するよりも、中小企業の商品・技術を他社とつなぐコーディネートを行ってきました。こうした役に立つ提案を行ってきたことが、現在の提案営業として社に息づいています。

 現在では、販売支援の枠を広げ、システム開発を手がけるなど事業枠を拡大し、売り上げを伸ばしてきました。

社員の能力を最大限生かす企業づくり

 入会後、同友会の「経営指針成文化セミナー」(現「経営指針を創る会」)を受講しました。社員に対する姿勢について学ぶ中、業務拡大のための人手という考えから、社員一人ひとりの能力を引き出す企業づくりに転換。現在では、本業の販売・支援事業を展開しつつ、社員それぞれが新規事業の立ち上げを行っています。地域に限定した情報紙(地域内の中小企業を紹介)の発行や、企画・デザイン作成など、地域活性化に役立つ活動を展開しています。

地域と共生・発展する企業へ

 地域内で営業を通じての企業訪問、事業やその他多くのニーズに応えるには連携が欠かせません。経営指針書で自社のドメイン(領域)を明確にした上で、さまざまなニーズを振り分け、同友会会員企業へ外注に出しいます。最近ではインターネット販売企画やホームページ作成、システム開発など、専門分野での連携が進んでいます。また川崎氏の所属する同友会の「新産業創造部会」では大学との連携も行っており、県内大学とのパイプ役もされています。これらの活動は「ボランティアではなく、地域の企業の発展無しには自社の存続もありえない」と川崎氏は語ります。

 余談になりますが、ワークロードの大切な事業部門がもう一つあります。会社駐車場の入り口に木造の建物があり、土曜の晩、日曜日の午後は川崎社長がそこにいます。ピックを片手にたこ焼きを作り販売。地元の住人の方が買い物帰りにおやつやビールのつまみとして買いに訪れ、会話を楽しんでいます。兼業で農業を営む川崎氏は、将来小さな単位から地域内で農業の連携、循環も始めたいと今後の夢を膨らませています。

会社概要

 創業:1992年
 従業員数:8名(パート含む)
 資本金:300万
 年商:1億4000万円
 事業内容:産業資材販売、合理化・販売支援企画
 所在地:湖南市石部東3-8-1-1
 TEL:0748-77-6950
 FAX:0748-77-6085
 URL:http://www.workload.co.jp/