【第21回】流通業激変、業態変化を先取り-富士急スペースプランニング(株) 会長 山崎 眞氏(静岡)


流通業激変、業態変化を先取り

富士急スペースプランニング(株) 会長
山崎 眞氏(静岡)

 スローガン
 「みんなで力をあわせて行こう、働くことが、一番好きだ! いつも、なぜ? もっと良い方法は無いかを、考える人たちの集団です」

 その集団は、富士急スペースプランニング(株)(山崎眞会長、静岡同友会会員)です。

 創業から30余年、今日では県内流通業界では一目置かれた存在になり、社員85名を擁する規模になっています。同社のサービスの特徴は、商品を3温帯(冷凍、チルド、ドライ)の冷凍冷蔵庫で保管し、それぞれの温度帯を保持した車輌(二倉式)で輸送を行っていること。今業界は、激変時代の真っただ中にあり、流通業も新たなビジネスモデルを構築し、付加価値をつけた経営が求められていると言います。

社員との認識の一致を大切に

 山崎氏は、「社員と共にある」をモットーに事業活動をすすめてきました。それは、会社創立の原点にさかのぼります。事業所閉鎖を受ける中、自分を含めて社員が自らの食と職を守ろうと設立した会社で、いわば社員と共同体であることが原点とのこと。また、労働組合があり、開かれた組織として、財務含めてすべてオープン。労働条件や待遇も業界平均を上回るものにし、社員の雇用と生活を守ることが第一に位置づけられています。

 社員の雇用と生活を守りつつ、企業の持続的発展を図る事業は、並大抵なことではないと言います。鍵となるのは、時代の変化に対応した業態の改革を含め、経営の戦略策定と実行、それを支える全社一丸経営、全社員一致のベクトルにあります。労使間は、徹底した対話を行ない、「経営環境はどうなっているか」「当社はどういう方向に進んでいるか、進むべきか」を常に問い合い、情勢の認識の一致を大事にして進めているとのこと。また、2カ月に一度、労使協議会が開催され、問題点を出し合い、安全輸送のため、職場と車輌トラックの点検が行われています。

課題への挑戦でオンリーワンに磨きをかける

 課題も山積していると話しますが、課題があるからこそ解決の知恵もうまれ、チャレンジ精神も育まれるもの。いまを第二の創業と位置づけ、自社のオンリーワンにさらに磨きをかけていくとのことです。

 「ここまできたのは、同友会があったからこそ。創業時、経営者として右も左も分からない中、同友会で学び、教えてもらい、一つひとつ血肉にし、何より実践する、その気持ちでやってきました。多くの先輩や同志がいたからこそと、改めて実感しているところです。」この6月に、社長業を長男に継承し、会長に就任した山崎氏は、往事を述懐しました。

会社概要

創業:1975年
資本金:5000万円
年商:10億円
社員数:85名
事業内容:運送、倉庫保管、管理(冷凍、チルド、ドライ)
所在地:静岡県浜松市和田町649-1
TEL:053-464-1315
FAX:053-465-3902