【第5回】“次代を担う経営システム”の共創をめざして-サンシステム開発(株) 社長 中村 友祐氏(山形)

サンシステム開発(株) 社長
中村 友祐氏(山形)

 サンシステム開発(株)(中村友祐社長、山形同友会会員)は、前社長が1981年(S56年)に、オフコンを中心とした受託ソフト開発、機器販売会社として創業。2002年に中村友祐氏が社長に就任し、「第二創業」がスタートしました。2006年に中小企業経営革新支援法承認企業となり、請負型からオリジナリティあふれる技術とアイデアで“次代を担う経営システム”を共創する企業として変革に取り組んでいます。

わが社の存在意義を問いかけて

 当時を振り返り、「社長就任から3年間は眠れない苦悩の時だった」と中村氏は語ります。営業兼社長とひとり駆け回り、社員との溝も感じていました。失敗を許さない会社の体質があり、新商品開発のチャレンジもなく、このままでは行き詰ると、3年目で社員と腹を割って話しあいました。

 「わが社は何で飯を食っているのか」「何を売っているのか」「どこへ行くべきか」と夢を語り、自社分析、新商品開発に向けての会議を4カ月実施してきました。

社長の本気と社員の本気

 社員の提案で、新規事業「BREW(R)対応AU携帯電話向け営業支援システム」を成功させるために、2006年2月から中小企業経営革新支援法に挑戦。3月からは山形同友会の「第11期経営指針作成セミナー」を受講しました。寝ても覚めても「経営理念と革新法」に突き進んだ6カ月。手法しか見えていないことに気づかされ、経営の本質に気づき、自分と会社を見つめ直しました。

 一緒に考え、「必ず経営革新支援法の承認企業にしてください」という社員の熱い思いに、新規事業をものにしたいと本気で挑戦。行政や大学の先生、経済産業省の方との出会いや、同業者の応援もあり、承認企業となりました。

社員と共に、お客様と共に、地域と共に

 経営理念をはじめて発表した時、「何を言いたいのかわからない」が社員の反応でした。仕事を通し、自分たちは何で感動するのかを社員と考え、「共創 共に創造する ~社員と共に、お客様と共に、地域と共に~」という経営理念の基本スタンスが生まれました。経営理念には、お客様と経営に必要なものを共に考え、共に創(つく)っていくことがうたわれています。経営戦略・戦術は“なぜ”の説明をつけて、社員が納得できるまで一つひとつ丁寧に話しました。

 理念の唱和も、「唱和より仕事で実践していきましょう」「社員が倍になったら唱和が必要でしょう」とも言われ、社長以上に会社のことを考えている社員に感動の毎日です。

 「会社の強みは、技術者らしくない社員、人間くさい集団です」と笑顔で語る中村氏。同じ人間として、同じ土俵で真剣に話し合える社風もでき、新規事業の営業支援システムを山形から全国に発信していこうとしています。

会社概要

設立:1981年
社員数:7名
資本金:1000万円
年商:7400万円
業種:情報処理サービス業
所在地:山形県山形市西田5-3-8
TEL:023-644-1813
FAX:023-644-1836
URLhttp://www.sun-sys.co.jp/menu.html