【第21回】日本一の社員ハツラツ感動企業をめざして~(株)アイ・タックル 社長 水沢正志氏(山形)

 水沢社長

 (株)アイ・タックル(水沢正志社長、山形同友会会員)は、“もったいないを創造する”をスローガンに環境活動に取り組み、主に使用済みトナーカートリッジの再生回収・販売をしています。2000年1月、東京でネットウエブケアシステム(株)を創業、2003年山形県天童市に工場を移転し、2006年には本社も移転。2007年11月、社名をアイ・タックルに変更し、「新たな未来を創造していく会社」としてスタートしました。

 2006年に同友会に入会し、すぐに「経営指針」を作成。「地球環境」を柱とした方向性を明確にし、事業領域を見直すなかで、社名変更を課題としてきました。昨年CI(Corporate Identity)委員会が中心となり新社名を決定し、「社員には新会社に入社する気持ちで臨んでもらいたい」と、改めて全員に履歴書を提出してもらいました。

感動経営を実践するのは社員

 同社の1日は、朝8時の清掃から始まり、朝礼、部門ごとの朝礼を約1時間かけて行います。進行は社員が担当し、各委員会、各部門の報告を行い、経営参画の場となっています。「もったいない委員会」「掃除に学ぶ委員会」「共育向上委員会」「カイゼン委員会」などの委員会活動は、創意工夫された楽しい活動です。

社内風景

 同社の信条のひとつに、「そこまでやるか!」があり、あたり前のことをどこよりも徹底しています。整理整頓も徹底され、社内の品物すべて置く場所、向きまでが決められています。だれでもできるように、ここでも写真で定位置が示されています。社内の観葉植物には担当者の写真が貼ってあり、トイレにも工夫が見られ「えっ、そこまでやるの!」と感動を覚える来訪者も少なくありません。

 また、2007年から取り組まれている「カイゼン提案書」が効果を発揮しています。全社員から毎日提出してもらい、月1回朝礼で発表し、提案されたものはすぐ実施し、会社の隅々にアイデアが生かされています。

自分の成長がお客様への最大のサービス

 経営改革を始めた当初は、社員間の意識に格差がありやらされ感もありました。「なぜやるのか」を言い続けてきたことで、社員が主体的になり、生き生きと取り組むように変わってきました。

 「社員教育に力を入れているのは、次世代の子どもたちを育てるため。親が人間的な成長することが大切。企業も社員も地域の一員で、家庭に帰れば親であり、家庭の教育が原点」と語る水沢氏。会社の仕事をとおし、小さな実践の積み重ねで、社員の人間的な成長こそがお客様への最大のサービスと考えています。

地球環境調和型の企業づくり~共生社会をめざして

社員とともに

 「やまがたマイ箸(はし)クラブ」の活動を通じて、身体障害者通所授産施設に、箸を入れる布袋の製作委託と、使用済みカートリッジの分解の仕事を委託しています。「障害者が自立し、労働対価の給料が支払える働きがいのある仕事を生み出すことも、企業の社会的責任」と語る水沢氏です。

 環境、エネルギー、アグリカルチャーの3つが事業の柱。環境は、現在、取り組まれているOAリサイクル用品の再生。エネルギーは、9月から稼働する加水燃料の製造プラント販売、そして3つ目が食の自給率を考えた事業を考案しています。新たな未来に向け、水沢氏の果敢な挑戦が始まっています。

会社概要

設 立:2000年1月
社員数:正社員17名、パート17名
資本金:2000万円
年 商:3億3千万円
業 種:トナーカートリッジリサイクル事業、加水燃料販売事業 
所在地:山形県天童市荒谷1194-10 
TEL:023-658-4211
URLhttp://www.ecoshop.co.jp