シリーズインデックス:経営革新する元気印企業

【第15回】有田みかんを「とことんおいしく」~生産、加工、販売の「六次産業」化を実現中~(株)早和果樹園 社長 秋竹新吾氏(和歌山)(2008.11.12)

秋竹社長 (株)早和果樹園 社長 秋竹新吾氏(和歌山)

 (株)早和果樹園(秋竹新吾社長、和歌山同友会会員)は、450年の栽培歴史を持つ紀州有田みかんの本場、有田市で1979年に7戸のみかん専業農家で「早和共撰」として創業しました。後継者の出現とともに次々と意欲的な経営革新に取り組み、生産・加工・販売をおこなう「六次産業」化を実現中の農業生産法人です。

みかんづくりへの情熱

作業風景  有田みかんは急峻な地形で栽培され排水の良さと温暖な気候によってできる味の濃いおいしいみかんで、「地域団体商標登録」されています。その中でも同社も生産している「味一みかん」は有田みかんの最高峰と言われ、他のみかんとは別に収穫され、糖度・酸度等、県で定められた厳しい基準をクリアしたみかんです。

 しかし、みかん農家は天候と相場に左右されやすく、収入の安定が見込めないことに加え、地域の農家は高齢化が進んでいます。創業した当時は、みかんに格差が出始めたころで、小規模な共撰組織の戦略は「とことんおいしいみかんをつくる」ことでした。「早和共撰」も夏場に採れるハウスみかんの栽培など付加価値の高いみかんづくりに情熱を注ぎ、その結果7戸の仲間と1億円売り上げました。仲間とハワイ旅行を実現し、達成感と充実感を味わいました。

後継者と法人化

商品  7戸の仲間のうち4戸に後継者ができる中、若い人たちが夢を持ってみかんづくりに取り組めるようにするにはどうすればいいのか課題となりました。「科学的な経営をめざす必要がある」と議論し、2000年に(有)早和果樹園を設立、農業法人として国・県・市から支援を得て、撰果場の増設と光センサーを導入、国の研究機関が開発した栽培方法である「マルドリ栽培」にいち早く取り組みました。

 次に、東京でのブランド力のアップをめざし、老舗のフルーツパーラーに「まるどりみかん」として納品することになりました。バイヤーには、若い後継者たちが新しい技術に取り組む姿勢が高く評価されました。

こだわりの商品開発

 2004年に取り組んだ加工品の第1号は、糖度12度以上のみかんでつくる100%ジュース「味一しぼり」です。皮を剥いて中身だけ絞るという高コストで一般的ではない方法でジュースをつくりました。これに有名百貨店のバイヤーが720ミリリットルで1260円の価格をつけ、都内最高級ホテルの冷蔵庫に入れられるなど、「思いもかけない高い評価を受けた」と秋竹氏は言います。

 2006年には、経営を評価され「輝く経営大賞・特別賞」(農林漁業公庫)を受賞。その後、「味一しぼり」を原材料とする「味一ジュレ」や「味一ジュレてまりIN」、「黄金ジャム」等々を発売、着々と業績を上げています。

全社で取り組む

 「同友会で経営理念の大切さを再認識した」と語る秋竹氏、和歌山同友会には今年入会しました。休祭日等には、試飲販売でのアピールに全社員が取り組んでいます。農家以外の農業志望者が入社するなど、若い社員が増え、将来への希望もできてきました。営業社員も育っています。

 「品質については絶対の自信をもっているが、今後は更に加工工場を新設し、一層の整備を図る」と秋竹氏、農家ならではの組織的な生産の難しさもありますが、深い信頼関係とつながりをもって前進しています。

会社概要

創 業:1979年10月
資本金:3000万円
社員数:26名
業 種:農業(製造・販売)
所在地:和歌山県有田市宮原町東349-2
TEL:0737-88-7279
URLhttp://sowakajuen.com

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